パドルボードの背後にピタリと付ける不気味なサメと、冷静さを失わない女性(米)<動画あり>

0

2023年07月01日 22:11  Techinsight Japan

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

Techinsight Japan

米フロリダ沖でスタンドアップパドルボードのレースイベントにチームで参加していたマレアさん。背後を泳ぐのはサメで、水面からヒレが出ているのが見て取れる(画像は『FOX 35 Orlando 2023年6月30日付「Florida woman on paddleboard handles shark encounter like a champ in wild video」(Photo: Jason Brushaber)』のスクリーンショット)
大き目のサーフボードの上に立ち、オール(パドル)を使って海や川を漕ぎ進む「スタンドアップパドルボード(Stand Up Paddleboard)」。そのレースイベントに参加していた女性が先月25日、米フロリダ沖で大きなヒレを持つサメに追いかけられた。女性の後ろにピタリと付き、滑るように水中を移動する不気味なサメの姿と、冷静に対処する女性の様子はカメラが捉えており、米ニュースメディア『Fox News』などが伝えて注目されている。

【この記事の動画を見る】

米フロリダ州フォートローダーデールに住むマレア・トリブルさん(Malea Tribble)は先月25日、夫リッキーさん(Ricky)らとリレーチームを組み、スタンドアップパドルボードのレースに参加していた。

レースはカリブ海に浮かぶバハマ諸島西端のビミニ島から、フロリダ州南東部レイクワースの約129キロ(80マイル)をパドルボードで進むハードなもので、マレアさんはフロリダ沖56〜64キロ(35〜40マイル)辺りでボードの底を何かに突かれているような気がしたという。

「最初はボードのフィンに海藻が引っかかり、音を立てているのかと思った」と話すマレアさんだが、仲間が待機していた船まであと9メートルの距離に近づいた時、船に乗っていたリッキーさんが水面から突き出すサメのヒレに気づいた。

当時の動画では、マレアさんが船に向かってオールを漕ぐ姿と、サメがその1メートルほど後ろにピタリと付きジグザグに進んでくる様子が見て取れるが、マレアさんはサメには気づいていないようだ。

そんなマレアさんに対し、リッキーさんは冷静に「良い調子だぞ。そのままこっちへ来て。こっちに来るんだ!」とパニックにならないように声をかけており、マレアさんは船の近くまで来ると「サメなの? 後を付いてくるの?」とリッキーさんに聞いている。

サメはその後、ボードの下に潜りこんでおり、マレアさんは当時のことを「実は夫の反応を見て、サメがいると直感したの。でもそのサメがどのくらいの大きさなのか、どこにいるのかは全く分からなかった。ただボードから落ちないように集中していたの」と明かし、このように続けた。

「実際に何が起きていたのかを知ったのは動画を見た時で、サメが思っていたより大きく、ボードの近くにいたことを知って驚いたわ。それにあのサメの動きの速さ、泳ぎがとても滑らかなことにも気づいた。でもサメはきっと、自分の生息地に現れた私に興味があっただけだと思うの。」

サメはその後、ボードから離れて泳ぎ去り、マレアさんは10分後にはレースに戻ったそうで、クレイジーな状況下でチームが冷静に指示を出してくれたことに感謝しているという。またあのような場面に出くわしながらも、落ち着いた対応をしていた自分にも驚いているそうだ。

なおパドルボードレース「The Crossing for Cystic Fibrosis」は今年で10回目の開催で、遺伝性疾患「嚢胞性線維症(Cystic Fibrosis)」について知ってもらい、寄付を集めるチャリティイベントだという。

同イベントを立ち上げた執行役員のトラヴィス・スーツさん(Travis Suit)は、今回の件について「海はサメにとってはホームであり、私たち人間は訪問者に過ぎない。こういったことは起こり得ることで、冷静な行動を誇りに思う」と述べ、マレアさんを称賛した。

ちなみにマレアさんの後を追ってきたサメは、頭部がかなづちのように飛び出している「シュモクザメ(ハンマーヘッドシャーク)」で、オンライン版『ナショナルジオグラフィック』によると、体長4〜6メートル、体重230〜450キロにまで成長し、目が離れているため他のサメよりも広い視野を持つという。

米ニュースメディア『Newsweek』が昨年2月に伝えたところによると、シュモクザメによる事故は1900年以来16件報告されているが、死者はいないということで、今回のニュースには次のようなコメントが寄せられた。

「あれがシュモクザメで良かったよ。ダイバーの中にはシュモクザメに餌やりをする人もいるほどだからね。イタチザメやオオメジロザメ、ホホジロザメだったら大変なことになっていたかも。」
「そうは言ってもやはり、サメのヒレを見たら震え上がるな。」
「私だったら、あんなに冷静には振る舞えないかも。」
「こんな経験はなかなかできないよ。みんなよくやったね!」

ちなみに冷静な対応といえば思い出されるのが2020年夏、メキシコのチピンケ自然公園でハイキング中にクマに出くわした女性3人だ。クマは3人のうちの1人に執着し、至近距離で臭いを嗅ぐなどしていたが、女性たちは始終冷静に対応して無事だった。



画像は『FOX 35 Orlando 2023年6月30日付「Florida woman on paddleboard handles shark encounter like a champ in wild video」(Photo: Jason Brushaber)』『BroBible 2023年6月29日付「Paddleboarders Crossing From Bahamas To Florida Get Stalked By Massive Hammerhead Shark」(ISTOCKPHOTO / RYAN CAKE)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

    前日のランキングへ

    ニュース設定