
漢方薬を中心とした一般用医薬品と医療用医薬品を販売するクラシエ薬品株式会社が1年を通じて発信している漢方情報。3月は漢方への理解度や関心を探る調査結果が発表されました。調査結果と、クラシエ薬品による漢方情報を紹介します。
調査の背景今回行った調査について、クラシエ薬品は背景を下記のように説明します。
「漢方は、体の一部にスポットをあてるのではなく、体全体のバランスを総合的に見直すという特徴があるため、ストレスによる心身の不調や更年期症状など、検査数値では測ることのできない不調に対応することが可能です。漢方薬は幅広い症状にアプローチできますが、 “何となく難しそう”や“詳しくはわからない”といったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか? そこで今回、本調査の実施を通して、漢方の理解度や関心を図るとともに、基本の考え方や豆知識等を解説します」
2人に1人が「漢方薬を飲んだことがある」クラシエが行った調査によると、「あなたはこれまでに漢方薬を服用した事がありますか?」という質問に対して、全体で半数以上が漢方薬を服用したことがあると回答。一方で、45.5%の方は服用したことがないと回答しており、クラシエ薬品は「漢方薬の需要には、拡大の余地があることがうかがえる」と見解を述べました。
漢方薬に興味がある年代は?「あなたは漢方に興味・関心がありますか?」と質問したところ、全世代の44.4%が「興味がある」と回答しました。世代別では、40代(56.3%)が最も高く、次いで30代(47.5%)でした。
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30代、40代の漢方への興味の高まりについてクラシエ薬品は「近年、フェムテックなど女性特有の悩みや症状に対する商品やサービスが話題になり、更年期に伴う不調や生理痛など、女性特有の悩みに対する漢方の有用性への認知が高まっていることも要因の一つと考えられます」と述べました。
【調査概要】
調査対象:全国の20代〜70代の男女400名(有効回答数)
調査期間:2023年2月27日 〜 2023年3月2日
調査方法:インターネットアンケート/クラシエ調べ(株式会社ドゥ・ハウスmyアンケートlight利用)
漢方薬の基礎知識とコラムについて、クラシエ薬品のリリースより抜粋してご紹介します。
■湯・散・丸について
漢方薬の処方名は、名前の最後が「〜湯」「〜散」「〜丸」のような形になっており、作り方を表しています。「〜湯」とは生薬を煎じた薬のこと、「〜散」とは散剤で生薬を細かく刻んで粉末状にしたもの、「〜丸」は丸薬で、散剤を蜂蜜などで固めて粒状にしたものです。現在普及している漢方薬は、服用のしやすさを追求し顆粒剤や錠剤タイプが主流となっています。
■飲み合わせについて
相反する効果を持つ複数の漢方薬を同時に服用してしまうと、それぞれの漢方薬に含まれる生薬のバランスが乱れ、適切な効果を発揮することができない場合があります。また、漢方薬に限らず併用に注意が必要な薬もあるため、併用前に確認することが必要です。
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■飲むタイミングについて
一般的には、食前(食事の30分〜1時間前)や食間(食事と食事の間のことで食後2時間位)など、胃に食べ物が入っていないときに飲みます。水や白湯を口に含んでから、水の上に漢方薬を落として一緒に飲むことで、スムーズに服用できます。体を温める作用のある処方はお湯で飲んだり、香りを嗅ぎながら飲むといいとされています。
意外と身近な漢方漢方薬を服用したことがない、漢方薬名を1つも知らない……という方も、漢方薬と知らずに服用しているケースがあるかもしれません。例えば、風邪薬として知られる「葛根湯」も、実は漢方薬の一つです。「葛根湯」には、植物の葛(クズ)の根である葛根に加え、麻黄、桂皮、芍薬、生姜、大棗、甘草など7種類の生薬が配合されています。また、お腹周りの脂肪燃焼に効果的で肥満改善薬としても有名な 「防風通聖散」も漢方薬です。
特にドラッグストア等で販売されている一般用の漢方薬には、製品名に漢方の名前が使用されていないことも多くあるため、服用している薬が”実は漢方薬だった”というケースも考えられます。