「世界一醜い犬コンテスト」 今年の優勝者は“醜いの意味を変えた”「毛深いカバ」のような犬(米)<動画あり>

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2023年07月06日 18:21  Techinsight Japan

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米カリフォルニア州で開催された「世界一醜い犬コンテスト」でチャンピオンに輝いたのは、チャイニーズ・クレステッド・ドッグの“スクーター”だった(画像は『TODAY 2023年6月24日付「The ‘World’s Ugliest Dog’ competition has a new winner ― meet Scooter」』のスクリーンショット)
米カリフォルニア州で「世界一醜い犬コンテスト」が開催された。チャンピオンに輝いた犬は「毛深いカバのようだ」と評価されたが、障がいを抱えつつも元気に生きる姿が称賛された。米ニュースメディア『TODAY』などが伝えている。

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6月23日、カリフォルニア州ペタルーマで開催されたこのコンテストは、「全ての犬を特別な存在にする不完全さ」を称えることにより、どんな犬も唯一無二の美しさを持つことを示し、保護犬の養子縁組を促進するために、50年近く毎年開催されている。

今年の優勝を手にしたのは、チャイニーズ・クレステッド・ドッグの“スクーター(Scooter、7)”だ。

スクーターは後ろ脚に奇形を抱えており、つま先がおしり側に向いている。そのため数歩前足で進んでは、止まってしまう。スクーターの見た目は、グレー色のボディーで黒い瞳が可愛らしい。しかし舌は口の中におさまりきっておらず、だらんと口の横から垂れている。

チャイニーズ・クレステッド・ドッグには、頭部と足先など体の末端にだけ毛が生えているヘアレスタイプと、全身が長毛に覆われているパウダーパフタイプが存在し、どちらも絹のようなふわふわとした毛質が特長的だ。しかしヘアレスタイプだと思われるスクーターの体毛はほとんどが禿げており、白いうぶ毛がまばらに生えているだけで毛質もパサついている。

スクーターの見た目について、コンテストの審査員の一人であるキャサリン・リアンさん(Catherine Liang)は「スクーターを可能な限り可愛く描写するとしたら、『毛深いカバ』ですね」と表現した。

同じく審査員を務めた米ジャーナリストで「NBC News」の司会者でもあるガディ・シュワルツさん(Gadi Schwartz)は「スクーターの毛のない小さなお尻と後ろ向きの脚を膝に乗せると温かさを感じ、『醜い』という言葉の意味を変えてしまうような、抱きしめたい思いに駆られます」と話し、スクーターを「優勝にふさわしい!」評価した。ガディさんによると、審査員らがスクーターをチャンピオンに選んだ決め手は、「自分のことは自分でできる」ことをスクーター自身が証明してみせたからだという。

今回のコンテストでその特異性が称賛されたスクーターだが、かつては奇形のために死に直面したこともあった。

ブリーダーによってアリゾナ州にある動物管理局に引き渡されたスクーターは、安楽死させられる予定だったのだ。しかし幸運にも、現在の飼い主であるリンダ・チェレステ・エルムクイストさん(Linda Celeste Elmquist)が所属する「SAFE(Saving Animals From Euthanasia)」という動物レスキューグループによって救われ、同グループの男性のもとで約7年間育てられた。この7年の間もリンダさんはスクーターを病院の検査に連れていくなど、常にその存在を気にかけて世話をしてきた。その後、男性がスクーターの世話を続けることが困難になり、スクーターはリンダさんに引き取られて家族となった。リンダさんとスクーターの生活が始まって7か月となる。

スクーターを最初に見た時、リンダさんは「助けてあげられる」と感じたという。リンダさんは「スクーターの姿や状態を見て、少し悲しくなることもありました。でもスクーターと触れ合ううちに『愛らしい』と感じる気持ちが強くなりました」と話している。


リンダさんによると、スクーターは車いすを手に入れるため、理学療法士の診断を受けたという。慣れるまでには時間がかかったが、今では速く動き回ることができ、周囲の匂いを嗅ぐなどこれまでできなかったことができるようになったそうだ。またスクーターは奇形を除けば他の犬と変わりがなく、大好物はレバーソーセージだという。

今回のニュースを見た人々からは、「醜い犬なんていない、なぜなら純粋な心をもっているから」「人間こそが一番醜い」といった声が寄せられている。

ちなみに「世界一醜い犬コンテスト」の昨年のチャンピオンは、“ミスター・ハッピーフェイス(Mr. Happy Face)”という名前の毛がないチャイニーズ・クレステッドとチワワのミックス犬だった。ミスター・ハッピーフェイスは、ゴミ屋敷のような劣悪な環境の飼い主のもとからアリゾナの動物保護施設に引き取られ、17歳にして新たな家族に迎えられた。飼い主のジェネダ・ベナリーさん(Jeneda Benally)によると、ミスター・ハッピーフェイスは今年の同コンテストをジェネダさんとともに出場犬全員の幸運を祈って陰ながら応援していたそうだ。また現在もシニア犬の養子縁組を推進すべく、イベントの看板犬として写真撮影に応じたり、SNSなどを通じてその元気な姿を見せ続けている。



画像は『TODAY 2023年6月24日付「The ‘World’s Ugliest Dog’ competition has a new winner ― meet Scooter」(Sumiko Moots)』『Mr. Happy Face 2023年6月24日付Instagram「Mr Happy Face wishes all the best to all of this year’s World’s Ugliest Dog Contestants!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)

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  • こう言う遊びをして良いのは自分が同じことされても笑える人だけだよ。ポリコレとか煩い米は違うだろ?欧米文化のこう言う自分本意は苦手。
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