「プチレーブ」「ふたばさん」って?……新たな門出祝うガシャポン

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2023年03月25日 07:00  ウィズニュース

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私立青稜高等学校で行われた「卒業おめガシャポン」のラインナップの一部

3年間、コロナ禍の高校生活を送った今年の高校の卒業生。ある高校の学校長とおもちゃメーカーがタッグを組み、イベントを開催しました。そこにかけた校長の思いや、メーカーが果たす役割を、ガチャガチャ評論家のおまつさんが取材しました。

【画像】「プチレーブ」「ふたばさん」の正体はこちら

今年卒業の高校3年生といえば
3月と言えば、卒業シーズン。2023年3月に卒業する高校3年生は全国で109万7148人※いるそうです。この世代の高校3年間は、コロナ禍に覆われたため、コロナ前の学校生活とは違う学校生活を過ごしました。

多くの高校が3月に卒業式を迎えるなか、とても興味深い卒業式が3月10日に行われました。
東京都品川区にある私立青稜高等学校と、ガチャガチャ業界の最大手であるバンダイがコラボした、高校3年生に向けた特別なサプライズイベント※「卒業おめガシャポン」です。

卒業おめガシャポンは、卒業生に対してサプライズでオリジナルガシャポンをプレゼントするという、青稜高等学校とバンダイの史上初の取り組み。このイベントを開催するにあたり、青田泰明校長にはある思いがありました。

「卒業する生徒たちはコロナ禍で、様々な学校行事を中止、縮小、変更せざるを得なかった学年です。私は生徒たちにいろいろな経験や価値を与えてあげたかった。座学だけでは学べないことが学校ではたくさんあります。そういったことがコロナで制限されました。高校生活の多くの自粛モードに覆われてしまった生徒たちに、最後に何か大きなプレゼントを送りたいという思いがありました」(青田校長)。

学校とおもちゃメーカーとのタッグ
青田校長が生徒たちに何かしてあげたいと思っていたところ、バンダイも22年にガシャポン45周年で様々なイベントを企画しており、そのなかで、卒業おめガシャポンの企画があったそうです。

バンダイのベンダー事業部グローバルマーケティングチームアシスタントマネジャーの瀬谷朋子さんは卒業おめガシャポンについて、「ガシャポンは回すことも楽しいですし、卒業する生徒さんは子どもの頃からガシャポンを回していて親しみがあります。また、ガシャポンを通じてもっと世の中にワクワクと届けたいという思いがあり、青田校長に企画を提案させていただきました」と話してくれました。


青田校長の思いとバンダイの企画がマッチして実現できたイベントだと改めて感じました。

生徒のアイデア「私たちでは思いつかない」
プレゼントする商品では、卒業生273人のために、青稜高等学校の校舎や制服、生徒手帳、近隣のパン屋など、高校生活の思い出が詰まったオリジナルアクリルチャーム(全20種)を制作しました。またオリジナルミニブック(説明書)には、先生からの生徒へのメッセージが書かれていました。

20種類のラインナップについては、瀬谷さんが何度も青稜高等高校に通い、担任の先生や生徒会のメンバーに意見をもらい決めたそうです。

「青稜高等学校ならではのモチーフを、アクリルチャームにすることができました。制服は、ぱっと考えつきますが、学校近隣にあるパン屋の『プチレーブ』や青稜中学校・高等学校の公式キャラクターの『ふたばさん』は、私たちからすると、思いつかないラインナップでした」(瀬谷さん)

青田校長はラインナップについて「卒業した後、アクリルチャームを見て高校生活を思い出してほしい。卒業した生徒のなかには、一人暮らしが始まる子や、地元を離れる子もいます。高校生活をふと思い出して安心するお守りみたいなものになればと思います」と教えてくれました。

「卒業」×「ガシャポン」の価値
卒業式当日は、卒業生の最後のホームルームの時間中に、校舎内に設置した約100面のガシャポンマシンを、卒業する生徒たちが無料で複数回せる形にしました。

青田校長は卒業生を振り返り、「卒業する生徒たち、まさにコロナ世代はコロナ禍で覆われたからこそ、出来たこともあったと思います」と話します。

「たとえば、オンライン授業。オンラインであれだけ頑張れるなんて、あの子たちの学年じゃなかったらありえませんでした。また学校行事ができないからこそ工夫し、新しいことをやったりもしました。歴史上もっとも挑戦的な学年でした」と話してくれました。

ガチャガチャ業界では、季節性の商品は商品サイクルが早いため、なかなか販売するのが難しい状況です。そのなかで、たとえ今回のイベントであっても、大手のバンダイだからこそ「卒業」×「ガシャポン」として、ワクワク感を届けられたイベントが実現できたのではないかと思いました。

マスクの安心感、「切り崩すのは付けさせるより難しい」
今年でコロナ禍が、4年目に入ります。3月13日には、マスクの着用は、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となりました。この卒業式もマスクの着用なしでも出席が可能でしたが、卒業式では、マスクした生徒たちがほとんどだったそうです。

卒業式を見ていても、生徒のほとんどはマスクをつけ、マスクを外している子がほとんどいない状況でした。

青田校長は「マスクの意味づけに関して、我々大人が思っていた3年間と、生徒たちの3年間の意味合いが違うことに気づきました」と話します。「生徒にとって、マスクは、自分の顔を守っているという安心感のある文化になってきています。それをどう切り崩していくかは、マスクを付けさせるよりも難しい。最終の目標はマスクを外すことですが、どういう道筋で持っていくかをきちんと考えないといけない」と語ります。

ガチャガチャは、自分が欲しいものがでたときの喜びや、欲しいものがでなかったときの悔しさなどの感情を体験できるものです。ですが、このイベントではも、ほとんどの生徒の感情は目以外の表情からは感じることができませんでした。マスクを外して楽しそうに回す姿を、少しでも早く実現できる日が訪れたらいいなと、青田校長の話を聞いて感じました。

※JSコーポレーションが2021年12月15日に発表
※「ガシャポン」はバンダイの登録商標です。

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ラインナップは、教室、アリーナ、正門、校舎、ロッカー、制服、体育ジャージ、体育着、リュック、生徒手帳、学級日誌、黒板けしクリーナーと鉛筆削り、机、校章、プチレーブ、ふたばさん、校歌、Sラボ、正門の壁、青稜祭の20種類。

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この連載は、20年以上業界を取材しトレンドをチェックしているおまつさんが注目するガチャガチャを紹介していきます。
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ガチャガチャ評論家・おまつ(@gashaponmani)
ガチャガチャ業界や商品などをSNSで発信中。著書に「ガチャポンのアイディアノートーなんでこれつくったの?ー」(オークラ出版)。テレビやラジオなどのメディアへの出演や素材提供も多数ある。

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