JR西日本、運転整理のAI化に向け共同開発 - ダイヤ乱れを早期回復

人工知能の開発などを手がけるオルツと、JR西日本は、ダイヤ乱れの早期回復によるサービス品質向上の実現をめざし、運転整理のAI化に向けた開発に共同で取り組むと発表した。


オルツは2020年にJR西日本子会社から出資を受け、JR西日本グループが保有する技術ノウハウのAI化に着手。そのひとつとして、運転整理を行うベテラン指令員の思考と判断のデジタル化について実現可能性を検証してきた。2022年度には、JR西日本管内の実在する線区と実在するダイヤのデータを用い、列車の運行乱れが発生した際に自動で運転整理を行うAI学習モデルを検証したという。



このモデルが輸送指令員の運転整理を支援する点で有用である見込みが立ったことから、検証フェーズから製品開発フェーズに移行することになった。今後の共同開発で、ベテラン指令員の運転整理をAIで再現する運転整理支援ソリューションが実現すれば、個人の経験や能力差によって生じる運転整理案のばらつきを縮小でき、ダイヤ復旧の「質向上」を実現できるとしている。（佐々木康弘）