今年のホンダはバイクに注目? 公開直後のニューモデル3台をチェック!

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2023年03月29日 11:31  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
2023年のホンダはバイクに注目だ。世界No.1のバイクメーカーである同社が送り出す2023年の新型車を「第50回東京モーターサイクルショー」で取材してきたので、気になったモデルをピックアップしてご紹介したい。伝統の「CL」ブランドに新たに加わる「CL250」など3台だ。


○大型アドベンチャーモデルは使い勝手に配慮?



東京モーターサイクルショーでは「HondaGO バイクランド」をテーマに体験型ブースを展開したホンダ。ホンダのバイク38モデルがずらりとそろったブースの中央には円形の回転ステージ「ホンダゴーランド」が設置され、バイクにまたがって擬似走行体験を楽しむことができた。まるでテーマパークのように来場者を楽しませる仕掛けがいかにもホンダらしい。



ホンダブースで注目したのはアドベンチャースポーツの「XL750トランザルプ」、スクランブラースタイルのスポーツモデル「CL250」、電動スクーター「EM1 e:」(イーエムワン イー)の3台だ。いずれも2022年の「EICMAミラノショー」にてワールドプレミアされた新型車だが、今後の市販化が予定されているだけに実車を確認したかった人も多いのではないだろうか。まずはXL750 トランザルプから見ていこう。


ホンダの大型アドベンチャーバイクといえば「CRF1100L アフリカンツイン」という既存モデルが存在感抜群だ。アドベンチャーフラッグシップにふさわしく、タフコンディションも難なく走行できる抜群の性能を備えるアフリカツインだが、車体が大きく重量もあることから、一部では「扱いづらい」との声があったという。そこで、ジャストサイズのオールラウンダーを狙って開発したのがXL750トランザルプだ。



開発は「ホーネット750」と同時に進めたため、「スロットル・バイ・ワイヤ」やエンジンセッティングは共用となる。ただし、オフロード走行も想定されるXL750 トランザルプには専用の「グラベルモード」を用意しているなど違いもある。同時開発であるため、XL750 トランザルプには不要な機能であってもホーネット750と同じコンポーネントを使用せざるを得ないなど、ジレンマもあったそうだ。



オンロードもオフロードも走行できる多目的性はアドベンチャーバイクの強みといえるが、XL750トランザルプはオンロード寄りに開発したとのこと。話を聞いた開発担当者によれば、実際のところ、アドベンチャーバイクを所有していてもオフロード走行に出かけるユーザーはごく限られるという。そうした実際の使用状況を想定して開発を進めることで、本当に使い勝手のいいアドベンチャーバイクを追求したわけだ。



とはいえ悪路にバイクを持ち込む強者も一定数は存在するため、苦心したのがオンとオフのバランス調整だ。例えばボディを構成するフレームひとつを取っても、オンとオフでは求められる強度が異なる。そうした苦労を経て完成したXL750 トランザルプはどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、興味深い1台だ。

○バイクライフの幅を広げる「CL250」



新型CL250はバイクライフの幅を広げてくれそうな1台だ。



歴史あるプロダクトブランド「CL」の名を冠するこのマシンを室岡さんは、「スクランブラースタイルの車体に扱いやすく力強い出力特性のエンジンを搭載することで、市街地から郊外まで幅広いシチュエーションで楽しめるモデル」と評した。


例えばロングツーリングやキャンプに出かけた時などに、オフロードとまではいわないまでも、ちょっとした砂利道を走行したり、突然の雨で路面コンディションが悪化したりといったシチュエーションは往々にしてある。そんな時でも安心して走行できる性能をバイクが備えていれば、ツーリングの幅は格段に広がるに違いない。CL250はそこを目指したわけだ。



オンロードしか乗らない人でも、乗り心地がいいからとか、大きく見えるので所有感があるからといった理由でオフロードバイクを選ぶケースは結構あるという。そういうユーザーにもスクランブラースタイルのCL250はうってつけの1台といえる。



乗り心地と所有感の両立が大事なのは「クルマも同様。近年のSUV人気の一因になっているのでは」とホンダの開発担当者。四輪も手掛ける同社らしい分析だ。


○一般向け電動スクーターは普及する?



EM1 e:は「ホンダモバイルパワーパック」1個を動力用バッテリーに採用する電動スクーターだ。「日々の生活スタイルにマッチする、ちょうどe:Scooter」をコンセプトに開発を進めたという。


大まかなデザインは法人向けに販売中の「ベンリィ e:」に似ているが、ベンリィ e:が備えていたフロントのカゴとリアの荷台スペースがないあたりが一般向けであることを主張している。



EM1 e:はホンダが欧州市場に初めて投入する電動スクーターでもある。電動バイクの普及が進むかどうかを占う意味でも試金石となりそうだ。


安藤康之 あんどうやすゆき フリーライター/フォトグラファー。編集プロダクション、出版社勤務を経て2018年よりフリーでの活動を開始。クルマやバイク、競馬やグルメなどジャンルを問わず活動中。 この著者の記事一覧はこちら(安藤康之)
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