顔の母斑が硫黄の塊のような腫瘍になった女性、手術で見違えるように(米)<動画あり>

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2023年06月04日 05:11  Techinsight Japan

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顔の右側に生まれつきあった母斑が出産後大きくなり、硫黄の塊のようになってしまった女性。つねに前髪で隠し、人に分からないようにしていたという(画像は『Jordan Lopez 2022年6月9日付TikTok「I miss being pain free」』のスクリーンショット)
約7年前の出産を機に顔の母斑が大きくなり、硫黄の塊のような腫瘍ができてしまった女性が約1年前、SNSに自分のありのままの姿を投稿し「線状皮脂腺母斑症候群という稀な病気について知って欲しい」と訴えた。女性は最近、顔の腫瘍を切除する手術を受けて清々しい姿を投稿、多くの人から励ましの言葉が届いているという。

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米テキサス州ダラスに住む4児の母ジョーダン・ロペスさん(Jordan Lopez、24)は、17歳での出産を機に顔の右側にある母斑に異変が起きた。

「それまでは健康だったし、忙しい祖母に育てられたこともあって、母斑の検査を受けたことはなかったの。でも私の母斑は目尻の脇から耳にかけて広がる大きなもので、普通のあざと違いゴツゴツしていたわ。子供の頃はよく、母斑のことでからかわれたりいじめられたりしたものよ」と明かすジョーダンさん。常に前髪を伸ばし、母斑が見えないように隠していたが、出産を終えると母斑が腫れて皮膚が割れ、そこから異臭を放つ液体が流れ出るようになってしまった。そして彼女は横向きに寝ることさえできなくなり、たまりかねて皮膚科医の診察を受けたのだった。


ジョーダンさんは「医師は母斑の生体検査を行ったけど、最初は診断がつかなかったわ。それで18歳の時に再検査を受け、『線状皮脂腺母斑症候群(以下、LNSS)』という稀な病気であることが判明したの」と当時のことを語っている。

LNSSとは、脂肪を分泌する腺(組織)が固まってできた黄色調の母斑で、顔面や頭部に生ずることが多いという。ジョーダンさんのように放置してしまうといぼ状に盛り上がることがあり、稀に皮膚腫瘍が発生するため、思春期前の切除手術が有効とされる。またこの病気は遺伝子変異によって発症するが、子に遺伝することはなく、知的障害、痙攣発作、脳の構造的異常、眼科的異常、網膜異常、骨格的異常などが起きることもある。

様々な症状が現れる可能性があるにもかかわらず、ジョーダンさんは当時、生体検査しか受けなかったそうで、腫瘍を取り除くために凍結療法を4度受けた。しかし治療の効果はなく、一度は小さくなったように見えた腫瘍が再び大きくなり、治療を止めてしまったという。


ジョーダンさんは当時のことをこう振り返る。

「その後、腫瘍はどんどん大きくなって、いじっているうちにポロリと落ちることもあった。痛いし出血もするけど、自分で腫瘍を引きちぎったこともあったわ。それで何度も感染症にかかり、患部がグジュグジュして異臭を放っていたの。いぼ状のものを掻き壊し、救急治療室に行ったこともあるほどよ。」

「でも4人目を出産後、とうとう我慢ができなくなって、かかりつけ医に形成外科医を紹介してもらったわ。」

こうして受けたMRI検査やCTスキャン検査で、ジョーダンさんは病気の症状が顔の腫瘍だけに留まらないことを知り驚愕したそうで、このように話している。

「私は長い間、自分の顔を隠してきたわ。そうすれば大きな母斑について質問されることはなかったし、嫌なことを言われて心が乱されることもなかった。」

「そして検査を受けた結果、脳の左右の大きさが異なること、先天性眼瞼下垂であること、鼻の奥にも腫瘤があることなどを知ったの。LNSSは発症率が約0.03%と稀でね。あの頃はオンラインで調べても情報がほとんどなかったから本当にショックだったわ。」

「そこで私は、この病気について多くの人に知ってもらおうと、SNSでありのままの自分を晒すことにしたの。母斑があろうとなかろうと、私は美しい―そう気づいたの。そして顔を隠すことをやめたのよ!」

「SNS上ではもちろん、嫌な言葉を投げかけてくる人もいたわ。でも私は前向きになることを学んだの!」


そんなジョーダンさんは、昨年の10月を最後にしばらく病気に関する投稿を中断していたが、今年3月に腫瘍を切除した様子を公開し、以前の写真と比べて見せた。病気の治療には少なくともあと2、3年はかかるため、まだ右目を十分に開くことができないなど課題もあるそうだが、メイクを楽しむ姿なども投稿しており、このように述べている。

「私には愛する家族がいるし、自分が愛されていることも分かっている。私の今の使命は稀な疾患に苦しむ人、外見が普通とは違う人たちにありのままの自分を受け入れる勇気をもってもらうことだと思っているわ!」


なおジョーダンさんのストーリーは英ニュースメディア『The Sun』などで紹介されているが、ジョーダンさんは「実はメディアが伝えていることは100%真実ではないの。でも私のことを取り上げてくれたことに感謝しているのよ」と笑顔を見せ、「詳細は私のSNSをチェックしてね!」と続けた。

ちなみに今年4月には、生後2か月で「先天性巨大色素性母斑」と診断され、生後5か月半で最初の母斑の切除手術を受けた1歳男児を紹介した。男児は背中に“カメの甲羅”のような母斑を持っていたが、手術の経過は良好だという。



画像は『Jordan Lopez 2022年6月9日付TikTok「I miss being pain free」、2022年5月4日付TikTok「I’ve been feeling a little discouraged but I’m still going!」、2022年5月16日付TikTok「Reply to @claudiab1985 right beside my ear!」、2023年3月13日付TikTok「#duet with」、2022年5月16日付TikTok「It felt sooo good coming off」、2022年8月8日付TikTok「#thegirlwiththemark」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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