子宮内膜症はフソバクテリウム細菌感染によって引き起こる

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2023年06月26日 19:00  妊活・卵活ニュース

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子宮内膜症のメカニズムが解明
6月15日、名古屋大学の研究チームは、プレスリリースにて、フソバクテリウム細菌感染によって子宮内膜症が誘発されると発表した。あわせて、フソバクテリウムに対する抗生剤治療は、子宮内膜症病変の形成を抑制する効果があると報告された。

なお、研究論文は「Science Translational Medicine」(6月14日)に掲載されている。

子宮内膜症とフソバクテリウム感染における関係性
これまで、 逆行性月経が子宮内膜症を引き起こす原因であると考えられてきた。月経血が体外に排出されず、卵管を通って腹腔内へ逆流することによって子宮内膜組織片が腹腔内に散らばり、腹膜、卵管、卵巣などに子宮内膜組織が接着し、そこで増殖して病変を作るという。

しかしながら、一方で逆行性月経を経験する全ての女性が子宮内膜症を発症するわけではない。そこで、まず、子宮内膜症患者と対象患者を対象にコホート研究を実施したところ、子宮内膜症患者のうち64%は子宮内膜においてフソバクテリウムが検知された。

フソバクテリウムは口腔内常在菌で歯周病の原因菌といわれるが、フソバクテリウム感染によって子宮内膜では「トランスジェリン(TAGLN:子宮内膜症患者の子宮内膜に存在する線維芽細胞)」の発現が上昇することが判明した。

次に、子宮内膜症モデルマウスを作製して子宮内膜症とフソバクテリウム感染における関係性を検証したところ、フソバクテリウムに感染したマウスの子宮には、より重い病変が多く存在することが確認された。

また、フソバクテリウム細菌感染の治療として抗生物質を投与されたマウスでは、病変の形成において改善が認められたという。

(画像はプレスリリースより)

NU Research Information

NU Research Information|名古屋大学 研究成果発信サイト

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