“盟主”セビージャが史上最多7度目のEL優勝! PK戦までもつれ込んだローマとの死闘を制す

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2023年06月01日 07:52  サッカーキング

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セビージャが3シーズンぶり7度目のEL制覇 [写真]=Getty Images
 ヨーロッパリーグ(EL)・決勝戦が5月31日に行われ、セビージャ(スペイン)とローマ(イタリア)が対戦した。

 今季前半戦はチャンピオンズリーグ(CL)に参戦していたセビージャは、グループステージをマンチェスター・C(イングランド)、ドルトムント(ドイツ)に次ぐ2位でフィニッシュ。決勝トーナメントのプレーオフステージからELへと参戦した。同ラウンドではPSV(オランダ)を2戦合計3−2で破ると、ラウンド16ではフェネルバフチェ(トルコ)を2戦合計2−1で撃破。準々決勝では優勝候補と目されていたマンチェスター・U(イングランド)を2戦合計5−2で退け、準決勝では同じくCLからELに回ってきたユヴェントス(イタリア)との延長戦までもつれ込む死闘を2戦合計3−2で制した。

 クラブはシーズン中に2度の監督交代を経験する慌ただしいシーズンとなりながら、現在クラブを率いるホセ・ルイス・メンディリバル監督の下で成績が安定。ラ・リーガでは4試合を残して残留が確定しており、大会の“盟主”としてELでもここまで勝ち進んできた。決勝戦へと駒を進めるのは2019−20シーズン以来3シーズンぶりのこと。過去6度決勝戦を戦いながら1度も敗れたことはなく、大会史上最多の優勝回数(※前身のUEFAカップ時代を含む)を誇っている。今季のファイナルではその記録の塗り替え、7度目の優勝を狙う。

 一方、ローマは今季のEL・グループステージをベティス(スペイン)に次ぐ2位でフィニッシュ。プレーオフステージでザルツブルク(オーストリア)を2戦合計2−1で下すと、ラウンド16では久保建英擁するレアル・ソシエダ(スペイン)相手に2戦合計2−0で勝利。準々決勝ではフェイエノールト(オランダ)を2戦合計4−1で打ち負かすと、準決勝では“堅守”を武器にレヴァークーゼン(ドイツ)を1−0で破った。

 今季のローマはセリエAでCL出場権を争いながら、最終節を前に4位以内でシーズン終える可能性が消滅。このELを制することで、来季のCL出場権を勝ち獲りたい。クラブにとってUEFAカップ時代の1990−91シーズン以来となる決勝戦進出だ。当時はインテル(イタリア)を前に涙を飲んでいた。時は流れて昨季、ヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)を制して悲願のUEFA(欧州サッカー連盟)主催大会初制覇を実現。ジョゼ・モウリーニョ監督は過去5回のUEFA主催大会決勝戦で5戦全勝を成し遂げており、ELでも悲願の初優勝を狙う。

 ハンガリーの首都ブダペストに位置する「プスカシュ・アレーナ」にて行われる決勝戦。セビージャはキャプテンのヘスス・ナバスを筆頭に、イヴァン・ラキティッチやユセフ・エン・ネシリらの主力がスターティングメンバーに並んだ。左サイドバックのレギュラーとしてここまで活躍してきたマルコス・アクーニャは出場停止で不在のため、同ポジションにはアレックス・テレスが入っている。対するローマもジャンルカ・マンチーニ、ロレンツォ・ペッレグリーニ、タミー・アブラハムらがリスト入り。足首の問題により2週間ほど戦列を離れていたパウロ・ディバラもスタメンに復帰し、ベテランのネマニャ・マティッチも先発した。

 試合は立ち上がりからセビージャがボールを保持していたものの、最初の決定機はローマに到来。12分、右サイド深い位置でサイドチェンジのボールを受けたディバラが寄せてきた相手2名の間をパスで通すと、内側を駆け上がってきたゼキ・チェリクがマイナスへ折り返す。フリーになっていたレオナルド・スピナッツォーラが右足シュートを放ったが、ここはGKボノの正面へ飛んでしまった。

 その後は両者球際で激しい攻防を繰り広げながら、互角の展開で時間が経過。均衡が破れたのは35分、ルーズボールを巡って中盤でブライアン・クリスタンテとラキティッチがぶつかり合うと、狙っていたマンチーニが前を向いて中央を割るスルーパスを通す。抜け出したディバラがペナルティエリア中央から左足を振り抜くと、狙い澄ました一撃がゴールネットを揺らした。ローマが前半のうちに先手を取っている。

