明大のエース・村田賢一が圧巻9回1安打無失点 打線振るわず引き分けも「完璧ですね、本当に良かった」

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2023年04月22日 20:01  ベースボールキング

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明大・村田賢一投手[写真=灰原万由]
【東京六大学野球・春季リーグ戦】
慶大 0 − 0 明大 (22日・神宮)

 リーグ3連覇を狙う明大は、今秋のドラフト候補・村田賢一投手(4年・春日部共栄)が先発し、9回1安打無失点と圧巻の投球を披露。しかし打線が5安打無得点と再三の好機を生かせず、試合は連盟規定により9回引き分けとなった。

 隙も無駄も全くない、完璧な投球だった。村田は8日の東大との開幕戦で、7回3安打無失点の快投を披露。2週間ぶりの神宮のマウンドとなったこの日、初回いきなり先頭打者・水鳥に中前安打を浴びたが、許した安打はこの1本のみ。ストライク先行の投球で慶大打線を圧倒し、「完璧ですね。逆球も1、2球くらいで収まっているので本当に良かった」。最速147キロを誇る右腕は自慢の直球に加え、7種の変化球を自在に操り、打者に的を絞らせなかった。

 敵将をも唸らせた。慶大・堀井哲也監督は「やっぱりストライクを取るボールから厳しいボールが来た。追い込まれてからはある程度予測していたけど、その前に手数が出せるようなボールが少なかった。しっかりと両サイドをつけるのと、シンカー系の変化球。彼にはずっと苦しめられているので、対策をしっかりと立ててきたんですけど、結果として村田くんの術中にハマった」と最高の賛辞を口にした。

 常に平常心で、目の前の打者との勝負に集中した。7回一死で4番・廣瀬を迎えると、カウント1−2からピッチクロック違反を取られた。「スピードアップに関する特別規則」には、投手は捕手もしくは内野手や審判員からボールを受けた後、走者がいない場合は12秒以内、走者を置いている場合は20秒以内に投球しないと1ボールがカウントされるとあり、右腕は球審からボールが宣告された。その後フルカウントとなったが動じることなく、最後は遊ゴロに打ち取った。ルールに関しては「5、6回サイン(に首を)振っているので、妥当かなと。バッターも間が取れなくなって、バッターも焦る。どっちも急かされている中でいかに平常心でやれるかというところに関しては、こっちの方が有利だと思っている。そう考えれば公平、バッターと対等な関係なルール」と冷静に答えた。

 ここまで2試合に登板し、16イニング無失点。好調を維持しているエースは「ルーティンは色々あるが、最近は夜にシジミ汁を飲んでいるので、それが効いているかな」と明かした。疲労回復を助ける栄養素が多く含まれているシジミ汁を2、3週間前から寝る前に飲み始めているといい、田中武宏監督は「贈りますよ、これだけ頑張ってくれているから」とエースの力投に目を細めた。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)

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