慶大が8回一挙4得点で逆転勝利 栗林泰三が殊勲の逆転打「抜けてくれという気持ちで」

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2023年04月24日 19:42  ベースボールキング

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慶大の栗林泰三内野手(左)、善波力捕手(右)[写真=灰原万由]
【東京六大学野球・春季リーグ戦】
◯ 慶大 5 − 4 明大 ●
<24日・神宮>

 慶大は6番打者・栗林泰三内野手(4年・桐蔭学園)の逆転の2点タイムリー、代打・善波力捕手(4年・慶應)の左越え適時二塁打が飛び出すなど、終盤に一挙5点を奪って明大に逆転勝ち。1勝1敗1分けとし、勝ち点獲得へ望みをつないだ。

 鋭い打球が前進守備の二遊間を抜けていくと、しばらく鳴りやまない大きな拍手が栗林に注がれた。1点を追う8回一死満塁。この回途中からマウンドに上がった明大のエース・村田賢一投手(4年・春日部共栄)の外角高め140キロに食らいついた。「バットが折れて、先っぽだったんですけど、抜けてくれという気持ちで走っていました」。バットをへし折られながらも、中前へとはじき返す逆転の2点適時打。「短く持って、センター返ししようという気持ちで。打席に立つ前に、監督が『調子が良いから、そのまま行け』と背中を押してくださったので、シンプルに考えて打席に立つことができました」。二塁走者・廣瀬の生還を確認すると、一塁ベース上で雄叫びを上げながらガッツポーズを決め、感情を爆発させた。

 なおも2点リードの二死一・三塁から、代打・善波が明大の6番手・千葉汐凱投手(3年・千葉黎明)から左越え適時二塁打を放つなど、この回一挙5点を奪った。「もう一度、千葉選手と対戦ということで、頭の中をシンプルにして自分のやるべきことを整理して打席に入れた。迷いなく振れたのが良い結果に繋がった」と前日の試合で空振り三振に封じられた相手に、見事リベンジを果たした。

 4回までは相手先発・石原勇輝投手(4年・広陵)に無安打に封じられるも、7回に宮崎恭輔捕手(4年・國學院久我山)の中前タイムリーで1点差に詰め寄った。34イニングぶりの適時打が飛び出すと、打線はこれまでの鬱憤を晴らすかのように大暴れ。今季初の2桁安打となる10安打5得点で、リーグ3連覇を狙う明大に競り勝った。

 1勝1敗1分けに持ち込んだ慶大・堀井哲也監督は「ここまで非常に打撃で苦しんでいましたので、本当に選手たちがよく頑張った。1点入って、選手たちも気持ちが落ち着いたのか、久しぶりに繋がった打線、非常に良いムードを感じました」とナインをねぎらった。明大に雪辱を果たしたが、勝ち点獲得へ向けて「僕が逆転した後も、しっかり点数を全員で取れたことが大きかったと思う。明日も全員野球で、反省することは反省して、明日に臨みたい」と栗林。3季ぶりのVへ、陸の王者が勢いに乗った。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)

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