超人エムバペの絶妙なゴールシーン ゴールをお膳立てしたフランス代表の個人技&アイデアが秀逸

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2023年04月01日 11:11  webスポルティーバ

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サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー〜

Question 
チュアメニからの縦パスをコロ・ムアニはどのように受けたか?

 UEFAユーロ2024予選ラウンドの各グループ第1、2節が行なわれ、グループBのフランスは第1節オランダに4−0、第2節はアイルランドに1−0と、2連勝を飾った。

 強豪オランダとのビッグマッチとなった初戦。フランスは開始2分にアントワーヌ・グリーズマンが先制すると、直後の8分にはダヨ・ウパメカノが加点し、開始10分もせずに2点をリード。そして新キャプテンとなったキリアン・エムバペが前後半に1点ずつを決め、4−0と大勝した。

 第2節のアイルランド戦では、粘り強い守備になかなか均衡を破れずにいたが、後半に入って50分にパンジャマン・パバールのミドルシュートが決勝点となり、1−0で僅差をものにした。

 今回は、オランダ戦の3点目のシーンを取り上げる。

 前半21分、オランダから奪ったボールをエムバペがもらい、オーレリアン・チュアメニにわたすと、エムバペは前へ加速していく。チュアメニはドリブルで持ち運ぶと、前線のランダル・コロ・ムアニが相手を背にしながら受ける準備をした。




 次の場面で、チュアメニはコロ・ムアニへ縦パスを入れるが、そのパスをコロ・ムアニはどうしたか、というのがQuestionである。

Answer 
フリックすると見せかけてスルー。そのままエムバペにパスを通した

 コロ・ムアニの一瞬のアイデア、判断力が光ったシーンである。




 エムバペはチュアメニにボールを渡したあと、裏のスペースへと走り出した。そしてチュアメニは後退するオランダ守備に対してドリブルで持ち上がっていく。

 この時、コロ・ムアニはフィルジル・ファン・ダイク、ルシャレル・ヘールトロイダを背にしながらエムバペがトップスピードで走ってくるのを視野に入れ、それはファン・ダイクとヘールトロイダも同じだった。

 エムバペの動きに気を取られ、2人のセンターバック(CB)は裏へのケアにやや意識が行くなか、チュアメニはコロ・ムアニへの縦パスを選択する。

 ここでの判断、駆け引きが秀逸だった。コロ・ムアニは一瞬フリックするような素振りをすることで、2人のCBは足を止めてそのアクションに備えた。しかし、コロ・ムアニはボールに触れることなくスルー。2人は見事に置き去りにされ、ボールは裏へ抜けていった。

 この時、チュアメニのボールの質も見事で、縦パスとも取れるし、CB間を抜くスルーパスにもなる絶妙なコースとボールの強さ。コロ・ムアニがあの一瞬で触らずCBを引きつけてスルーパスにする選択は、CBの心理の裏をかく見事なものだった。

 2人の間を抜けたボールはエムバペの足元へ届き、最後は冷静にゴールへ流し込んだ。エムバペの走り込みとフィニッシュ、チュアメニのパスの質、コロ・ムアニの駆け引き、すべてが高いクオリティのスーパーゴールである。

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