50度以上のアルコールを“4本イッキ飲み”で死亡、中国配信者で流行する「罰ゲーム」の深すぎる闇

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2023年05月31日 06:00  週刊女性PRIME

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中国版TikTok『抖音』の生配信でアルコールを過剰摂取し、死亡した三千哥(サンチェングア)さん

 インフルエンサーなど配信者の過激な行動が社会問題となりつつある昨今、またも悲劇的な出来事が起こった。

 5月22日、中国メディア『星島日報』のウェブ版、およびイギリスの公共放送局『BBC』は同月16日に中国版TikTok『抖音(Douyin、ドウイン)』の生配信をしていたある中国の人気配信者が罰ゲームでアルコールを過剰摂取した後、死亡していたというニュースを報じた。

 亡くなったのは中国の人気配信者・三千哥(サンチェングア)さん(34歳、本名:王某豐)。『抖音』はライブ配信中の飲酒を禁止するルールを設けていたが、三千哥さんは過去にも飲酒を理由にアカウントをバンされたものの、新規アカウントを作り復活。4万人以上のフォロワーがいたという。彼の死を巡って、SNS上では物議を醸している。

『運命は私次第』と言い、4本目を飲み干した

 発端は、5月16日早朝の生放送で行われた「PKバトル」だ。PKバトルとは、配信者同士が1対1でどれだけ視聴者からギフトを貰えるか競争するゲーム。生配信界隈で散見される配信方法で、負けた場合なんらかの罰ゲームが科されることもある。

 結果的にPKバトルに負けてしまった三千哥は、白酒(ばいちゅう)を含め少なくとも4本のボトルを大きなワイングラスに注いで飲んだそう。白酒とは、「年間100億リットル以上消費される人気アルコール飲料」と喩(たと)えられることもある中国の国民的なお酒で、アルコール度数が50〜65度と高濃度の蒸留酒だ。日本でも飲み会では罰ゲームとしてお酒を飲まされることがあるが、中国では白酒を相手に飲ませる文化も一部であるそう。

 罰ゲーム中の三千哥さんの様子について、異変に気が付いた視聴者はこう語る。

三千哥さんは3本目を飲んで我慢できなくなった様子だったが、それでも視聴者に向けて『運命は私次第』と言い、なんとか4本目を飲み干した。飲酒後、明らかに体調が悪そうだった

『抖音』管理者が問われる責任

 配信後、三千哥さんは彼の友人らにより発見され死亡が確認され、20日に火葬された。一連の騒動に中国版ソーシャルメディア『Weibo(微博、ウェイボー)』には、彼の死を悼むコメントだけでなく、責任を追求する声が相次いだ。

「近年、命を脅かす生放送が増えている気がする。このような生配信に何の意味があるのか?」

「急性アルコール中毒かな。お酒強いとはいえ、エスカレートしすぎ…体質的に強いとブレーキがきかなくなるから危険だね」

「なぜお金を稼ぐために命を失う選択をするのか…全く理解できない」

「規約違反をして結局命を落とすなんて…若くして亡くなって可哀想だけど自業自得と思ってしまう」

 また、彼以外に責任の所在があると考える意見もちらほら。

「これで生配信後の死亡例、何度目?」

「過去にもライブ配信で飲酒してたんでしょ。『抖音』や視聴者は止めなかったの?」

「『抖音』は一回規約違反で目をつけていたはずなのに、管理者は何してたんだ」

「PKバトルの相手にも責任はあるでしょ。明らかに過剰な量のお酒を飲んでいる三千哥をなぜ止めなかったんだろう」

 今回以外にも、飲食物の過剰摂取でインフルエンサーが生配信後に亡くなる事故が度々起こっている中国。配信者として成功するために他者との差別化が必要になってくるとは言え、命を落としてしまったら本末転倒だ。彼の死を受けて、何か対策は講じられるのか──。

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