七海ひろき1stシングルの魅力と歌・芝居に対する意識の変化

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2023年07月14日 18:21  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
●根底にある芝居への向き合い方は変わっていない
もともと宝塚歌劇団の男役スターとして活躍していた七海。退団後、声優、アーティストとして活動していくなかで、歌がさらに好きになったという。今回はここまでの活動を振り返ってもらいつつ、「It's My Soul」と『HIROKI NANAMI ZEPP LIVE TOUR “COLORS”』の見どころ・聞きどころについて語ったインタビューが到着した。


○七海ひろきとして表現することをやってみたい



──役者業に加えて、アーティスト活動もされている七海さん。小さい頃はどんな音楽を聞いていましたか? ルーツを教えてください。



小さい頃はアニソンばかり聴いていました。アニメを見ながら主題歌をチェックして、気に入った曲のCDも買っていました。その後、宝塚歌劇団を目指そうと思うようになり、宝塚の音楽に夢中になりました。



──宝塚歌劇団に興味を持ったきっかけは?



天海祐希さんが出演されていた月組の『風と共に去りぬ』という作品をテレビでたまたま見たんです。それがあまりにもカッコよくて。そこで、男役が活躍する宝塚歌劇団という存在を知り、心を奪われてどんどん好きになっていきました。



──宝塚歌劇団に入団されるまでに、何か音楽に関する習い事はしていましたか?



小さい頃にエレクトーンを習っていました。そこでクラシックの曲なども聞きましたが、とにかくアニメが好きだったので、発表会でもアニメの主題歌を弾いていました(笑)。あとは、小学生のときに吹奏楽部に入って、トランペットを吹いていました。



──歌に関する習い事などは特にやっていなかった?



はい。歌は学校の合唱や友達とカラオケに行って歌うくらいしかやっていなくて。ちゃんと歌について習ったのは、宝塚歌劇団の受験をしようと決めたときなので、だいぶ遅いです。でも「歌」って、すぐに上手になるものじゃなくて。宝塚歌劇団に入団してからも、上手に歌いたいと考え過ぎてがんじがらめになって、好きではありましたがちょっと苦手意識みたいなものがありました。だから、アーティストデビューの話をいただいたときは「私で大丈夫ですか?」っていう驚きがあって。それでも、何かの役としてではなく、七海ひろきとして表現することをやってみたいと思い、デビューに踏み切りました。

○活動を経て進化した声の響き方



──デビューしてからここまでの活動を経て、音楽に対する向き合い方は変化しましたか?



歌をさらに好きになり、これまで免疫がない曲にもチャレンジするようになりました。以前と比べて、アーティストとしてどう進化できるのかと考えるようにもなっています。あとは声の響き方ですかね。私、宝塚歌劇団在団中に、声の響きがあんまりよくないと言われることがあったんです。恐らく、男役をやるうえで低い声を出さなきゃという意識が強すぎて、必然的に歌声がこもったり、マイクに乗りづらい音を出したりしていたんだと思います。



──アーティスト活動をするようになってから、その響き方が変化した。



アーティスト活動もそうですし、アニメ作品に声をあてるなかでも変化した気がします。自分の声の響き方などを考えながら歌やお芝居の練習をすることによって、だんだんとよくなっていきました。現場で「よくなったね」と声をかけていただけたときは、とても嬉しかったです。どこに声を当てたらいい響き方をするのか、少しずつ掴めてきたのかもしれません。



──役者での経験がアーティスト活動にも影響しているんですね。



よく耳にする言葉ではありますが、本当に「何をするにも経験は無駄にならない」と実感しています。



──一方で、宝塚歌劇団と声優・個人のアーティストとして芝居をしたり歌ったりするのでは、表現の仕方がぜんぜん違うんですね。



違いますね。宝塚歌劇団の舞台は「宝塚だからこそ表現できるもの」を追求していく部分があって。例えば、声優で男性を演じる際と宝塚の男役では発声の仕方もちょっと異なると感じています。



──なるほど。では、芝居の向き合い方に関しての変化は感じていますか?



先ほどの響き方と合わせて、距離感を考えるようになった気がします。舞台って、相手がどんなに近くにいたとしても、わりと大きな声で喋るんです。それは、見ているお客さんに声をちゃんと届けるために。ただ、声優だと相手との距離感を考えて演じることもあって。それが舞台ならどういうふうに活かせるのかという視点を持つようになりました。でも、演じる役がいちばん素敵に見えるにはどうしたらいいかを考える、という根底はあまり変わっていないです。


●人前で歌うことへの怖さがなくなった
○『Helck』が好きな者同士だからこそ高め合えた


──さまざまな活動を経て、今回1stシングルがリリースされます。表題曲の「It's My Soul」は、TV アニメ『Helck』のOPテーマ曲ですね。小さい頃はアニソンをよく聞いていたとのことですが、アニメの主題歌になると聞いたときはどんなお気持ちでしたか?



