惜しまれてアーセナルを去るジャカ、“復活”へ導いたアルテタ監督が別れ「全員から愛された選手」

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2023年07月08日 02:40  サッカーキング

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アルテタ監督(左)の支えもあってジャカ(右)は不動の中盤に上り詰めた [写真]=Getty Images
 アーセナルを率いるミケル・アルテタ監督が、レヴァークーゼンへの完全移籍が決まったスイス代表MFグラニト・ジャカに対して別れの言葉を送った。

 ジャカは6日、レヴァークーゼンへの完全移籍が発表された。2028年6月30日までとなる5年契約を締結し、移籍金はイギリスメディア『BBC』によると2500万ユーロ(約39億円)ほどの見込み。2016年夏の加入から7シーズンを過ごしたアーセナルを離れ、ブンデスリーガに復帰することが正式に決まっていた。

 ジャカに関してはボルシアMGより加入した直後から盤の主力に定着していたものの、チーム内投票によってキャプテンを任された2019−20シーズンには“事件”を起こしたことでも知られている。2019年10月27日、プレミアリーグ第10節のクリスタル・パレス戦に途中出場したジャカは、61分に交代を命じられる。同試合は2点をリードしながらも追い付かれており、当時のウナイ・エメリ監督が率いるチームに対する不満も募っていたことから、『エミレーツ・スタジアム』に駆け付けたファン・サポーターから大ブーイングを浴びせられた。熱くなったジャカも観客を挑発し、ユニフォームを脱ぎながら暴言を吐いただけでなく、ベンチに戻らずにドレッシングルームに直行。キャプテンの座を追われ、ファンとの関係性も冷え込み、一時は退団が決定的と報じられた。

 だが、ジャカの退団を引き止めた人物こそアルテタ監督だった。アルテタ監督は2019−20シーズン途中の2019年12月にアーセナルの指揮官に就任すると、冬のマーケットでの移籍が決定的となっていたジャカと話し合いの場を設けた。『BBC』によると、ジャカは「あなたとは関係ない。僕は出て行く。もうユニフォームを着ることはない」と説明したものの、アルテタ監督は「6カ月間チャンスをくれ。6カ月経っても満足できないようだったら、その時は私が君を助ける」と残留を嘆願したという。その後、ジャカは“アルテタ体制”に欠かせない中盤の1人に君臨。プレミアリーグで優勝を争った2022−23シーズンは、公式戦47試合のピッチに立ち、自己最多となる9ゴールを挙げていた。

 実際、ジャカ自身も「ミケル・アルテタ監督のおかげで僕は今もアーセナルに所属している」と認めている。“アルテタ体制”のアーセナルで類稀なリーダーシップを発揮するジャカに対して、気が付けば“グーナー”(アーセナルのファン・サポーターの愛称)も多くの愛情を捧げたが、関係が修復した背景にはアルテタ監督の存在があった。

 最終的にジャカはアーセナルでの公式戦通算で297試合出場23ゴール27アシストを記録。クラブに7シーズンぶりとなるチャンピオンズリーグ出場権を残し、別れを告げることとなった。ジャカの退団を受け、アルテタ監督はアーセナルの公式Twitter(@Arsenal)にて「ファンタスティックで、クラブのすべての人々から愛された選手に別れを告げることとなった。彼とともに歩んできた旅は素晴らしいものだったし、彼自身もこのクラブにすべてを捧げてくれた」とメッセージ。“闘将”との別れを惜しみつつ、新たな環境で活躍にエールを送った。

「グラニトがピッチ上のチームメイトやクラブに勤める同僚たちに与えた影響こそ、彼がどれほどの人格者であるかを物語っているだろう」

「我々一同、長年にわたってグラニトがこのクラブに尽くし、貢献してくれたことに感謝してもしきれない。我々はグラニトと彼の家族が次のステップでも成功を収めることを願っている」


【動画】ジャカがアーセナルで過ごした7年間
297 appearances. 23 goals. 29 assists. Two FA Cups. And one inspirational story.​

Granit Xhaka: forever a part of the Arsenal family ❤️ pic.twitter.com/gbgRVicFiM— Arsenal (@Arsenal) July 6, 2023

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