「昔この犬に会いました」散歩中に出会った少年が、亡くした愛犬を「覚えててくれた」思わぬ記憶の再会に12万人が感涙

3

2023年03月29日 20:00  まいどなニュース

  • 限定公開( 3 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

まいどなニュース

二代目ジャックのハルトくん。少年との会話中、ずっと飼い主さんの足元で、座りながらしっぽを振って待っていたそうです(画像提供:十海さん @hywel_m)

犬と散歩をしていると、飼い主は通行人や犬好きさんからよく声をかけられるものです。この日、5歳になるジャック・ラッセル・テリアの男の子、ハルトくんと公園を散歩していた十海(@hywel_m)さんは、見知らぬ少年から声をかけられました。少年と交わしたその時の感動的なツイートが、大きな話題になりました。

【写真】こちらが先代犬です…そっくりですね!

「犬の散歩で公園へ。出会った少年が『この犬、何歳ですか』と聞いてきた。『5歳です』『うーむ』何か納得いかなそうな表情。『僕はもっと昔にこの犬に会ってるはずなのです。小さい頃カニを獲っていて、その時に会いました』待てよ。それは心当たりがある!」

「7年前ぐらいにはこの辺はまだ側溝が整備されておらず、サワガニが獲れたのだ(ど田舎ですから)。その時、確かに犬の散歩中に子供たちに会った。だが連れていたのは初代犬のざんくろーさんだ。そして彼はハルトくんとそっくりなのである(体のサイズは異なるが)」

「だから私は答えた。『それは、この犬の前に家にいた子です。年をとって病気で死んじゃったけど、この子とそっくりです。覚えていてくれて、ありがとう』」

「覚えていてくれる人がいて、とても嬉しかった」

見知らぬ少年の記憶を通して「愛犬」と再会した十海さんに、お話を聞きました。

「家族を覚えてる人がいる」「犬飼いがいちばん嬉しいこと」

思いがけない形で、先代犬の記憶と再会した十海さん。リプ欄には多くの感動の声が寄せられました。

「涙なしでは読めませんでした」
「泣いた。家族を覚えてくれてる人がいるって、それだけで感極まってしまいますね」
「赤の他人、しかもあまり交流のない人たちに死後も憶えてもらっていて話題に上がる…。それって犬飼いがいちばん嬉しいことなんじゃないでしょうか」

今も少年の記憶の中にいる先代犬「ざんくろーさん」と、先代犬が引き合わせてくれた愛犬「ハルトくん」について、十海さんに詳しくお話を伺いました。

そこは先代犬と最後に散歩に行った「公園」でした

ーー「少年」はどんな風に話かけてきたのですか?

「いつもハルトと散歩で行く公園で何人か小学生が遊んでいて、『犬だー!』と寄って来た子供たちの中の一人でした。他の子たちが離れるのを待ってから、話しかけてきました。11か12歳ぐらいでしょうか。手足がまずにゅっと伸びて、まだそこに筋肉の成長が追いついていないという感じの体つきの少年でした」

ーーその公園は先代犬、ざんくろーさんとも行ったことが…?

「ざんくろーさんと最後に散歩に行って、夕陽を見た公園でした」

ーー少年はざんくろーさんのことを聞いて、どんな様子でしたか?

「『死んじゃった』ということをどうやって受け入れればいいのか、戸惑っている様子でした。私の『覚えていてくれてありがとう』という言葉を聞いて笑顔になりました。その間、ハルトは私の足下にきちんと座って、ずっとしっぽを振っていました」

「君を覚えていてくれた子がいたよ」

ーーツイートに添付されていたざんくろーさんとハルトくんの写真、2匹がそっくりで驚きました。「先代犬の面影を求めてお迎えした二代目でした」と、ツイートしていらっしゃいましたね。

「ハルトもざんくろーと同じジャック・ラッセルで、同じブリーダーさんからお迎えしました。ざんくろーを失った後、ブリーダーさんにご挨拶に行った際、ドアを開けた途端、『大丈夫ですか』と言われまして…。後で鏡を見たら、毎日泣き腫らしていたので顔は土気色、顔面全体も腫れ上がってゾンビ状態でした。そして、『生まれたばかりの子たちがいるんですけど』と、ジャックのパピーたちを見せてくださいました。その中にざんくろーそっくりの子がいて、それがハルトでした」

ーー「先代犬がめっちゃカニ見てたので覚えてました」「ありがとう少年…ありがとうカニ」と、ツイートしていらっしゃいましたね。今回のこと、もしざんくろーさんに伝えることが出来るなら…?

「君を覚えててくれた子がいたよ。あの時のカニ、甲羅の横幅が4センチくらいあって大きかったよね、と」

◇ ◇

小型犬ながらパワフルで活発な犬種、ジャック・ラッセル・テリア。ざんくろーさんももちろん、「お祭り野郎で、予想外のいたずらをやらかす暴れん坊」だったそうです。しかし、二代目ジャックのハルトくんは、ざんくろーさんを上回る「はちゃめちゃな暴れん坊」に成長。おかげでざんくろーさんが、「実はおっとりしておとなしい子だったと判明しました」と、十海さん。ご家族に笑顔が戻りました。

十海さんは、小説家/ゲームシナリオライター。突然の病に倒れ、13歳で旅立った先代犬のざんくろーさんとの最後の数週間と、ハルトくんを迎えるまでの日々を綴ったエッセイ『さよならウィンタードッグ』が、電子小説サイト、カクヨムに掲載されています。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)

動画・画像が表示されない場合はこちら

    ランキングIT・インターネット

    前日のランキングへ

    ニュース設定