名言ななめ斬り! 第50回 カミラ王妃の名言「わたくしの曾おばあさまは、殿下の曾々おじいさまの愛妾でしたのよ」-不倫からの大逆転劇に因縁の歴史あり

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2023年05月30日 10:31  マイナビニュース

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2023年5月6日をもって、クィーンとなったカミラ王妃。「事実は小説より奇なり」と申しますが、チャールズ国王とカミラ王妃の結婚、そして即位もかなりドラマチックと言えるでしょう。


○チャールズ皇太子の不倫相手として人妻・カミラが登場すると世間は仰天



世界の目を釘付けにしたロイヤルウエディングから数年、早くもチャールズ皇太子(当時)と ダイアナ妃 (当時)は不仲説が持ち上がってきます。まぁ、不仲がどうかなんて、どこから見るかで違うものですが、なんとチャールズ皇太子が不倫をしており、その相手が人妻のカミラ夫人だと写真と共に紹介されたとき、「え、この人なの?」と驚いたのは私だけではなかったはず。カミラ夫人は名家出身ではありましたが、人妻でチャールズ皇太子よりも年上であり、ポロや狩猟を好んで泥だらけになるのも厭わない、つまり、ダイアナ妃とは正反対のタイプだったからです。



カミラのことがそんなに好きなら、何でダイアナと結婚したのだ。多くの人はそう思うでしょう。そこで、今回は王様と寵姫の歴史について、エレノア・ハーマン著「王たちのセックス 王に愛された女たちの歴史」(KKベストセラーズ)を基に当時の考え方をご紹介したいと思います。

○“性的に潔癖な姫君”に飽き足らない王には、寵姫が必要



まず、王さまにとって、結婚とは国家のためにする政略結婚であり、好き嫌いなどは二の次です。「ルックスが好みでない、離婚したい」などと言おうものなら、戦争を覚悟しなくてはいけなかったそうです。一方、王さまに嫁ぐ姫君たちは、子どもの頃から性的に潔癖であれと育てられるそう。セックスとは子どもを作るための行為であって、自分から求めるなどもってのほか。しかし、それが国家のためと教えられても、人間ですから恋もセックスもしたい。そこで、王さまには寵姫が必要となってくるのです。



しかし、寵姫との関係が純粋な愛かというと、そうとも言えないのです。王が欲しているのはめくるめくセックス。上述したとおり、良家の女性たちは性的に潔癖かつ淡泊に育てられたわけですから、良家の女性たちは寵姫にはなりえないのです。ルイ15世の公妾デュ・バリー夫人は娼婦だったと言われており、美しいだけでなく、抜群のテクニックを持っていて、王を喜ばせたと言われています。ここで疑問に思われる方もいるでしょう。夫人ということは誰かの妻なはず。それが王さまの愛人ってどういうこと?と。

○カミラ王妃の曾祖母は、エドワード7世の愛人だった



当時の貴族のルールでは、ある程度の家柄でないと、宮殿に出入りは許されなかったそうなのです。そのため、庶民が寵姫になるためには、そこそこのレベルの貴族と形式上の結婚をして〇〇夫人になるのが一番簡単な方法だったというわけです。そんな形だけの結婚をして、夫側はどう思っているのだ、寝取られて利用されて気の毒じゃないかと思われる方もいるでしょう。



もちろん、夫側にもメリットはあるのです。妻が王の寵姫となれば、夫の一族も見返りを受けて出世することができる。なので、あまり身分の高くない貴族は、自分の妻が寵姫になることを喜んだと言われています。カミラ王妃のひいおばあさん、アリス・ケッペルもその一人で、エドワード7世の愛人だったそうです。

○初対面で「わたくしの曾おばあさまは、殿下の曾々おじいさまの愛妾でしたのよ」と挨拶したカミラ

時は流れ、チャールズ皇太子とカミラが初めて顔を合わせた時、カミラは「わたくしの曾おばあさまは、殿下の曾々おじいさまの愛妾でしたのよ」と挨拶したそうです。運命の出会いというべきか、ある意味ストレートなお誘いというべきか。チャールズはカミラに恋をしますが、同書では、その理由をこう書いています。「カミラは経験豊かな女性で、ベッドでは素晴らしいという評判だった。一方、チャールズは、どちらかというと経験不足だった。二人は三年間つきあい、チャールズは何があってもカミラと結婚するつもりだった」。



