【2023年大会】FC DENOVA 札幌が6発大勝で初の決勝大会へ!《JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN北海道》

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2023年04月12日 18:31  サッカーキング

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 『JA全農杯 2023 全国小学生選抜サッカーIN 北海道』が、4月8日、9日に北海道苫小牧市の苫小牧市緑ケ丘公園サッカー・ラグビー場(人工芝)で行われた。

 北海道の札幌地区から2チーム、函館、旭川、釧路、根室、小樽、北空知、十勝、千歳、オホーツク、室蘭、苫小牧、道北/宗谷(プレーオフ)、そして開催地(苫小牧)の各地区予選を勝ち抜いた1チームずつ、合計16チームが参加する今大会は、12分3ピリオド制(合計36分間)のトーナメント形式で行われる。

 試合は8人制で、第1ピリオドと第2ピリオドは事前に決められた8選手がプレー。第3ピリオドは登録メンバーの中から自由に8人を選び(傷病者発生などで第1ピリオド、第2ピリオド連続でプレーした選手を除く)、交代も自由に行える。各選手に一定以上のプレー時間を与えるよう配慮されたレギュレーションだが、戦い抜くためにはチームの総合力、そして各ピリオドをどのような作戦で臨むかという戦略面も重要になる。

 8日には1回戦と準々決勝が行われ、「DOHTO Jr U-12(千歳)」、「FC DENOVA 札幌(札幌)」、「AVENDA FC U12(函館)」、「Fibra Football Club U-12(札幌)」の4チームが準決勝へと勝ち進んだ。そして9日の準決勝では「FC DENOVA 札幌」が「DOHTO Jr U-12」を3−1で、「AVENDA FC U12」が「Fibra Football Club U-12」を4−1下し、この両チームが決勝で相まみえることになった。


 AVENDA FC U12は、第1ピリオドのメンバーを準決勝の時とは大きく入れ替えて決勝に臨んだ。石田潤輝監督はその理由を「GK未経験者を立ててなんとかしのぎ、風上に立つ第2ピリオドから勝負をかけたかった」と語っている。この日、会場には北から南へと強風が吹いていた。北と南にゴールが設置されていたため、どちらかのチームが必ず風下での戦いを強いられる形となり、石田監督は風下で戦うことになった第1ピリオドを耐えしのぐ戦い方を選択していた。

 一方、FC DENOVA 札幌のベンチワークを担当した柴田拓也コーチは「第1ピリオドのほうがバランス的に少し強い感じですが、基本的には第1ピリオド、第2ピリオドとも同じぐらいのチーム力になるように分けて」決戦に臨んだ。第1ピリオドから存分にチーム力を発揮できる戦い方だ。これにより、「第1ピリオドを0−0で乗り切れば面白い戦いができる」という石田監督の狙いは開始早々に崩れることとなった。

 3分、GKとDFの連係ミスを突いてボールを奪った谷上楠伊斗が深い位置までボールを運んでクロスを上げ、太田葉琉が流し込んでFC DENOVA 札幌が先制する。このゴールをアシストした谷上は、その1分後に味方のパスに反応して抜け出し、絶妙なループシュートで追加点を奪うと、その直後にも太田のシュートのこぼれ球を拾って押し込み、FC DENOVA 札幌に3点のリードをもたらす。

 その後もFC DENOVA 札幌ペースで試合が進み、第1ピリオド終了間際には、佐藤琉生がペナルティーエリア内で倒されてPKを獲得。太田が冷静にキックを成功させ、第1ピリオドで4点もの大差がついた。

 第2ピリオドもFC DENOVA 札幌がゲームを支配したが、石田監督が「この年代では北海道でナンバーワンのGK」と評価する山下銀雅が立ちはだかった。FC DENOVA 札幌は「うちで一番上手い子」(柴田コーチ)と評した竹沢日向が6分と8分にコースを狙った鋭いシュートを放ち、10分にはその竹沢を起点に佐藤由絃がシュートに持ち込んだが、3本とも山下がスーパーセーブを見せてゴールを死守する。

 それでも12分、スローインの流れから竹沢がドリブルで抜け出すと、山下との1対1を制して追加点。見ごたえのある攻防ではあったが点差がさらに広がり、AVENDA FC U12には早くも悔し涙を流す選手の姿もあった。

 第3ピリオドはFC DENOVA 札幌がペースを落としたこともあってAVENDA FC U12が攻め込む場面も見られたものの、なかなか良い形でのフィニッシュに繋げることができない。逆にアディショナルタイム、竹沢が突破し中央に送ったボールを坂本浬が流し込み、その直後に試合終了のホイッスル。6−0という大差でFC DENOVA 札幌が初優勝を飾った。


 優勝したFC DENOVA 札幌は、北海道代表として5月に神奈川県で開催される「JA全農チビリンピック2023 JA全農杯全国小学生選抜サッカー決勝大会」に出場する。

 柴田コーチは「道外に行くとまだまだ勝てない」と謙遜しつつ、「北海道、札幌の代表として、これまでの成果を決勝大会で出したい」と意欲を見せた。また、第1ピリオドに2ゴール1アシストの活躍を見せた谷上も「決勝大会では持ち味のシュート力を生かし、ロングシュートをどんどん打っていきたい」と力強く宣言した。



■監督・選手コメント
・柴田拓也コーチ(FC DENOVA 札幌)
1回戦から厳しい戦いが続いていて、準決勝もハードな展開だったんですが、そこで逆転勝ちを収めることができ、その勢いのまま決勝に入れたのが良かったと思います。今日は風が強く、準決勝で対戦したDHOTO Jr U-12はロングボールの精度が高いチームなので苦戦しましたが、決勝の相手であるAVENDA FC U-12はしっかり繋いでくるチームなので、風はあまり気にせず、同じ土俵でしっかりやろうという話をしました。道外遠征や全国大会に行くとなかなか勝てない状況なのですが、決勝大会では北海道、札幌の代表として、これまでの成果を出せればいいなと思います。

・谷上楠伊斗(FC DENOVA 札幌 No.9)
優勝できてとてもうれしいです。決勝戦は、第1ピリオドからゴールを取りにいこうという話をみんなでしていました。実際に自分がゴールを決めましたが、1点を取った後も、この調子でどんどん点を取っていこうと思いながらプレーしていました。優勝が決まった瞬間はもちろんうれしかったですし、決勝大会でも頑張ろうという気持ちがわき上がってきました。僕の持ち味はシュート力です。決勝大会では自分でボールを運んで攻めていきたいですし、ロングシュートもどんどん打っていきたいです。

・石田潤輝監督(AVENDA FC U-12)
今の実力を考えるとベストの結果を出せたのかなと思います。決勝は風下だった第1ピリオドで未経験者のGKを立ててなんとかしのぎ、第2ピリオド、第3ピリオドは道内ナンバーワンのGKでしっかり守りながら攻めようと考えていました。第1ピリオドを0-0で乗り切ればもっと面白い試合に持ち込むことができたと思いますが、まさか4点も奪われるとは負いませんでした。こうやって強いチームと対戦できて、負けて得られることも多いと思いますので、子どもたちの今後の成長につながると思いますし、有意義な大会だったと思います。


取材・文・写真=池田敏明

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