「10度」達成のイチロー以外は1人だけ 日本人打者には高すぎる“打率3割の壁”に挑む吉田正尚

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2023年06月07日 19:52  ベースボールキング

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ベースボールキング

好調をキープしている吉田正尚
◆ 日本選手3人目の快挙なるか

 レッドソックスの吉田正尚は6日(日本時間7日)、敵地で行われたガーディアンズとの一戦に先発出場。初回から安打を放つと、5回の第3打席目まで3安打の固め打ち。結局この日は5打数3安打で、今季の打率を.319とした。

 4月中旬には打率1割台に低迷していた吉田だが、その後はメジャーの投手を相手に見事なまでに順応してみせた。4月20日以降は.365というハイアベレージをマークしている。

 ア・リーグの打率ランキングでも2位と好位置をキープ。NPB時代の実績も踏まえれば、首位打者争いも期待できそうだ。


 ただし、チームはまだシーズン61試合を消化したところ。メジャーではルーキーの吉田にとっても、まさにこれからが試練と言える。このまま打率3割を維持するのも、決して楽ではないはずだ。

 過去の日本人打者を振り返ってみても、“打率3割”の難しさはよく分かる。2022年シーズンまでの段階でメジャーで規定打席に到達したことがある日本人打者は計9人いるが、そのうちシーズン打率が3割に達したのは2人しかいない。

 1人目は、もちろん日米通算4367安打を放ったイチロー氏。マリナーズ移籍1年目の01年にいきなり.350の高打率で首位打者にも輝いた。その後は10年まで10年連続で打率3割を達成。11年以降は3度の規定打席到達はあったが、3割には届かなかった。

 そしてもう一人の3割打者は、NPB時代から常にイチロー氏と比較されてきた松井秀喜氏だ。こちらはメジャー3年目の05年に.305をマーク。翌04年にも.302を記録しているが、この年はケガのため51試合の出場にとどまっている。結局、規定打席に到達した年の打率3割は1度だけだった。


▼ 日本人打者の打率3割達成率
(規定打席到達シーズンのみを対象)

イチロー :76.9%(10/13)
松井 秀喜:7.0%(1/7)
井口 資仁:0.0%(0/3)
福留 孝介:0.0%(0/3)
青木 宣親:0.0%(0/3)
松井稼頭央:0.0%(0/2)
城島 健司:0.0%(0/2)
岩村 明憲:0.0%(0/2)
大谷 翔平:0.0%(0/2)


 イチロー氏の全盛期を知るファンは、メジャーでの打率3割にそれほど特別感はなかったはずだ。それはイチロー氏がいとも簡単に達成していたから他ならない。

 しかし、NPB時代に首位打者に複数回輝いた青木宣親や福留孝介氏ですら、メジャーでは一度も3割を達成できなかったように、シーズンを通して3割を維持することは簡単なことではない。


 ちなみに、今もヤクルトで活躍する青木はブルワーズ時代の12年に7月上旬まで打率3割をキープしていたが、最終的には.288でシーズン終了。福留氏はカブス時代の08年に6月下旬まで3割台を維持していたが、.257で1年目を終えている。

 果たして、吉田はイチロー氏、松井秀氏に次ぐ日本人3人目の打率3割を達成できるのか。チームはまだ101試合を残している。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

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  • 送りバントや犠打をやらずひたすら打率にこだわればあるいはいくかも (´・Д・)」
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