フェラーリ、初年度のル・マンでポール獲得も慎重姿勢を崩さず。「最初のステップにすぎない」

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2023年06月10日 13:50  AUTOSPORT web

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100周年記念大会のポールポジションを獲得した50号車フェラーリ499P 2023年WEC第4戦ル・マン24時間レース
 耐久レースのグローバルヘッドであるアントネッロ・コレッタによると、フェラーリAFコルセはハイパーカーで初めて臨んだル・マン24時間レースのフロントロウを独占したにもかかわらず、決勝レースに向けて慎重な姿勢を維持しているという。

 6月8日(木)に行われたハイパーポールの後、コレッタはフェラーリ499Pで初めてル・マンのポールを獲得したことは「信じられない瞬間」だったと記者団に語ったが、これはより広い探求における「最初のステップ」にすぎないと述べた。

 50号車を駆るアントニオ・フォコがサルト・サーキットで記録した3分22秒982というラップタイムは、今シーズンのWEC世界耐久選手権4戦中、イタリアのメーカーにとって2度目の予選最速タイムとなった。一方、ル・マンのディフェンディングウィナーであるTOYOTA GAZOO Racingは、開幕3戦の決勝レースすべてで勝利を収めている。

 ポールポジション獲得は「信じられない瞬間だ」とコレッタは語った。「テストと開発作業のほんの数カ月後、我々は世界でもっとも象徴的なレースでグリッドの最前列を手に入れたのだ」

「私たちはこの瞬間を楽しんでいる。スタッフ、メカニック、テクニシャン、ロジスティックス、スポーツチームなど、我々のスタッフは本当に素晴らしい仕事をしてくれた。そして最後に私たちのドライバーは非常に一貫性がある」

「最初のレースはポールポジションを獲得したセブリングだった。そして、ここでもまたポールポジションを獲得した」

「我々のクルマは本当に安定していると思う。私たちのプロジェクトはとても良いものだ。しかし、24時間レースの状況は(予選とは)大きく異なるはずだとわかっている。これは長い道のりの第一歩に過ぎない」

 コレッタは、レースが“別の話”になることを考えると、フェラーリは予選結果に浮かれすぎてはいけないと強調した。

「トヨタはもちろんのこと、他のブランドも(侮れない)」と彼は示唆した。

「予選はひとつの問題で、レースは別の話だと確信している。私は慎重であることを好むので様子を見ることになる」

「良いレースができると信じているが、トヨタをリスペクトする必要があることは確かだ。彼らは私たちよりも経験が豊富なのだからね」

「この件に関しては、この瞬間を楽しみたいと思うし、週末は様子を見る。私たちができる最高の仕事をしたいと思っているよ」

■2台のフェラーリ499Pが協力しあったハイパーポール

 フェラーリは、ハイパーポールにおいて予選ドライバーに指名されたフォコとアレッサンドロ・ピエール・グイディのふたりに、互いにトウを受ける機会を与えた。

 ピエール・グイディはトウを受け取ったラップでフォコを1000分の8秒上回ったが、フォコもまたトヨタGR010ハイブリッドのドラフトで恩恵を受けていた。

 その後2台のフェラーリはニュータイヤを装着して2度目のアタックを行い、フォコはいくつかのトラフィックに詰まりながらもファステストラップをマークした。

 フェラーリの耐久レース車両責任者であるフェルディナンド・カニッツォは、「ハイパーポールでは、非常に良い戦略が取れたと自負している」と述べた。

「トヨタの後ろに回りトウを利用することにした。これが功を奏した。また、我々のクルマもお互いにトウを与え合って助け合っていた」

「彼らが何をしたのか理解することができた。彼らは改善するための試みの一種のようなものだった。それは私たちにとって素晴らしいことで、今回のハイパーポールではこれがカギになったと思う」

 フォコは最終予選セッションで、それまでの総合ベストラップタイムから2秒を縮めたが、フェラーリはハイパーポールが開催される前に「特定のラップタイムを期待していたわけではない」とカニッツォは語った。

「我々がしたことは、この数日間を通して学んできたように、クルマを最高のものにする準備をしただけだった」

「アントニオ(・フォコ)は最高のラップを刻んだ。彼も自分に誇りを思っているいと思うが、私たちも彼にとてもいいクルマを与えられたことを誇りに思う。これは私たちにとっての最初の一歩だ」

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