滝藤賢一、コタロー役の川原瑛都は自然体で安定感抜群「絶大な信頼を置いています」【連載PERSON】

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2023年06月03日 11:01  TVerプラス

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人生に影響を与えたテレビ番組を軸に、出演作品の話題からその人のパーソナルな部分にも迫るインタビュー連載「PERSON〜人生を変えたテレビ番組」。今回はオシドラサタデー『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』(テレビ朝日系、毎週土曜23:00〜)で、コタローの父親を演じる滝藤賢一さんが登場します。

仲代達矢さん主宰の俳優養成所「無名塾」に入塾後、舞台はもちろん、映画『踊る大捜査線』シリーズ、『るろうに剣心』シリーズ、ドラマでは『半沢直樹』『警視庁ひきこもり係』など、数多くの作品に出演してきた滝藤さん。

『第41回ベスト・ファーザー イエローリボン賞』芸能部門に選出されるなど、良き父親としても知られている滝藤さんが今回演じるのは、狩野進(横山裕さん)の隣に住むひとり暮らしの小学生・さとうコタロー(川原瑛都さん)の父親です。自分のDVが原因で、コタローへの接近禁止命令が出ているものの、じつはコタローの居場所を探していて……という役どころ。

あたたかい物語の中で、重たいやりとりが続くシーンを請け負っているという滝藤さんに、自身が演じるキャラクターへの思いを聞きました。

コタローの父がバランスを崩した理由

――シーズン2が放送中です。キャストのみなさんは、瑛都くんの成長した姿に驚いていらっしゃいました。

僕はシーズン2があると信じていました。(前回放送から)この2年間、瑛都を思い続けて生きてきたから、みんなほど“変わったな”という感じはしませんけどね。

――撮影の中で印象的な出来事を教えてください。

みなさんとご一緒することは少ないんですが、瑛都と僕と紺野まひるさん(コタローの母・和宮小夜梨役)のやりとりでは、ヘビーなシーンが続くので、現場での瑛都と僕はバッチバチです。誰も2人の空気に入れません。

――瑛都くんは「優しい」とおっしゃっていたそうですが……。

バラさないで!

――(笑)。コタローの父という役についてどう思っていらっしゃいますか?

父親に対するコタローの“思い”がずっと描かれていますが、ただただ暴力的な父親ではなかったと思うんです。なぜ、そうなったのか理由は分からないですが、暴力を振るいたくないのに乱暴して暴言も吐いてしまう。自分でもどうしようもならないし、コントロールもできない……。その“バランスの崩れ方”みたいなものが表現できると、後半に向けて見ている方が共感できるのかな、というのは漠然と思っています。ただ、多くのシーンに出ているわけではないので、どこまでそれが表現出来るのか、すごく難しいところではあるなと思っています。

――そんな中で、どう役をつくり上げていこうと考えていらっしゃいますか?

それは“僕が”というより、監督がバランスを取っていくことだと思うし、僕が芝居をしたあと、紺野さんなり、瑛都なりが、どういう受け方をしていくかで、 また僕の見え方も変わってくるでしょうからね。だからひとりで何かしようとは思っていないですかね。

――滝藤さんもお子さんがいらっしゃいますが、瑛都くん演じるコタローと重ねてしまうところはありますか?

ありますね。僕もバランスを崩して悩んだ経験があるから、 なんとなく彼(コタローの父)が持つ苦しさみたいなものは分かります。でも、僕は僕という人生を演じて生きているから成立していますが、(作品の中で)彼の人生を生きるとなると、できる限りの中でやるしかないなとは思いますね。

――滝藤さんにとってお子さんの存在とは?

何ものにも代え難いですよね。彼らは彼らの人生を生きていくので、僕が支配するわけでもない。何ならさっさと出ていって、自分のやりたいことをやってほしいし、自分の家庭を作ってほしいですね。もちろん、そのときまでに「人に迷惑をかけない」とか、そういうことだけは教えていきたいと思いますけど……まあ子育てって日々勉強だなと思いますよ。(子供たちに)勉強させられてる部分がありますね。

――瑛都くんに対して、どんな印象を持っていますか?

他の作品でも親子役をやっていますし、安定もしているので何の心配もしていませんね。なんなら僕の力を目一杯引っ張り出してくれるので、絶大な信頼を置いています。自然で気負っていないし、台詞にも追われていないし、しっかりやってくれるので、同じ俳優としてしか見ていません。“子供だから”という見方はしていないです。

――今回、コタローは密かに悩んでいることがあるそうですが、滝藤さんが抱える悩みを教えてください。

(筋トレをやったら)三頭筋はつくんですが、二頭筋(力こぶの部分)がなかなかつかないことですね。やってもやってもつかないんです。

映画に多大なる影響を受けた学生時代

――ここからは、滝藤さんとテレビとの関わりを教えていただきたいです。自分が影響を受けたと思うテレビ番組を教えてください。

小さい頃は、テレビで吹き替えの映画ばかり見ていました。僕らの時代は『金曜ロードショー』で水野晴郎さん、『ゴールデン洋画劇場』では高島忠夫さん、『日曜洋画劇場』では淀川長治さんが映画解説をされていました。

そこで見たジャッキー・チェン、エディ・マーフィ、クリント・イーストウッドなどの影響を受けているし、中高生になったら、トレンディドラマの全盛期。織田裕二さん、江口洋介さん、唐沢寿明さん、豊川悦司さんが出られている作品を見ていました。

そこから(映画監督の)マーティン・スコセッシとか、デヴィッド・クローネンバーグとか、ブライアン・デ・パルマとか。高校生のときは、クエンティン・タランティーノ、北野武さんとかね。

――多大なる影響を受けているんですね。

僕は10年間ほど仲代達矢さんの弟子(俳優養成所「無名塾」に所属)になっていますが、仲代さんの作品を見るようになったのは、弟子になってからですかね。もちろん仲代さんが主演されている黒澤明監督の『影武者』とか、小林正樹監督の『人間の條件』など見てはいましたが、(俳優を志してから)改めてしっかり見て勉強していましたね。

――では、いまご覧になっているテレビ番組&配信系の番組はありますか?

このあいだ、ドラマ『スクール☆ウォーズ』を全話見ました。改めて色んな意味ですごい作品だなと思いました。

取材・文:浜瀬将樹
写真:フジタヒデ
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