浦沢直樹、『PLUTO』アニメ化への思い「手塚治虫からのバトンをこの時代に」

6

2023年03月26日 11:16  ORICON NEWS

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ORICON NEWS

Netflixシリーズ『PLUTO』(2023年独占配信)原作者・浦沢直樹氏描き下ろしのティザービジュアル
 東京ビッグサイトで25日、10周年を迎えた「AnimeJapan 2023」が開幕。同日、会場内「BLUE STAGE」にて行われた「ネトフリアニメ スペシャルステージ」に、Netflixシリーズ『PLUTO』(2023年独占配信)の原作者・浦沢直樹氏、同作の監修を務めた手塚眞氏、さらにアトム役の日笠陽子、ウラン役の鈴木みのりが登壇。浦沢は「手塚治虫からのバトンをこの時代に」と本作への期待を語った。

【写真】「AnimeJapan 2023」ステージイベントの模様

 今回のアニメ化を受けての感想と『PLUTO』の原作となった『地上最大のロボット』にはじめて触れた時の体験について浦沢氏は「この企画は随分前から内緒でやってきました。言いたくて言いたくてしょうがなくて、やっと言って良いのかとホッとしました。5歳の頃に初めて原作を読んで、その時に心の中で全漫画の中で中央に鎮座するイメージがありました。幼いながらも なんという切ない話なんだろうと浦沢少年は思いました。その得体のしれない切なさみたいなものを一生かかって突き止めていくような感じがしております」と明かし、改めて手塚治虫の物語に隠された奥行きについて力説した。

 日本初のテレビアニメとして1963年に『鉄腕アトム』が放送され、それから60年の時を経て『PLUTO』が日本、さらには世界へ配信されることへの今の心境を聞かれた手塚氏は「アトムの最初のテレビからきっかり60年で『PLUTO』が生まれて、先日発表できたことに運命的なことを感じます。もともと『PLUTO』の漫画は2003年に浦沢さんがやろうとスタートしたのですが、そこから丁度20年経っています。本当にこの20年もずっと人気があって、しかもアニメ化されるというのは、紛れもなく名作だと思っています。おそらく父親も大変感謝していると思います。“俺の作品を風化させなかった、ありがとう浦沢君”と言っていると思います」と、亡き父へ思いをめぐらせた。

 さらに、「最初浦沢さんから(漫画の)話があった時は、こちらも1年近く悩みました。ですが今日のことをその時に知っていれば、すぐにでもOKしていたと思います。そして、この20年、何度もアニメ化の話があったのですが、一番良い形でできたのではないかと思います。楽しみにしております」と、本作への期待を語っていた。

 会場では、浦沢氏自身が本作のために描き下ろしたティザービジュアルがいち早く解禁され、その完成度の高さに会場からは驚嘆の声が上がった。ビジュアルには、主人公の刑事ロボット・ゲジヒトはじめ、アトム、エプシロン、ノース二号、ブランド、ヘラクレス、モンブランの7人の世界最高水準のロボットに加え、その背後に浮かび上がる巨大な影が描かれている。

 手塚氏も「今こそ『PLUTO』を見る意義があるかと思います。世界では戦争が起きています。そしてさまざまな分断や差別が起きております。その中で、『PLUTO』を見ることがどれだけ大切なことか、この時代のためにできた作品かと思います。それを20年前に予見していた浦沢さんもすごいと思いますし、もちろん昔から言い続けていた手塚治虫の想いを受け止めて味わっていただきたいと思います」。

 浦沢氏も「手塚治虫さんは60年前に、この話を我々に提示してくれていました。そして60年たった今、世界はこのような状態になっていて、今も尚この作品が有効であるということだと思います。それが僕が原作から感じた巨大な切なさなのではないかと思います。手塚先生から僕が受け取ったバトンを今度は皆さんに受け取っていただきたいと思います。そういうことをしていかない限り、僕の抱える巨大な切なさは消えないと思います」と、思いを吐露していた。

このニュースに関するつぶやき

  • オリジナルの「地上最大のロボット」は何回も読み直すくらい好きだったけど「PLUTO」はコレジャナイ感じがしたなあ。アニメはどうなることやら。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(2件)

ランキングゲーム・アニメ

前日のランキングへ

オススメゲーム

ニュース設定