ドバイWCデーの馬券発売4レースで狙うべき「盲点の馬」は?イクイノックスら人気の日本馬たちの陰に実力馬あり

2

2023年03月25日 07:21  webスポルティーバ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

webスポルティーバ

写真

 現地時間3月25日、アラブ首長国連邦ドバイのメイダン競馬場で、ドバイワールドカップデーが開催される。




 ドウデュース(牡4歳)こそ無念の回避となったが、今年は全9競走のうち7競走に、合計26頭の日本調教馬が参戦する。ひと月前にサウジアラビアで行なわれたサウジカップ開催では、メインのサウジカップを筆頭に計3勝を挙げており、ドバイでも昨年の5勝に続く大活躍が期待できる。

 そのうち、日本でも馬券発売が行なわれるのは後半の4レースだが、日本から参戦する馬は以下のとおりだ。

【GIドバイゴールデンシャヒーン(メイダン・ダート1200m)】

レモンポップ(牡5歳)、レッドルゼル(牡7歳)、ジャスティン(牡7)、リメイク(牡4歳)

【GIドバイターフ(メイダン・芝1800m)】

ダノンベルーガ(牡4歳)、セリフォス(牡4歳)、ヴァンドギャルド(牡7歳)

【GIドバイシーマクラシック(メイダン・芝2410m)】

イクイノックス(牡4歳)、シャフリヤール(牡5歳)、ウインマリリン(牝6歳)

【GIドバイワールドカップ(メイダン・ダート2000m)】

カフェファラオ(牡6歳)、クラウンプライド(牡4歳)、ジオグリフ(牡4歳)、ジュンライトボルト(牡6歳)、パンサラッサ(牡6歳)、テーオーケインズ(牡6歳)、ウシュバテソーロ(牡6歳)、ヴェラアズール(牡6歳)

 サウジカップではパンサラッサが勝利し、3〜5着も日本馬で、昨年のドバイワールドC優勝馬カントリーグラマー(アメリカ/牡6歳)が2着に入らなければ、上位を独占していた。かつて、海外のダートは日本馬にとって鬼門のひとつだったが、そのイメージは払拭されつつある。

 さらに、今年はダート競馬の本場であるアメリカからの参戦が、カントリーグラマー1頭だけという点も大きい。もちろん昨年の覇者は油断できない存在で、サウジとドバイではダートの質は異なるものの、ドバイでも大きな歓喜が期待できることは間違いない。

 ここで上位になれば、日本調教馬として獲得賞金が歴代最多となるパンサラッサは、3月1日にサウジアラビアからドバイに輸送され、順調に調整をこなしている。今年のドバイは気温があまり高くない点もプラスになっているようだ。ただ、枠順は大外15番枠。陣営は徹底先行の構えだが、第1コーナ―が近いため、かなりのハイペースとなりそうだ。

 また、シーマクラシックには昨年の覇者シャフリヤール、ここが今年の始動戦となる昨年の年度代表馬イクイノックスがスタンバイ。シャフリヤールはすでにこの舞台で結果を出しており、イクイノックスも日本で見せていたパフォーマンスを考えれば勝ち負け必至だ。水曜日に芝コースで追い切られたあとも、毎日馬場に入って入念に調整されている。

 他のレースに出走する日本馬への期待も高まるばかりだが、馬券的な妙味でいえば、人気になりそうな日本馬は"旨味"がない。また、そうした状況でこそ、盲点になりがちな実力馬が隠れていることもある。

 まず、馬券発売の口開けであるドバイゴールデンシャヒーンは、昨年の覇者スイッツァランド(アメリカ/せん9歳)、リヤドダートスプリントで2着のガナイト(アメリカ/牡4歳)、日本のレッドルゼル、レモンポップあたりが人気になりそうだが、あえて狙いたいのがアメリカのスーパーオチョ(牡4歳)だ。

 同馬は今年4戦目。しかも前走は、リステッド競走で5着と敗れているだけに、人気の盲点どころか「消し」評価となるのもうなずける。ただ、6着に敗れた昨年のブリーダーズカップスプリントも、近走でもハナを切っている点は強調材料だ。人気馬同士が牽制する形になれば、スイスイとそのまま押し切っても不思議はないだろう。

