例えばヒアリだ。ヒアリは特定外来生物の中でも要緊急対処特定外来生物に指定されており、見つかるとすぐにニュースになる。その他にも、この時期によく見られるオオキンケイギクという植物も特定外来生物で、繁殖力が強く、放っておくと一年もすれば在来植物を駆逐するため、栽培や運搬、販売が禁止されている。
教えて!gooでも「オレンジ色の花の名前」と題した投稿があり、質問者が道端で見かけた花が何だったのかを尋ねており、回答者の一人がオオキンケイギクであることを指摘していた。
そこで今回は外来生物法の基本的な内容に加えて、条件付特定外来生物を取り扱う上での違反行為や罰則などを井上義之弁護士(富士見坂法律事務所代表)に話を聞いてきた。
■外来生物法の基本
まずは外来生物法がどんな法律なのか伺った。
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外来生物法の対象となる生物を聞いてみた。
「現在、特定外来生物として指定されているのは、哺乳類25種類、鳥類7種類、爬虫類22種類、両生類15種類、魚類26種類、昆虫類25種類、甲殻類6種類、クモ・サソリ類7種類、軟体動物類等5種類、植物19種類です。詳細は環境省のHPをご参照ください。なお、まん延した場合の影響が特に重大な外来生物については、別途、『要緊急対処特定外来生物』に指定され、当該生物の早期発見・拡散防止のための特別の措置がとられます」(井上義之弁護士)
■アメリカザリガニとアカミミガメを飼ってはいけない?
6月からアメリカザリガニとアカミミガメが特定外来生物に指定されたが、飼育が禁じられたということなのだろうか。
「いえ、そうではありません。この2種は、飼育者が多いため、他の特定外来生物と全く同じ規制にすると手続が面倒などの理由で逆に野外への放出が増えると予想されますので、当面の間、売買・輸入・放出などを原則禁止としつつも、一部の規制を緩和し、捕獲・飼育・無償譲渡についてはこれまで通り可能とされました。もっとも、今後は、何かの事情で手放す場合の手段が限られますので、新たに捕獲しても持ち返って飼育せずにその場でリリースするのが良いと思います」(井上義之弁護士)
捕まえてもいいし、飼ってもいいけど、放出してはだめとのこと。
■違反した場合の罰則
最後に違反行為をした場合の罰則を伺った。
「特定外来生物は、非常に深刻な事態を引き起こすことがありますので外来生物法違反には重い罰則が定められています。例えば、特定外来生物を許可なく野外に放った場合、個人については3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金又はそれらの併科、法人については1億円以下の罰金が定められています」(井上義之弁護士)
思ったよりも重い。井上弁護士の言う通り、放出する際の苦労を考えると、捕まえてもそのまま持ち帰らずに逃がす方が良さそうだ。
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記事提供:ライター o4o7/株式会社MeLMAX
画像提供:AdobeStock
教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)
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