何もなさそうな場所に置かれた三角コーン “優しい理由”が明らかに(米)<動画あり>

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2023年04月08日 21:11  Techinsight Japan

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駐車場の真ん中に、円を描くようにして置かれた複数の三角コーン。一見すると何もない場所に設置されているように見えるが、そこには“優しい理由”があった(画像は『Berkeley Electric Cooperative
アメリカにある電力会社の駐車場の一角に、三角コーンで囲まれた場所がある。特に邪魔になりそうな物はなく、何のために置かれているのか疑問に思うところだが、近づいてみると誰もが納得する理由がそこにはあった。米ニュースメディア『WCIV ABC News 4』などがその理由について伝えている。

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今回話題になっているのは、米サウスカロライナ州ジョンズ島にある電力会社「Berkeley Electric Cooperative」だ。同社は先月27日、2枚の画像をFacebookに投稿しており、そのうち1枚には、広い駐車場の真ん中に10個の三角コーンが円を描くようにして置かれている。パッと見ただけでは何のために三角コーンが置かれているのか分からないが、そこにはちゃんとした理由があった。

2枚目の画像は、三角コーンで描かれた円の内部をズームアップしたもので、砂利の敷かれた地面には体を埋めるようにして小さな鳥が1羽いた。この鳥は北米から南米にかけて生息するフタオビチドリで、アメリカ鳥類保全協会(American Bird Conservancy)によると、海岸など水辺に棲みつく鳥として分類されているが、水辺から離れた場所で目撃されることも多いという。また巣を作る際は開けた場所を選ぶことが多く、屋上や今回のように駐車場に巣作りをすることもある。

駐車場の真ん中に巣があると、従業員がうっかり車で轢いてしまう可能性があるため、安全な場所に移動させたいところだ。しかしアメリカで制定されている渡り鳥の保護条約「Migratory Bird Treaty Act」により、保護されている鳥を勝手に移動させることは禁じられている。今回巣を作ってしまったフタオビチドリは保護対象だったため、許可なしに移動させることはできなかった。

そこで同社の社員は巣の周囲に三角コーンを置いて安全を確保し、卵からヒナが孵って巣立つまで見守ることにしたのだ。ヒナが巣立つまでの期間は4週間ほどであり、その間に踏みつぶされたり車に轢かれたりしないように三角コーンで囲んでおくという。同社は「美しいこの地域を守るための方法でもあるのです」と投稿を締めくくっており、地元の環境保全への取り組みでもあると触れた。

なお今月4日の時点で4つの卵のうち3つからヒナが孵ったと報道されており、元気に周囲を歩き回るヒナの姿が動画に収められている。ヒナが巣立つまでは最大1か月かかることもあると言い、しばらくの間、同社の駐車場では三角コーンとフタオビチドリのヒナの姿が見ることができそうだ。

今回の出来事が各メディアに取り上げられると、「工場の屋上に巣が作られていたのを見たことがあるよ」「近くの駐車場にあったな」「毎年うちの車庫前の通路に巣を作っているんだ」といった声が届いており、フタオビチドリの巣は比較的目に付きやすい場所に作られるようだ。

なお過去にも似たケースが発生しており、オフィスの外壁に設置された花かごにマガモが卵を産み、子ガモたちが生まれて2日で1.5メートルの高さから次々と大ジャンプする様子を捉えた動画が話題を呼んでいた。



画像は『Berkeley Electric Cooperative, Inc. 2023年3月27日付Facebook「It pays to keep an eye peeled while driving as our Johns Island employees found out when a killdeer decided to make its nest right in the middle of our parking lot.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

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