 続いてドバイターフは、日本の3頭と3連覇を狙うロードノース(アイルランド/せん7歳)が日本のオッズでは主力と見られているが、ネーションズプライド(アイルランド/牡4歳)と、ジュンコ(イギリス/せん4歳)の2頭は注意が必要だ。

 前者は、2走前のブリーダーズカップターフ(キーンランド・芝2400m)で5着と1番人気を裏切ったが、適性があるのが広くて平坦な芝コースの1800〜2000mと考えれば、悲観する結果ではない。実際、前走のドバイミレニアムS(メイダン・芝2000m)は快勝している。

 後者は、フランス調教馬がドバイ遠征前のひと叩きにすることが多いダルシャーン賞(シャンティイ・AW1900m)を勝利。そのレースには、シーマクラシックに出走するボタニク(アイルランド/せん5歳)も出走して3着になっているように、決してレベルは低くはない。戦績的にも、2017年の2着馬エシェムを髣髴(ほうふつ)とさせるものがあり、同じように人気薄での一撃が期待できる。

 ドバイシーマクラシックはイクイノックス、シャフリヤールの2頭に、ブリーダーズカップターフの勝ち馬レベルスロマンス(アイルランド/せん5歳)あたりが有力だが、それらをまとめて料理してもおかしくないのが、ウエストオーバー(イギリス/牡4歳)だ。

 同馬は英国ダービー(エプソム・芝2410m)の最後の直線で、超致命的な不利を受けながら3着。続くアイリッシュダービー(カラ・芝2400m)ではきっちりと勝利し、力を証明した。前走の凱旋門賞(パリロンシャン・芝2400m)では、決して得意とは言えない馬場のなか、じわじわと伸びて6着となった。条件さえ揃えば、昨年春に見せた爆発力が示せるはず。コースが広く、直線も長く、馬場も硬めのこの舞台は、同馬にとってすべてがプラスに働きそうだ。

 もう1頭、勝つまではないが、人気薄なら相手として狙いたいのがモスターダフ(アイルランド/牡5歳)。凱旋門賞ではまったくいいところなく20着に敗れているが、前走のサウジでのネオムターフカップ(キングアブドゥルアジーズ・芝2100m)では、前年のオーソリティと差がないタイムで圧勝している。そのオーソリティは、続くドバイシーマクラシックでも3着と好走。平坦馬場が合うのであれば、その再現も可能だろう。

 最後を飾るドバイワールドカップは、パンサラッサや、昨年の勝ち馬カントリーグラマーが人気となりそうで、特にカントリーグラマーは安定感を含めて計算が立つ。人気の盲点となりそうなのは、日本馬のクラウンプライド(牡4歳)とヴェラアズール(牡6歳)と、バーレーン籍のドバイ調教馬サルートザソルジャー(せん8歳)だ。




 クラウンプライドは、昨年のUAEダービー(メイダン・ダート1900m)を快勝。その後のケンタッキーダービー(チャーチルダウンズ・ダート2000m)では、馬なりで地元アメリカ馬を抑えて先行するスピードを見せた。前走のサウジCは外に振られる不利があって後手に回り5位だったが、今回は馬場適性も文句なし。ここまで惜敗続きの鬱憤を晴らせそうだ。

 ヴェラアズールは、条件戦をダートで勝ち上がってきた点もそうだが、昨年のジャパンCも地力があってこその勝利。さらに、レース前日の調教で跨った福永祐一技術調教師が、リム付の蹄鉄(ていてつ)の効果を「推進力が全然違う」と絶賛しているのも心強い。

 サルートザソルジャーは、前哨戦のアルマクトゥームチャレンジR3(メイダン・ダート2000m)を快勝。2021年も同じローテーションで5着となったが、今は円熟味を感じさせる。

 今年最初の海外馬券発売レース。WBCの歓喜に負けない日本馬の活躍を期待しつつ、好配当もしっかりと手にしよう。

このニュースに関するつぶやき

  • あれ、割りとガチ視点で見てる…この記者は有能かも。海外馬の前走までしっかりチェックは素晴らしい。さあ、ドバイミーティングの始まりだ!
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ニュース設定