 なかなか決定機を作れないセビージャだったが、エン・ネシリの高さを活かして徐々にゴールに迫るシーンを作る。前半アディショナルタイムには右に流れたオリベル・トーレスが巧みなタッチで相手をかわして中央へ繋ぐと、待っていたラキティッチが左足一閃。低弾道のミドルシュートは右ポストに嫌われ、前半はこのままローマの1点リードで終了した。

 後半に入るとセビージャはスソとエリク・ラメラをピッチへ送り出す。すると55分、右サイド深い位置でスソがボールをキープ。時間を作ってラキティッチが再び右サイドへ繋ぐと、駆け上がっていたJ・ナバスが右足で鋭いクロスボールを送った。このボールがマンチーニに当たってゴールネットに吸い込まれる。高精度のクロスボールがオウンゴールを誘い、セビージャが試合を振り出しに戻した。

 追い付かれる展開となったローマは66分、敵陣右寄りの位置でフリーキックを獲得。ペッレグリーニが右足でクロスボールを送ると、ロジェール・イバニェスの落としをゴール前でアブラハムが狙ったが、ここはGKボノが立ちはだかる。83分には再びペッレグリーニの意表を突いたフリーキックから、抜け出したアンドレア・ベロッティがボレーシュートを放ったが、GKボノが右手を残してゴールを死守した。最終的には90分間で決着はつかず、試合は延長戦に突入している。

 延長戦に入っても文字通り両者が死闘を繰り広げる。お互いに悪くないシーンを作りながらゴールネットを揺らせずにいると、後半アディショナルタイムにはセビージャにビッグチャンスが到来。右サイド高い位置でのスローインからうまくペナルティエリア右に侵入したゴンサロ・モンティエルがマイナスへ折り返す。待っていたエン・ネシリに通るかと思われたが、ここはエドアルド・ボーヴェが粘りのクリアを見せてフィニッシュまで持ち込ませず。120分間に加えてアディショナルタイムでも両チームに追加点は生まれず、決着はPK戦へと委ねられた。

 PK戦では後攻ローマの2人目、マンチーニのシュートがGKボノの残した足によって防がれる。先攻セビージャは3人目のラキティッチが成功させると、後攻ローマの3人目を務めたロジェール・イバニェスのシュートは左ポストに嫌われた。決めれば優勝が決まるセビージャの4人目には、モンティエルが登場。FIFAワールドカップカタール2022の決勝戦でもアルゼンチンの最終キッカーを務めた右サイドバックはゴール右を狙うも、ここはGKルイ・パトリシオがビッグセーブ。しかし、VARによりGKがゴールラインに足を完全に残さず前に出ていたことが判明し、蹴り直しとなった。緊張感が走る中、モンティエルは2度目のキックをゴール左に突き刺し、試合はタイムアップを迎えた。

 この結果、セビージャが3シーズンぶりにELの頂点に立つことが決定。大会最多記録を塗り替える7度目の栄冠に輝いた。

【スコア】
セビージャ 1−1(PK戦:4−1) ローマ

【得点者】
0−1 35分 パウロ・ディバラ(ローマ)
1−1 55分 ジャンルカ・マンチーニ(OG/セビージャ)

【スターティングメンバー】
※並びはUEFA公式HPによる予想

セビージャ(4−2−3−1)
GK:ボノ
DF:J・ナバス(94分 モンティエル)、バデ、グデリ(120+8分 マルコン)、A・テレス(94分 レキク)
MF:フェルナンド(120+8分 ジョルダン)、ラキティッチ;オカンポス、オリベル(46分 スソ)、B・ヒル(46分 ラメラ)
FW:エン・ネシリ

ローマ(3−4−1−2)
GK:R・パトリシオ
DF:マンチーニ、スモーリング、イバニェス
MF:チェリク(91分 ザレフスキ)、クリスタンテ、マティッチ(120分 ボーヴェ)、スピナッツォーラ(106分 D・ジョレンテ);ペッレグリーニ(106分 エル・シャーラウィ)
FW:ディバラ(68分 ワイナルドゥム)、アブラハム(75分 ベロッティ)

このニュースに関するつぶやき

  • これが" E L 番 長 "セビージャ様、流石ですわな。しかし、モウローマも健闘したよ。これでセビージャCL権利獲得!!
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