◆ 指揮官も頷く「いい感じで仕上がっている」
3月31日の開幕戦登板が内定しているDeNAの石田健大が24日、西武とのオープン戦に先発。終始安定したピッチングで6回1失点と結果を残し、1週間後に迫った開幕戦へ向け順調な調整ぶりを見せた。
1、2回とも先頭打者に出塁を許すも、落ち着いて後続を断ち切り、3回は初めてスコアリングポジションにランナーを進められるが、1、2番をいずれも内野ゴロに打ち取り無失点投球。4、5回になるとエンジンがさらにかかり、6人中4人を三振に斬ってとるパーフェクトピッチングでスイスイと勝利投手の権利を得た。
ラストイニングとなった6回には、死球を足がかりに、テキサスヒットで1点を失ったものの、最少失点でまとめてゲームメイク。6イニング73球を投げ、被安打4、奪三振6と、開幕に向けてスタンバイOKを印象付けるには十分すぎる内容だった。
バッターとしても第1打席では8球粘り、次打席でも喰らいついて内野安打をもぎ取るなど、攻守に渡り勝利に貢献した。
三浦監督は「まっすぐのキレも変化球の精度も良かったですし、全球種ほぼほぼ自分が思っているところに投げられたかなと感じました。本人も良い手応えを掴んだのでは」と合格点を与え、「良い感じで仕上がってきてると思いますし、良い状態でここまで来て、あとは本番を迎えるだけ」と太鼓判。
石田も「1、2回ヒットヒットという形になってしまったので、先頭をきっちり取るというところは課題ですけど」と反省点も挙げたが、「今までの試合では良い方だと思います。前回と違ってゾーンで勝負できているからこういう結果になっている。その点は良かったかなと思います」と手応えも口にした。
具体的には「今日に関しては真っ直ぐで攻められた印象があるので、やっと感覚が戻ってきたな。他の変化球が生きるような真っ直ぐが行きだした」と分析。球速を抑えながらも押し込めたストレートに「ベストかなと思っています。球速以上に来ているなという感じに来てくれれば一番いい。それを目指していきたい」と理想も口にした。
1週間後に迫った開幕に「その日までにしっかり準備して後悔ないように強い気持ちを持ってマウンドに上がるだけかなと思う」と切れ長の目を輝かせた左腕。
チーム事情で先発から中継ぎを経て、待ち望んだスターターとしての2年目。自身3度目のオープニングピッチャーとして、頂を狙う2023年のシーズンに勢いをつける。
取材・文・写真=萩原孝弘(はぎわら・たかひろ)
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