しかし、王室は処女ではないカミラを歓迎せず、カミラ自身も煮え切らないチャールズに嫌気がさし、王室のようなややこしいところに嫁ぐ気をなくしていったそうです。王室の慣例にのっとって、愛のない結婚をしようとしたチャールズですが、カミラ夫人への気持が揺らぐことはなかった。同書には、チャールズの侍従スティーブン・バリーはチャールズから婚約発表の直前に「殿下はわたしとラムジー卿に、カミラこそ自分が愛した唯一の女性だとおっしゃいました。『カミラに感じているものを、わたしがダイアナに感じることは決してないだろう』と」。



ここまで別の女性を真剣に愛していれば、勘のいい女性なら「自分は愛されていない」と気づいてしまうはず。王さま特有の気遣いのなさと言えばいいのでしょうか、ダイアナはチャールズがカミラにプレゼントしようと思っていたブレスレットを見つけてしまい、愕然とします。親の不倫と離婚を経験し、温かい家庭を築こうと思っていた19歳の少女に、婚約者のこの仕打ちは酷だったことでしょう。体重はみるみる落ち、摂食障害に陥っていきます。しかし、チャールズはダイアナの気持をガン無視。結婚式の前夜も、チャールズはカミラと同じベットで過ごしたと言われています。

○最初からチャールズとカミラが結婚出来ていれば



ダイアナが神経過敏でちょっと不安定なことはよく知られていますが、チャールズもそれなりに難しい性格のよう。母親が女王で留守がち、女王であるが故に家族にも話してはいけないことが多すぎた。父親が愛情深い人だったらよかったのでしょうが、そういうタイプでもなく、不倫の噂もありましたし、チャールズをあえて貴族が少ない学校に入れたため、いじめを受けるなど、チャールズ自身もダイアナとは違う方向のややこしさを抱えているようです。



不安定な人同士のカップルというのは、うまくいかないもの。結婚当初は“我慢”していたチャールズですが、結婚して3年、ヘンリー王子が生まれた頃、跡取りをもうけて責任は果たしたとばかりに、カミラとの関係は復活したそうです。それを知り、ダイアナもあてつけのように不倫を始めますが、心満たされるものではなかったようです。一方のカミラの元夫、アンドルー・パーカー・ポウルズも自分の妻とチャールズの関係を知っていて、何も言わなかった。そりゃ、未来の国王に文句は言えませんからね。



こうやって見ていくと、ダイアナはもちろんのこと、チャールズも気の毒だなと思うのです。好きな人とは結婚できないのが王の務めだとしても、好きな人がいない状態で「ま、いっか」と周囲が勧める女性と結婚するのと、好きな人が目の前にいて、その人も自分を愛してくれていることがわかっているのに結婚できないのでは、ストレスが全然違うと思うからです。



最初からチャールズとカミラが結婚出来ていれば、誰も傷つけず、これほどまでにややこしいことにはならなかったのでしょうが、カミラとチャールズが出会ったのは「不倫のおかげ」なのかもしれません。なぜなら、カミラの曾祖母が王の愛人でなければ、カミラの一族は「その辺の貴族」で終わってしまい、チャールズに会えるような家柄にはなれなかった可能性もあるからです。

○どんな性格か伝わってこないカミラは、先祖ゆずりのカンを持っている?



王の愛人という意味では、カミラと曾祖母は似ているのかもしれませんが、この二人の女性が生きている時代に決定的な違いがあります。それはマスコミの目。チャールズとカミラの電話での会話が流失し、あまりに生々しいやりとりから、本当にこの二人は深い関係なんだと思った人も多いことでしょうが、いくら数字が取れるからって、あれは明らかにやりすぎというもの。王さまには王さまの価値感と生き方があり、法を犯していないかぎり、他人の価値観で裁けばいいというものではない。



カミラの曾祖母は非常にわきまえた愛人で、王妃を立てていたそうです。もともとの性格であった可能性もありますが、ですぎた寵姫は、王亡き後は真っ先に抹殺の対象になりますから、そのあたりをよくわかっていたのかもしれません。王妃となった今でも、いまいち、どんな性格なのかが伝わってこないカミラですが、そのあたりも「しゃべらなければ、マスコミも報じられない」と先祖ゆずりのカンを持っているのかもしれません。



仁科友里 にしなゆり 会社員を経てフリーライターに。OL生活を綴ったブログが注目を集め『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。「間違いだらけの婚活にサヨナラ」(主婦と生活社) が異例の婚活本として話題に。「週刊女性PRIME」にて「ヤバ女列伝」、「現代ビジネス」にて「カサンドラな妻たち」連載中。Twitterアカウント @_nishinayuri この著者の記事一覧はこちら(仁科友里)

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  • ダイアナ元皇太子妃は王妃にはなれなかったけど息子が国王になりますからね。
    • イイネ!15
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