『少年』デジタルリマスター版ほか上映「台湾巨匠傑作選 2023」開催決定

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2023年06月08日 16:02  cinemacafe.net

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台湾巨匠傑作選2023メインビジュアル
「台湾巨匠傑作選 2023〜台湾映画新発見!エンターテインメント映画の系譜〜」が、7月22日(土)より開催されることが決定し、予告編が解禁された。

「台湾映画新発見!」と題し、台湾ニューシネマから、近年ブームとなっている台湾ホラー映画や青春映画などのエンターテインメント映画の系譜を紐解き、初公開作品4作品、日本最終上映2作品を含む、合計27作品が上映される。

中でも注目は日本劇場初上映となる、台湾を代表する世界的映画監督ホウ・シャオシェン(侯孝賢)と脚本家のチュウ・ティェンウェン(朱天文)がはじめてタッグと組んだ、台湾ニューシネマの原点ともいえる幻の作品『少年』デジタルリマスター版。

ホウ・シャオシェンが盟友チェン・クンホウ(陳坤厚)の監督作品のために選んだ原作は、気鋭の女性作家チュウ・ティエンウェンの短編小説「少年(小畢的故事)」。ホウ・シャオシェンとチュウ・ティエンウェン、この劇的な出会いが、ホウ・シャオシェンと台湾映画を世界の舞台に登場させた。

本作はホウ監督の少年期の姿が色濃く描かれ、『風櫃の少年』『童年往事時の流れ』に連なる「侯孝賢映画」の中でも記念碑的な作品と言えるだろう。この作品以降、ホウ監督作品の脚本は最新作『黒衣の刺客』まで全てチュウ・ティエンウェンが担当している。

また、武侠映画の神様とも呼ばれる、キン・フー(胡金銓)監督が全編韓国ロケを敢行した『空山霊雨』、3つの時代にわたる輪廻転生を描いた因果応報一大絵巻オムニバスムービー『大輪廻』の2作品が日本劇場初公開される。ツイ・ハークやアン・リー、ウォン・カーワァイにも多大な影響を与えたといわれる、キン・フー監督のアクションと幻想美を融合させた世界観が堪能できる計5作品が揃った。

さらに、台湾ホラー映画ブームを生み出した『紅い服の少女』から、白色テロ時代を題材に、大人気ゲームを原作にした『返校 言葉が消えた日』。台湾エンターテインメント映画の傑作『青春神話』、そして監督・山下敦弘と脚本・宮藤官九郎のタッグで日本版リメイクも決定している『1秒先の彼女』なども上演。

LGBT先進国と言われる台湾で同性愛の母との対話を記録した『日常対話』、台湾ニューシネマの裏側を追った『HHH:侯孝賢』『擬音』、台湾の「国家電影及視聴文化中心」のフィルムアーカイブで、日々フィルムの保存や修復に勤しむ職員たちの姿を追った『アーカイブ・タイム』など、台湾を多角的に捉えることができるドキュメンタリー映画もラインアップされている。

そして、初劇場公開となる映画『少年』について、奈良美智さんからコメントが到着した。

奈良美智(美術作家)
ほぼ同じ時代に地方都市に住む少年だった自分。
主人公の日常と共に呼び起こされる記憶のディティールが、あの頃にタイムスリップさせていく。変わりゆく時代の中、本意ではない人生を歩む大人たちと、大なり小なり起こる事件の毎日に、その日を精一杯生きていた子供たち。
大きな代償を払いながらも少年は成長する。
大人、子供、時代、場所、そこに映る景色と物語はすべて儚く愛おしい。

「台湾巨匠傑作選 2023〜台湾映画新発見!エンターテインメント映画の系譜〜」は7月22日(土)より新宿 K’s cinemaほか全国にて順次開催。




(text:cinemacafe.net)
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