ピークはこれから? 代表通算100ゴールを突破したメッシを深掘り

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2023年03月30日 16:28  サッカーキング

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代表通算100ゴールを突破したメッシ [写真]=Getty Images
 アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(35歳)が、28日に行われた国際親善試合のキュラソー戦で代表通算「100ゴール」を突破した。

 それでは偉大なメッシが積み上げてきた代表ゴールのデータを見ていこう。

[写真]=Getty Images

■史上3人目



 メッシはアルゼンチン代表として174試合目の出場となったキュラソー戦でハットトリックを達成し、代表での通算ゴール数を「102ゴール」まで伸ばした。男子選手で、A代表チームとの国際試合で「100ゴール」の大台に到達しているのは3人だけ。最多ゴール記録を持つのは、メッシの永遠の好敵手であるポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(38歳)で、198試合に出場して「122ゴール」を叩き出している。



 2位はイランの英雄であるアリ・ダエイ氏(54歳)だ。引退後に同国の代表監督も務めたダエイ氏は、現役時代にイラン代表として148試合に出場して「109ゴール」をマーク。2004年11月にワールドカップ予選のラオス戦で4得点を奪って100ゴールを突破。史上初の代表戦100ゴール、いわゆる「センチュリー」を達成した選手となった。

 そして今回のメッシで3人目だ。ちなみに、A代表チーム以外との対戦(クラブチームやB代表との試合)を含めたゴール数になると、1970〜80年代にマレーシア代表で活躍したモクタル・ダハリ氏の通算「125ゴール」が最多記録と言われている。

■初ゴールは、あの選手のデビュー戦!?



 メッシのアルゼンチン代表での記念すべき初ゴールは2006年3月1日のクロアチア戦だった。この試合は、ちょっとした“伝説の一戦”となっている。2005年8月17日のハンガリー戦でA代表デビューを飾ったメッシは、6試合目の代表戦となった2006年のクロアチア戦でネットを揺らした。ブカブカの背番号19のユニフォームを身に着けた18歳は、前半4分にカルロス・テベスのゴールをお膳立てすると、その2分後には自らドリブルで仕掛けていき、カットインから左足でファーサイドを狙う得意の形でA代表における初ゴールをマークした。そして、まるで子供のような無邪気な笑顔で同僚のフアン・ロマン・リケルメに抱き着いたのだ。

 しかし、メッシが2ゴールに絡む活躍を見せたにもかかわらず、アルゼンチンは92分にDFダリオ・シミッチに決勝ゴールを奪われて2−3で敗れたのである。そして、その試合でクロアチア代表デビューを飾ったのが、後に同国の英雄となる20歳のルカ・モドリッチ(当時ディナモ・ザグレブ所属)だった!



 ちなみにモドリッチは、かかとの皮膚が炎症を起こしており、本来ならば欠場すべきだったが、代表デビューを飾りたい一心で強行出場。患部が圧迫されるのは防ぐためにスパイクのかかとに穴を開け、かかとをテーピングで巻いてピッチに立ったという。試合についてモドリッチは「自分の代表デビュー戦というだけでなく、メッシが代表初ゴールを決めた試合ということでも覚えている」と自叙伝で振り返っている。

■メッシはピークを過ぎていない?



 6月には36歳を迎えるメッシだが、代表チームでのゴール数を見ると全くピークを過ぎていない。むしろ、今がピークにさえ感じてしまう。代表デビューを果たした2005年、メッシはアルゼンチン代表で5試合に出場してノーゴール。初ゴールを決めた2006年は7試合で2ゴールを奪った。

 このようにして年度別のゴール数を見ると、これまで2桁ゴールを決めているのが2回ある。1度目は2012年で、9試合に出場して12ゴールだ。スイス戦のほか、宿敵ブラジル相手にもハットトリックを達成するなど、充実した1年を過ごした。だが、その12ゴールを超えて最多ゴールを決めている年がある。それが昨年なのだ!

