米カリフォルニア州の洗車場で、男児を乗せたベビーカーが強風に押し流され、交通量が激しい片側3車線の道路に向かって動き出した。男児の大叔母は止めようとするも転倒してしまう(画像は『New York Post 2023年5月4日付「Homeless Good Samaritan on way to job interview stops baby in stroller from rolling onto highway」(A1 Hand Car Wash)』のスクリーンショット) 米カリフォルニア州ロサンゼルス郊外の洗車場で今月1日、男児を乗せたベビーカーが強風に煽られ、交通量が激しい車道に向かって動き出した。当時の様子は監視カメラが捉えており、近くにいた男性がすんでのところでベビーカーを止める様子が映し出されていた。米ニュースメディア『Live 5 News』などが、男児の命を救った“ヒーロー”について伝えている。
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カリフォルニア州ヘスペリアの洗車場「A1 Hand Car Wash」で1日の午後3時30分頃、男児を乗せたベビーカーが強風に煽られ、片側3車線の道路に向かって動き出した。
当時の様子を捉えた動画では、駐車した車のそばにいた女性が、突然後ろ向きに動き出したベビーカーに気付き、慌てて追いかけようとするのが見て取れる。
しかし女性は頭からコンクリートに突っ込むようにして転倒、起き上がろうとするも再び転んでしまい、ベビーカーは交通量が激しい車道に滑るように進んでいく。
そしてベビーカーが車道に到達する直前、画面右手から黒い服に身を包んだ男性が走って現れ、危機一髪のところでベビーカーを止めたのだった。
この男児を救った“ヒーロー”は、ちょうど洗車場近くにいたというロン・ネスマンさん(Ron Nessman)で、当時のことをこう振り返っている。
「ベビーカーが動き出すのを見て、すぐに体が反応したんだ。あの時は考えている暇なんてなかったし、ベビーカーを止めることができると思っていた。だから実際に救うことができて良かったよ。もしあの場に自分がいなかったら、考えたくもないような悲惨な結果になっていただろうからね。」
「転倒した女性は、なんとか立ち上がろうとしてできるだけのことをしたと思う。私がベビーカーを押して近づいていくと、膝から出血しているのが分かったし、ショック状態で泣いていたよ。」
実はこの女性、男児の大叔母だそうで、自分では起き上がることができず、騒ぎを聞いて駆けつけたもう1人の男性に支えてもらい、やっとのことで立ち上がっていた。そしてロンさんはそんな女性に近付くとハグし、優しく言葉をかけていたようだ。
ちなみにロンさんは元トラック運転手で、2018年にガールフレンドを亡くして以来、ホームレスとして暮らしていたという。しかし3か月前、「人生をやり直そう」と女きょうだいのドナ・ガンダーソンさん(Donna Gunderson)の家に移り住み、その日は洗車場近くのファミリーレストラン「アップルビーズ」で仕事の面接を終えたばかりだった。
ロンさんと待ち合わせをしていて、現場近くにいたというドナさんは「女性の悲鳴を聞いてね。声の方向を見ると、ベビーカーが動き出しているのが分かり心臓がバクバクしたわ。あの時間はちょうど車の通りが激しかったし、車は80〜88キロ(50〜55マイル)で走っていたはずよ」と述べ、「今回の件は『風が強い日は特に、ベビーカーの車輪をロックすべき』といういい教訓になったと思う」と続けた。
なおこのニュースには「本当にいいタイミングで、いい場所に、素敵な男性がいてくれて良かった」「助けてくれた男性に感謝だね!」「彼こそヒーロー」「男性にいい仕事が見つかりますように」「誰か、彼を雇ってあげて!」「危機一髪だった。女性もホッとしていることだろう」といったコメントが寄せられている。
画像は『New York Post 2023年5月4日付「Homeless Good Samaritan on way to job interview stops baby in stroller from rolling onto highway」(A1 Hand Car Wash)(KNBC)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)