八重洲ブックセンター、3月31日に閉店 無類の本好きだった鹿島建設元会長が主導したランドマークの軌跡

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2023年03月30日 18:51  リアルサウンド

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 1978年9月18日に開店し、都心における巨大書店の先駆けといわれる「八重洲ブックセンター」が2023年3月31日をもって営業を終了する。

 現在は閉店に伴うイベント「八重洲本店 フィナーレ・イベント これからも続く八重洲ブックセンターものがたり」が開催されている。



  「八重洲ブックセンター」は約150万冊の在庫を抱え、地下1階、地上8階の巨大なビルは東京駅前のランドマークとして親しまれてきた。今回の閉店は周辺一帯の再開発に伴うビルの建て替えによるもので、撤退ではなく、今後、2028年に竣工が予定されている超高層大規模複合ビルに改めて出店が検討されている。その詳細は決定次第、随時ホームページで告知するとのこと。


 同店は1978年、日本初の超巨大書店として開店した。建設を主導したのが、無類の本好きで知られた鹿島建設元会長・鹿島守之助で、小説から学術書、専門書まであらゆる分野の本を網羅する空前絶後の巨大書店が構想され、赤坂に移転した本社の跡地に建設が進められた。


 既に紀伊國屋書店や丸善などの大型書店がある中で、異業種からの書店参入として大きな話題を集めた。開店前は書店業界からの反発もあったとされる。その後、「ジュンク堂書店池袋本店」など、八重洲ブックセンターを上回る規模の巨大書店は誕生していくが、何でも揃う書店はビジネスパーソンから大学の研究者、学生まで幅広い支持を集めることになった。


 昨今は渋谷にあった「MARUZEN&ジュンク堂書店」など、大型書店の閉店が相次いでいる。渋谷の「MARUZEN&ジュンク堂書店」もテナントビルの建て替えに伴う閉店ではあるものの、ネット書店の影響もあって都心でも書店の閉店が相次いでいる。


 しかし、リアル書店はネット書店にはない、偶然出会った本を手に取った、何より書店特有の匂いや著者を招いたイベントなど、様々な出会いを演出してくれる。また、本に精通する書店員ならではの売り場作りや棚作りも見どころとなっている。約5年後に帰ってくる「八重洲ブックセンター」が、一層魅力ある書店になっていることを願いたい。


 なお、「八重洲ブックセンター」の本店は一旦閉店となるが、「ルミネ荻窪店」「石神井公園店」など8店舗は営業を続ける。


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  • 再開発に伴う一時的な閉店ならしかたがないなぁ。
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