川崎F、試合前にドローンで卵投下の謎イベント?…実はクラブと東北つなぐ愛と笑顔のストーリーだった

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2023年04月24日 00:03  サッカーキング

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東日本大震災以来続く、川崎Fと陸前高田市の関係性のかたちのひとつとして新マスコット誕生 [写真]=金田慎平
 23日、明治安田生命J1リーグ第9節が各地で行われ、川崎フロンターレはホーム・等々力陸上競技場に浦和レッズを迎えたのだが、この日の始球式の様子にサポーターはざわめいた。

 突然ドローンが場内に飛来。このドローンには半透明の球体が取り付けられており、何やら目のようなものが透けて見える。ピッチ上に降り立った球体から、医師風の男性が取り上げたのはなんと赤ちゃんマスコット。そしてこの瞬間を祝福せんと高らかに歌う100人のゴスペル隊…。



 重ねてお伝えするが、これはJリーグの試合の始球式である。そこで新マスコット・メーカブーの誕生が発表された。川崎Fのマスコット・カブレラと岩手県陸前高田市のマスコット・たかたのゆめちゃんの愛の結晶として、このたび誕生するはこびとなったという。

Jクラブと、ホームタウンではない自治体との取り組み

 この日、川崎Fは試合前イベントとして『陸前高田ランド春』を開催した。年に2回、岩手・陸前高田の物産品をスタジアムに持ち込むこのイベントは開催9年目。しかしクラブと陸前高田市との関係はそれ以前の東日本大震災にさかのぼる。



 きっかけは2011年に発生した東日本大震災。そこから川崎Fは『Mind-1ニッポン』を合言葉に、被災地への復興支援活動を行ってきた。なかでも陸前高田市へ継続的な復興支援活動を実施してきた川崎Fは、震災発生から4年後の2015年に陸前高田市と友好協定『高田フロンターレスマイルシップ』を結ぶ。



 以降、『陸前高田ランド』『かわさき修学旅行』『高田スマイルフェス』などの取り組みを継続的に開催。約400kmという物理的な距離を超えて両者は建設的な関係を築いてきたわけだが、震災から10年が経ち、この関係性をこれからどのように発展させていくかという検討がなされた。そのひとつが今回の新マスコット誕生ということになる。



メーカブー誕生のストーリー

「協定やイベントだけでなく、川崎Fと陸前高田市が“血縁関係”になってしまうことが継続活動につながる!」という前代未聞の取り組みだが、改めて新マスコット・メーカブーの誕生までのストーリーを時系列でお伝えしよう。

●2021年10月 カブレラとたかたのゆめちゃんの恋愛発覚
●2022年4月 結婚(川崎市内でゴールインパーティーを開催)
●2023年1月 新体制発表会見で「何かが起こる」と“におわせ”
●2023年4月 カブレラとたかたのゆめちゃんの愛の結晶・メーカブー誕生

 なお、命名は陸前高田市の佐々木拓市長(冒頭に登場した医師風の男性)によって、誕生当日に行われた。

「この子に名前を授けよう!たかたのゆめちゃんの『メ』、カブレラの『カブ』をとって『メーカブー』! 陸前高田の特産の一つでもある『めかぶ』のように愛される存在になってほしいという願いも込めて『メーカブー』と名付けよう!」

 スタジアムをざわつかせつつも晴れて誕生した新マスコット・メーカブーが、川崎フロンターレと陸前高田市の“かすがい”となる。両者の唯一無二の関係性にこれからも注目だ。

https://twitter.com/frontale_kabu/status/1650031302241030147

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