DeNA・今永昇太が侍ジャパン投手陣”大トリ”登板で今季初白星 その背景には三浦大輔監督の親心

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2023年04月24日 05:12  ベースボールキング

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広島戦に先発したDeNA・今永昇太 (C)Kyodo News
 WBC日本代表に選出され、世界一に大きく貢献したDeNA・今永昇太投手が21日、広島戦(マツダスタジアム)で今季初登板初先発し、8回5安打無失点の快投。今季初白星を挙げ、「勝利の瞬間ものすごく嬉しかったです」と安堵の笑みをこぼした。
 
 ファームで調整を重ねていた期間、「1軍に上がった時に自分のパフォーマンスを出してチームの勝利に導くことが、今の僕がやるべきこと。まずはパフォーマンスでしっかりと引っ張っていけるように」と責任感を口にしていた左腕は、その言葉通り、今季初先発のマウンドで最高のパフォーマンスを披露。味方がようやく先制した直後の8回は先頭の坂倉に中前安打を許して一死二塁としたが、代打・松山を外角低め131キロで空振り三振。最後は菊池涼を三ゴロに打ち取り、三塁を踏ませない圧巻の投球で8回までスコアボードに「0」を並べ続けた。

 WBCでは1次ラウンド・韓国戦に第2先発として登板し、自己最速を1キロ更新する154キロをマークするなど、3回1失点3奪三振。準々決勝・イタリア戦ではリリーフで1回無失点。難役を全うし、好調を維持し続けた今永は決勝・米国戦での先発を託され、2回1失点。大役を果たした左腕はWBC初白星を掴み、14年ぶり3度目の優勝に大きく貢献した。

 帰国後まもなくして、シーズンが開幕。少ない調整期間で1軍登板を経ている選手も多い中、今永は1軍本隊を離れ、ファームでじっくりと調整を重ねていた。決して体調やコンディション面に不安を抱えていたわけではない。ハマのエース左腕が侍ジャパン投手陣の中で最遅の1軍登板となった背景には、三浦大輔監督の“親心”があった。

 左腕は帰国してチームに合流後、三浦監督に「(開幕へ向けて)問題ないです」と伝えたという。それでも開幕までに与えられた調整期間は短く、レギュラーシーズンとWBCでは投げるボールも違えば、今永の場合は求められる役割や調整法も異なる。指揮官はそういった点を考慮し、開幕に照準を定めることなく、エースをファームでじっくりと調整させた。「球数を増やして、しっかりとボールに慣れる時間を監督が与えてくださった。僕としては投げれば投げるほど、先発の時の感覚にどんどん戻せると思う」と話していた左腕は、ファームで2度の登板機会を経て、万全な状態へと仕上げた。

 侍ジャパン投手陣の中で大トリを飾った今永は、粘り強い投球で1点のリードを守り抜き、「キャッチャーの戸柱さんがイニング毎に僕を楽にしてくれるような、そのような声かけをしてもらった。本当に楽に腕が振れて、かなり質の良い真っすぐが言ったんじゃないかな」と女房役に感謝した。

 チームは23日、広島に勝利して首位に浮上。1998年以来、25年ぶりの優勝へ。ハマのエース左腕の快投は、チームをさらに勢いづけるだろう。

文=灰原万由(はいばら・まゆ)

このニュースに関するつぶやき

  • 侍JAPANメンバーで開幕してから不調やコンディション不良の選手もいる。それぞれチーム事情もあるでしょうが、三浦監督の英断…
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