トランプ氏起訴が秒読み 元ポルノ女優への13万ドルの「口止め料」問題で前代未聞の騒動へ

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2023年03月31日 16:30  AERA dot.

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検察局の周辺に集まった人たち/3月21日、ニューヨーク(ロイター/アフロ)
 口止め料問題で米国のトランプ前大統領の起訴が秒読みになっていると報道され始めた。


大統領経験者が起訴されれば、米国では前代未聞の事態となる。AERA 2023年4月3日号より紹介する。


*  *  *


「トランプ氏は、万人と同じく、法廷に召喚されて起立させられることになる。(前大統領とはいえ)何人も法を超越はしない」


 アンドリュー・ワイスマン元米連邦検察官は3月22日(米国時間)、ニュース専門局MSNBCに出演し、こう言った。過去に組織犯罪捜査を多く指揮し、昨年からトランプ氏の起訴を予言していた人物だ。


 米メディアは20日の週にも、ニューヨークにあるマンハッタン地区検察局がトランプ氏を起訴すると一斉に報じた。


 これを受けて、トランプ氏はソーシャルメディアで、


「21日の火曜日にも逮捕される」


 と発信し、支持者に抗議を呼びかけた。


■裁判所に爆破予告も


 起訴するかどうかは、地区検察官が招集する大陪審が、証拠などを精査し投票で決める。


 起訴されれば、出頭して逮捕され、ワイスマン氏が指摘したように出廷することになる。大陪審の招集は22日に予定されていたため、この日に起訴かと大騒ぎになった。


 ニューヨークの検察局や裁判所が連なる地域は、警察がバリケードを張り巡らせた。2021年1月6日にワシントンで起きた連邦議会議事堂襲撃事件のように、トランプ支持者が過激な抗議行動に出るのを警戒したためだ。


 21日には裁判所に爆破予告があり、ニューヨーク市警が辺りを封鎖、爆破物を捜索する騒ぎとなった。このため、22日の大陪審の招集は延期され、23日以降になったと伝えられている。


 検察が捜査していたのは、トランプ氏が長年不倫関係にあった元人気ポルノ女優、ストーミー・ダニエルズさんに渡した口止め料について。


 トランプ氏は16年大統領選挙に影響が及ぶのを恐れ、弁護士を通じて彼女に13万ドル(現在のレートで約1700万円)を手渡した。これが選挙戦中の支出について定めた法に抵触するかどうかが焦点の一つとなっている。


■他にも訴追する動き


 トランプ氏はこれに対し、


「魔女狩り」


「フェイクニュース」


 と反論。自らの逮捕予告をソーシャルメディアで流し、アルファベットの大文字で、


「抗議せよ。国家を取り戻すんだ!」


 と書いた。


 これが議事堂襲撃前のツイッター投稿に類似していたのが、大陪審招集を延期するなど警戒が広がった理由だ。


 22日時点で、フロリダ州にあるトランプ氏の自宅近辺に支持者が集まっている。ニューヨークでは、大規模な抗議集会は開かれていない。


 トランプ氏は大統領時代、大統領として罪を犯した際に追及される「弾劾(だんがい)」を2回もくぐり抜けた。


 しかし、今回の口止め料問題に加え、南部ジョージア州でもトランプ氏本人を訴追する動きがある。


 20年の大統領選挙結果について、州務長官など選挙担当幹部に電話し、バイデン民主党候補(当時)の勝利を覆す票を見つけるように圧力をかけた問題だ。ロイター通信によると、同州の大陪審が事件について報告書をまとめ、訴追に向け大詰めを迎えている模様だ。


 起訴されてトランプ氏がニューヨークに出頭すれば、指紋を取られ、マグショットと呼ばれる顔写真を撮られる。


 まるで刑事ドラマを見るような展開だ。


 トランプ氏が起訴されれば、「何人も法を超越してはならず、裁かれるべき」


 という米国の名言が実現する。証拠隠蔽(いんぺい)や文書改ざんなどは許されず、米国が強い法治国家であることを市民が再認識するチャンスとなる。


(ジャーナリスト・津山恵子(ニューヨーク))


※AERA 2023年4月3日号



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このニュースに関するつぶやき

  • トランプが現役大統領だった時点で出来なかった司法介入が、バイデンに出来るロジックが分からん。
    • イイネ!1
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