岩佐歩夢、グリッド上での作戦変更が「失敗だった」と明かす／FIA F2第6戦モンテカルロ決勝レース2

　5月28日にモナコのモンテカルロ市街地コースで開催された2023年FIA F2第6戦のフィーチャーレース（決勝レース2）。上位勢とは異なるオプションタイヤ（スーパーソフト）でのスタートを選択し、9番グリッドから上位浮上を狙ったホンダ＆レッドブル育成の岩佐歩夢。しかし、中盤の赤旗中断などの要因で戦略が機能せず、10位でチェッカーを受けるに至った。

　決勝レース2終了後、岩佐は「戦略面でかなりポジションを落としてしまったのが残念でした」と振り返った。

「担当エンジニアとはプライム（ソフト）からオプション（スーパーソフト）でいくと決めていたのですが、グリッド上で、周りの状況とチームの意見で戦略を変えたことが、結果的には失敗だったと思います」

　当初は上位勢の多くと同じ、プライムからオプションという戦略を想定していたと明かした岩佐。最終的に戦略を変えたことが今回の結果に繋がることとなった。

「確かにセーフティカーと赤旗中断は、自分にとってはアンラッキーなものでしたが、そのようなことが起こらないと期待していたわけではないので、やはり戦略的な問題だと思います。これについては、チームとしっかり話をして、反省すべき点は改善していかなければなりません」

　そして、赤旗中断からのリスタートの際に、9番手につけていたジャック・クロフォード（ハイテック・パルスエイト）を先頭とした第2グループの隊列が、先頭集団の背後につく前にリスタートが切られるという事態が発生。

　これで8番手までの先頭集団と30秒以上のギャップが生まれ、クロフォードの背後10番手につけていた岩佐は上位浮上のチャンスを完全に失うこととなった。

　これについては「レース後『判断ミスで、今後このようなことがないようにする』と言われましたが、今日のレースは終わってしまっているので仕方ありません」と岩佐。

「結果としては納得のいかないレースになってしまいましたが、次戦に向けてまたしっかり準備して、いい結果を残せるようがんばります」

　スプリントレース（決勝レース1）を独走で制しランキングトップに再浮上した岩佐だったが、決勝レース2を終えて、またもメルセデス育成のフレデリック・ベスティ（プレマ・レーシング）と、ザウバー育成のテオ・プルシェール（ARTグランプリ）に続くランキング3位となっている。

　次戦となる2023年のFIA F2第7戦バルセロナは、6月2日〜4日にスペインのカタロニア・サーキットで開催される。ふたたびランキングトップに浮上するべく、岩佐の戦いは続く。