高松宮記念は「人気ほどの実力差はない」各ジョッキーが一発を目論むなかで浮上する穴馬候補

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2023年03月25日 07:21  webスポルティーバ

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ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

――今週から春のGIシリーズがスタートします。そのGIレースの検討に際して、何かしら大西さんがポイントに考えていることはありますか。

大西直宏(以下、大西)とりわけ古馬については、近年最上位層の馬たちは国内のGIではなく、海外GIを目指すのが主流になっています。そうした傾向から、国内のGIレースでは確たる軸馬が不在となり、どのレースも混戦度が増しています。

 そして、能力が拮抗した一戦になると、枠順や馬場バイアスが結果に与える影響が大きくなっている、という印象が強いです。それはまた、"騎手の乗り方(=意識や戦略)"と言い換えることができるかもしれません。

 そんなことを踏まえると、このGIシリーズで僕は、特に各ジョッキーに注目。騎乗馬に対してどのくらいの理解度があって、どういう乗り方をしようとしているのか――この辺りを騎手目線に立って、重点的に考察していきたいと思っています。

――そこから、我々はレースの展開面などを思い描いたり、馬券検討におけるヒントが多く得られそうですね。では早速ですが、今週のGI高松宮記念(3月26日/中京・芝1200m)において、大西さんが着目している点を聞かせてください。

大西 近年のスプリント路線は、GII、GIIIといった重賞レベルでも勝ち馬がコロコロと変わり、絶対的な中心馬が不在です。そのため、GIでは直近の前哨戦を勝った馬や、実績のある素質馬が押し出されて人気になりますが、なかなかそのとおりには決まりません。

 この路線のレース検討においては、僕自身「人気ほどの実力差はない」という考えがベースにあります。

 また、昨年のスプリントGIを振り返ると、高松宮記念にしても、スプリンターズS(10月2日/中山・芝1200m)にしても、顕著な"内枠バイアス"が見られ、枠順による影響が大きかったと思います。そして今年も、週中から雨が続く天気予報となっており、再び特殊な馬場状態となって、何らかの馬場バイアスが生まれる可能性があることも頭に入れておきたいですね。

 そういう意味では、各騎手が馬場状態をどれだけ把握しているかが、ひとつのカギ。前日、当日の騎乗機会が多く、直前のレースまで騎乗しているジョッキーのほうが有利になるような気がします。

――今年も下馬評では、前哨戦を勝ち上がった馬が人気を集めそうですが、そういった面々についてはどう見ていますか。

大西 今回と同じ舞台で行なわれたGIIIシルクロードS(1月29日/中京・芝1200m)を制したナムラクレア(牝4歳)は、久々の左回り、ハンデ56.5kgを克服したのは大きいですね。

 昨秋の2戦、GIII北九州記念(3着。小倉・芝1200m)とスプリンターズS(5着)では、鞍上の浜中俊騎手も騎乗面で悔しさが残るものがあったと思うので、ここは期するものがあるでしょう。

 GIII阪急杯(2月26日/阪神・芝1400m)を勝って、目下4連勝中の"上がり馬"アグリ(牡4歳)も勢いがあります。成長期の若駒らしく、走るごとに時計を詰めて、内容もよくなっていますね。

 芝1200m戦は過去に一度経験して、唯一馬券圏外(4着)に敗れていますが、僕はこの馬のスプリント性能は高いと見ています。というのも、阪急杯の1200m通過が1分7秒6。その時はもう、この馬が先頭を走っていましたからね。

 その他、上位人気になりそうなのは、中京・芝1200mで重賞2勝のメイケイエール(牝5歳)や、一昨年のスプリンターズSの覇者であるピクシーナイト(牡5歳)あたりでしょうか。

――どんなレースになりそうか、大西さんなりのイメージはありますか。

大西 春と秋のスプリントGIは、ちょうど海外の大きな国際競走(春はドバイワールドカップデー、秋は凱旋門賞)と日程が重なるため、リーディングの上位騎手がそちらの騎乗で遠征し、不在になることが多いです。

 その結果、中堅や若手騎手にとっては大きなチャンスとなり、自ずと「一発やってやろう」といった意識が強くなるもの。実際、昨年の高松宮記念では丸田恭介騎手が、スプリンターズSでは荻野極騎手が、GI初勝利を飾っています。

 今年も、現在リーディングトップの川田将雅騎手をはじめ、クリストフ・ルメール騎手、武豊騎手、坂井瑠星騎手といったトップジョッキーが不在。そうなると、すべての騎手が勝ちにいく意識を強く持って臨むはずで、それが想像以上にレースに影響すると睨んでいます。

 昨年同様、ゴール前は横一線の大激戦となっても不思議ではありません。

――レースの展開は、どうなると思われますか。

大西 前走で逃げた馬が1頭もいないので、ペースが落ちつくことも考えられますが、僕は全体的に前がかりの展開になると考えています。

 ジョッキーの心理からして、同じような位置でごちゃつくぐらいなら、一歩でも前に出て有利にレースを運んだほうが勝ちに近づけると思うはずで、もし馬場が悪くなれば、なおさらその意識は強くなるのではないでしょうか。




――そういう流れのなかで、一発が期待できる穴馬はいますか。

大西 ナランフレグ(牡7歳)です。昨年の勝ち馬ですが、その後は成績が振るわず、前哨戦でも見せ場さえ作れませんでした。

 ただ、それには敗因があって、斤量だったり、馬場だったり、展開などが向いていなかっただけ。となれば、まだ見限るのは早計だと思います。

 昨年は極端な枠(1枠2番)を引いてしまったので、レースで採れる選択肢も狭まって、腹をくくってインを突くしかありませんでした。でもそれが、結果的には功を奏しました。

 もともとは馬場の大外一気を得意にしていた馬ですが、その時の馬場に応じて乗り方を変えられるようになったのは強み。さらに、鞍上の丸田騎手が昨年の勝利で、気持ちの面でも余裕を持って臨めるのは大きいでしょう。

 いろいろと条件がかみ合えば、この馬の連覇の可能性は十分にあります。7歳という年齢を考えても、おそらく人気はそこまで上がらないでしょうから、このナランフレグを今回の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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