 2022年のメッシは、6月に行われた親善試合のエストニア戦で5ゴールを叩き込むなど代表チームで大車輪の活躍。年末に行われたワールドカップ・カタール大会では、決勝のフランス戦での2ゴールを含めて7試合で7ゴール。結局、昨年は14試合に出場して自身最多の「18ゴール」も叩き出したのである。

 だが、1試合におけるゴール率を計算すると最高値は2022年ではない。最もゴール率が高いのは今年なのだ! 今月のパナマ戦(1ゴール)とキュラソー戦(3ゴール)の2試合しか行われていないが、2戦で4ゴールを稼いで1試合平均「2ゴール」。メッシのピークは今なのかもしれない…。

■大舞台では?



 大会別のゴール数を見ると、やはり最もゴールを決めているのは親善試合だ。キュラソー戦のハットトリックを含め、親善試合は「53戦・48ゴール」という圧倒的な数字を残している。これに対し、ワールドカップ予選は「60戦・28ゴール」、ワールドカップ本大会は「26戦・13ゴール」、コパ・アメリカは「34戦・13ゴール」、そして2022年に行われたEURO覇者とコパ・アメリカ覇者による“フィナリッシマ”で「1戦・0ゴール」。

 1試合の平均ゴール率で見ても親善試合が「0.91ゴール」で断トツだが、2番目はワールドカップ本大会の「0.5ゴール」なのだ。とはいえ、2022年大会を除けばワールドカップでは「19戦・6ゴール」(1試合平均0.32ゴール)と物足りない数字になる。やはり、チームを悲願の世界一に導いたカタール大会の「7戦・7ゴール」が大きかったということだ。あの大会のおかげで、メッシは「大舞台にも強い」という印象が持たれるようになった。

 ちなみにメッシは、所属するパリ・サンジェルマンでの直近3試合はノーゴール。一方で、代表戦は最近3試合で「6ゴール」を叩き出していることになる!

■最も苦手なのは日本戦?



 メッシは代表戦で37チームからゴールを奪っているという。メッシが最多ゴールを決めている相手、いわゆる“カモ”にしている相手はボリビアだ。W杯予選など対戦11回で8ゴールを奪っている。続いてエクアドルとウルグアイを相手にそれぞれ6ゴール。4番目に得意としているのがブラジル戦などで5ゴールだ。

 37チームから計102ゴールを決めていれば、全大陸連盟を制覇してそうだが、そんなことはない。実は、メッシはオセアニア勢から一度もゴールを奪ったことがないのだ。昨年のワールドカップではオーストラリア戦でネットを揺らしたが、ご存知の通りオーストラリアはアジアサッカー連盟所属なのだ。そのためオセアニアサッカー連盟(OFC)を相手にゴールを決めたことがないのだが、そもそもメッシはOFC勢とは対戦したことがないのだ…。

 肝心の日本戦だが、メッシは日本を相手にゴールを奪ったことがない。唯一の対戦が2010年10月の親善試合で、メッシはフル出場するも最後までGK川島永嗣の牙城を崩すことができず、反対にFW岡崎慎司にゴールを許して0−1の敗戦を喫した。実は、メッシが代表戦で“全敗”を喫している相手は2チームしかおらず、それが日本とノルウェーなのだ。もちろん、両チームとも一度しか対戦していない!

■ゴールの内訳



 アルゼンチン紙『オレ』によると「102ゴール」の内訳は、1試合2ゴールが10回、ハットトリック(3点)が8回、そしてレポケル(5点)が1回で、残りは全て1ゴール。レポケルを達成したのは、昨年6月に行われた親善試合のエストニア戦(5−0)だ。

 さらに、102ゴールのうち流れの中での得点が「64ゴール」。PKが「28ゴール」で直接FKが「10ゴール」だという。ゴールを決めた体の部位を見ると、得意の左足が「91ゴール」、逆足の右は「9ゴール」。残り「2ゴール」がヘディングによるものだという。

 さてさて、果たしてメッシはどこまで代表戦のゴール数を伸ばすのか? 歴代最高プレーヤーの今後に注目だ。

(記事/Footmedia)

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