明大・石原勇輝がリーグ戦初先発で6回無失点の好投「先発ピッチャーは蒔田、村田だけじゃない」

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2023年04月25日 06:12  ベースボールキング

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明大・石原勇輝投手[写真=灰原万由]
【東京六大学野球・春季リーグ戦】
◯ 慶大 5 − 4 明大 ●
<24日・神宮>

 明大はリーグ戦初先発となった石原勇輝投手(4年・広陵)が6回無失点と快投。打っては2回に左中間へタイムリー二塁打を放ち、2点目を叩き出すなどマルチ安打の活躍を見せた。試合は終盤、リリーフ陣が慶大打線につかまり、逆転負けを喫した。

 一番の武器を信じ、石原は臆することなく左腕を振った。4回までパーフェクト投球を見せていた左腕は5回、二死から安打と四球で一・二塁としたが、代打・村上に対してカウント1−2からの4球目。外角高めのボール気味の145キロ直球を振らせて三振に斬った。最速149キロをマークした力強い直球を武器に、初先発とは思えない堂々たるピッチングで6回4安打無失点。「真っすぐが自分の持ち味で、走っていたので、6回まで投げられた要因。出来過ぎかなと思います」と自身の投球に及第点を付けた。

 心身ともに成長した姿を、神宮球場で見せつけた。これまでは完璧さを追い求めるあまり、一喜一憂してしまう部分があったが、「いい意味で野球を適当にやるというメンタルで取り組んだら、落ち着いて投げられた」。田中武宏監督はこの日、「マウンドまでついて行こうか」と言うぐらい心配だったそうだが、「よく投げてくれた。球速よりも球の質が全然上がっていました。まだ幼いですけど、明らかに成長している」と安堵の笑みをこぼし、左腕を称賛した。

 バットでも魅せた。2回二死一・二塁から直井宏路外野手(3年・桐光学園)のタイムリーで先取点をもぎ取ると、なおも二死一・二塁の好機で迎えた第1打席、慶大の先発・外丸の外角高め143キロ直球を捉えた打球は左中間を破るタイムリー二塁打。4回も二死から中前安打を放ち、マルチ安打をマーク。「相手がピッチャーだとストライクを簡単に取りに来るという心理になっていると思うので、ストライクをしっかり叩くという意識で打席に立った。良い結果に繋がったので良かったなと思います」とうなずいた。

 明大はエース・村田賢一投手(4年・春日部共栄)、蒔田稔投手(4年・九州学院)と今秋のドラフト候補の先発2枚看板が揃っているが、石原は「先発ピッチャーは蒔田、村田だけじゃないぞというのが今日で証明できたと思う。蒔田、村田と肩を並べられるようなピッチャーになりたい」と強い決意を口にした。

取材・文=灰原万由(はいばら・まゆ)

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