世界で最も小さく生まれた3つ子姉妹、ギネス記録に認定されて2歳に(英)<動画あり>

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2023年04月08日 11:11  Techinsight Japan

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出産予定日より約4か月早く生まれた3つ子。NICUに入院し、黄疸、敗血症、呼吸困難など様々な症状に見舞われるも、医療スタッフは彼女たちが英国で生き延びた3つ子の中で最も小さく生まれた姉妹かもしれないと語っていた(画像は『Guinness World Records 2023年3月27日付「UK sisters certified as world’s most premature triplets」』のスクリーンショット)
昨年11月、イギリスで暮らす3つ子の姉妹が「生き延びることができた最も体重の軽い3つ子」と「最も小さく誕生した3つ子」としてギネス世界記録に認定された。妊娠22週で誕生した女児の体重は生まれた順に467グラム、402グラム、415グラムで、両親は医師から「生き延びられる保証はない」と告げられていたという。様々な試練を乗り越えて2歳を迎えた姉妹の様子をイギリスの公共放送『BBC』などが伝えている。

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英ブリストルで暮らすミカエラ・ホワイトさん(Michaela White、32)は2021年2月14日、3つ子の女児を出産した。

出産予定日より約4か月早い妊娠22週と5日で誕生したルビ・ローズちゃん(Rubi-Rose)、ペイトン・ジェーンちゃん(Payton-Jane)、ポルシャ・メイちゃん(Porscha-Mae)の体重はそれぞれ467グラム、402グラム、415グラムで、医師から「生き延びられるかどうかは分からない」と告げられたという。

ミカエラさんは出産時の状況についてこう振り返っている。

「お腹に3つ子の赤ちゃんがいると知ったのは妊娠19週のことで、それからわずか3週間で出産の日を迎えました。ブリストルのセント・マイケルズ病院で一晩過ごした後、サウスミード病院に搬送されて陣痛が始まり、10時21分にルビ・ローズを出産しました。その後、緊急帝王切開のため手術室に運ばれ、12時1分にペイトン・ジェーン、そして12時2分にポルシャ・メイが生まれました。」

「娘たちは生まれてすぐに別々の保育器の中で子宮と同じ役割をする袋に入れられて、医療介入を行う前にそれぞれ10秒間自分で呼吸できることを要求されましたが、3人ともなんとかクリアして治療を受けることができました。それでも医師からは誕生から72時間は危険な状態が続くと告げられていたのです。私はとても小さい娘たちが心配で、生まれてから数日間はずっとそばにいました。あの時は本当に怖くて…完全にトラウマになっています。」

一方でミカエラさんのパートナーであり、3つ子姉妹の父親であるジェイソン・ホプキンスさん(Jason Hopkins、36)はこう語った。

「3つ子を妊娠していると分かってから、こんなにも早く出産の日を迎えることはないでしょうね。私は生後間もないペイトン・ジェーンが蘇生措置を受ける姿を見たことで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症しました。娘を生かさなければならないという思いが、今も頭の中にずっと残っているんです。NICU(新生児集中治療室)で無力な我が子を目の当たりにすることは親にとって最も辛く、精神的に参ってしまいました。」

その後、3つ子姉妹は奇跡的に生き延びることができたが、NICUに入院中、黄疸や敗血症、呼吸困難など様々な症状に見舞われた。

さらにMRI検査の結果で脳性麻痺の兆候が見られたが、ルビ・ローズちゃんとペイトン・ジェーンちゃんは2021年7月に、ポーシャ・メイちゃんは同年10月に退院が許可された。

当時、医療スタッフから「英国で生き延びた3つ子の中で最も小さく生まれた姉妹かも知れない」と聞いたジェイソンさんはギネスワールドレコーズに連絡した。そして審査の結果、3つ子姉妹は昨年11月に「生き延びることができた最も体重の軽い3つ子」と「最も小さく誕生した3つ子」としてギネス世界記録に認定されたという。

そんな3姉妹の現在の様子について、ジェイソンさんはこのように明かしている。

「ルビ・ローズは食事やハイハイ、それにひとりで歩くこともできるようになりましたが、ポーシャ・メイとペイトン・ジェーンは運動能力に問題があり、補助なしでは座ったり直立することができません。また2人は食事ができないため、チューブで流動食を直接胃に送って栄養補給をしており、満腹や空腹を認識することもできません。しかし娘たちのために尽力してくれた医療スタッフには、とても感謝しています。」

またミカエラさんは「障がい児のお世話は本当に大変です。特に生まれてから最初の1年間はとてもストレスフルな日々でした。病院の予約に追われ、医療関係者が毎日のように自宅を訪れるのですから。なぜあんなに早く陣痛が始まったのかは誰にも分かりませんが、妊娠が判明した当時、私たちはCOVID-19の影響で仕事と家を失いました。そのストレスとプレッシャーのせいで破水してしまったのかも知れません。でも私とジェイソンはこれまで、子どもたちのために必要なことをただひたすらやってきたのです」と語った。

そんな夫妻は現在、低体重児を抱える家族や父親のメンタルヘルスについての認識を高めるためにTikTokで活動中だといい、ジェイソンさんはその使命についてこのように述べている。

「NICUでは父親のための支援がほとんどなく、父親の産後うつについてはあまり知られていません。なので多くの新米パパのために力になりたいと思いました。この2年間、私はパートナーであるミカエラに支えられてきました。本来なら私が彼女のサポートをすべきですが、もし彼女がいなければ乗り越えられませんでした。その強さとサポートに心から感謝しています。私たちと同じような境遇の人に『もしあなたが少し落ち込むことがあっても、私たちはあなたのためにここにいます』と伝えたいのです。」



画像は『Guinness World Records 2023年3月27日付「UK sisters certified as world’s most premature triplets」』『BBC 2023年3月27日付「Trio sets world record as most premature triplets to survive」(PA MEDIA)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 上川華子)

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