名車がずらり! しかも買える! バイク王が絶版車専門店をオープンする理由

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2023年03月27日 11:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
バイク王&カンパニーが2店舗目となる絶版車専門店「茅ヶ崎絶版車館」(神奈川県茅ヶ崎市下町屋1-10-26)を3月20日にオープンした。バイクの名車は人気上昇につき価格も高騰しているが、バイク王が手掛ける専門店のラインアップは? なぜ専門店を開くのか。内覧会を取材した。


○見るだけで楽しい! それも開店の狙い?



週末にはツーリングを楽しむライダーの姿を見かけることも多い湘南エリアにオープンした茅ヶ崎絶版車館。店内に入って驚かされたのが、独自の買い取りネットワークを長年にわたり築いてきたバイク王ならではの豊富なラインアップだ。



店内に置かれた車両はカワサキの「Z」シリーズやホンダの「CB」シリーズをはじめとする往年の名車100台。なかなかお目にかかれないバイクが所狭しと並ぶ姿は壮観だ。



展示車両は全て直接触ったりまたがったりできて、なかにはエンジンをかけられる車両もある。バイク好きなら1日いても飽きることはないだろう。名車にまたがって写真や動画を撮影することもOKだというから、バイクにあまり興味がなくてもSNSに投稿するために訪れてみてもいいかもしれない。


コンセプトは「買えるミュージアム」。店内には複数の展示スペースがあり、壁面には車両紹介ボードが掲げられている。ディスプレイも工夫たっぷりで見ていて楽しい。


展示車両の解説ボードはまるで博物館のような雰囲気だが、これもよりバイクへの理解を深めてもらおうというところから発想した試みだろう。ボードのQRコードをスマホで読み込めば、より詳しい情報が確認できる。



店内に並ぶ絶版車は当然ながら中古車だ。1台1台見ていくと、それぞれ異なるカスタムが施されており、そのバイクの歩んできた歴史を垣間見ることができる。なかにはビートやヨシムラなど、今では貴重な当時物パーツを搭載するバイクもあり、それらを探すのも楽しかった。



スペースの問題で展示台数は限られるのだが、多くのバイクに触れてもらいたいとの思いから、定期的に車両の入れ替えを行っていく予定だという。2度3度と訪れて、絶版車との一期一会の出会いを楽しむのもオススメだ。

内覧後、バイク王でバイクライフプランニング事業部担当の執行役員を務める辻村裕也さんに話を聞けたので、絶版車専門店を出店する狙いや今後の展望などについて質問してみた。


――湘南エリアに絶版車専門店を出展した狙いは?



1号店の「つくば絶版車館」をオープンしたのは2019年のことです。初めての試みで、リッチな価格帯の商品を扱う店舗でしたが、いろんな地域からたくさんのお客様にご来店いただき、かなり手応えを感じていました。今回はご縁があって湘南エリアに出店することになったので、バイク激戦区でバイク王の名前を知っていただける店舗にしたいと考え、絶版車で勝負することに決めました。


――これだけの台数をそろえるのも、商品として維持していくのも大変なのでは?



ユーザーの方々も価値あるバイクを大切にされていますので、当社としても絶版車の買い取りはそこまで多くないんですが、これまでに築いてきた販売網や海外からの逆輸入など、仕入れに関しては他社に負けないポテンシャルがあります。



仕入れに関していえば、買い取った車両は全て販売しているわけではなく、車両の状態や交換パーツの有無により販売する車両を決めています。実際に店舗に並ぶのは、仕入れた車両の数%レベルだと思います。



――絶版車はカッコよくて魅力的なのですが、メンテナンスなど購入後のことを心配されるユーザーさんも多いかと思います。アフターサービス体制はどうなっていますか?



絶版車館には熟練の整備士を配備しますし、例えば近くでいうと、横浜に大きな整備工場があります。整備力については我々も力を入れているところであり、つくば絶版車館でノウハウも蓄積していますのでご安心いただければと思います。ただ、問題はパーツでして、技術があってもパーツがなければ修理ができません。どれだけパーツをしっかりとそろえていけるかが課題になってくると思います。



――今後の展望を教えてください。



我々からすると「古いバイク」といえるかどうか微妙なところなのですが、今では1990年代後半の「ゼファー」や「ZRX」なども絶版車にカテゴライズされています。まずはそういった比較的新しいバイクから絶版車の世界に入っていただき、将来的には「Z400FX」や「Z2」などにも乗っていただくというサイクルのキッカケになりたいという思いがあります。もうひとつ、西日本にも絶版車館を展開したいと考えているのですが、これには先ほどお話ししたパーツのストックが課題になりますので、そこをしっかりと解決しながら着実に進めていきたいと思います。



安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。twitter:@andYSYK。 この著者の記事一覧はこちら(安藤康之)
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