アニメのOPを歌えるのがすごく幸せで、現実なのかなと思うくらい嬉しかったです。同時に、もともと『Helck』が好きだったので、その世界観に合う曲にしたいという強い気持ちも芽生えました。アニメの主題歌って、聞くだけで見ていた当時のことを思い出すじゃないですか。「It's My Soul」もみなさんにとってそういう存在になればいいなと思っています。



──改めて、ご自身としてはどういう楽曲に仕上がったと思いますか?



どんな逆境や辛いときにも勇気や力を与えてくれる、パワフルでソウルを掻き立ててくれるような曲になりました。まさに『Helck』という作品にピッタリの曲に仕上がっていると思います。



──レコーディングはいかがでしたか?



私も『Helck』が大好きなのですが、実は作詞・作曲を担当された本田正樹さんも原作ファンでして。その本田さんとお互いに「この曲がもっと良くなるにはどうすればいいのか」というディスカッションをしながらレコーディングしました。もともと作品が好きだった同士だったからこそ高め合って収録ができたと思います。すごくヒートアップしました!



──歌詞にも『Helck』らしさが詰まっているように感じます。



そうなんですよ。歌詞のひとつひとつ、ワンフレーズの言葉選びが作品にピッタリ過ぎて、本田さんは天才だなと思いました(笑)。



──その他、レコーディングではどんなディレクションがありましたか?



本田さんは、ロック調の曲をどうしたらよりカッコよく歌えるのかなどのディレクションを貰いました。ロックは「か行」を強く出したり、高い音は一瞬抜いたりするといいとアドバイスしてくれたんです。自分が知らない技術的だったので、とても参考になりました。



──今回のシングルにはご自身が出演されたドラマ『合コンに行ったら女がいなかった話』の主題歌「HEART BEAT」のソロバージョンも収録されています。



「HEART BEAT」はもともと6人で歌う曲で、ポップで明るく、楽しく歌っていました。また、以前は役として歌っていたのですが、今回は七海ひろきとして歌うということで、言葉を大事に届けたいという気持ちでレコーディングしました。

○ライブで意識するのは「お客さんと一緒に楽しむ」こと



──シングルにはもう一曲「アルデンテ」が収録されます。こちらはご自身で作詞を担当された一曲ですね。



今回は物語を想像して詞を書きました。曲を聞いたとき、恋愛ソングにしたいなと思ったんです。ちょうどいい湯加減、ちょっと芯のあるようなふたりの関係を曲にできればと思って作詞しました。以前にも作詞に挑戦したことがありますが、今回のほうが難航しました。というのも、最初は登場人物の心情をいっぱい書いてしまい、聞いている人がちょっと共感できないような歌詞になってしまって。これはよくないと思い、一からぜんぶ書き直したんです。大変でしたが、できるだけ情景が浮かぶような歌詞にしたかったので、時間をかけて作詞しました。

──「アルデンテ」というタイトルはパスタが好きだから付けた?



パスタが好きというのもありますが、私は料理をほとんどしたことがなく、縁遠い存在なんです(笑)。そういう自分が日常でやることがない要素を入れることで生まれるものもあるんじゃないかと思い、あえてこのタイトルにしました。



──歌う際にはどんなことを意識しましたか?



この曲は恋愛しているふたりの喧嘩を歌にしています。ただ、喧嘩だけれど暗くはならない、仲直りできるからこその仲の良さを感じてもらえるよう、愛のある歌い方を意識しました。最近は自分のなかで「柔らかく歌えるようになる」という課題があるのですが、この曲はまさに優しい響きを重視して歌ったんです。そういう意味では、またひとつ新たな経験を積めた曲にもなりました。



──1stシングルと同じタイミングで初のライブツアー『HIROKI NANAMI ZEPP LIVE TOUR “COLORS”』のKT Zepp Yokohama公演を収録したBlu-rayもリリースされます。こちらはどんなライブでしたか?



「COLORS」というツアータイトルにふさわしい、七海ひろきの様々な色を出すことができたライブでした。みなさんのおかげでとても素敵なライブになったんです。感謝の気持ちを込めて歌いました。



──人前で歌うのがちょっと苦手だったというお話もありましたが、ライブツアーで大勢の前で歌ってみたときはどんな気持ちでしたか?



私、アーティスト活動を始めてから人前で歌うことへの怖さがなくなったんです。宝塚歌劇団に在団していたときは上手く歌うという気持ちが先行し過ぎていた気がします。今はそれよりも、みんなに私なりの何かを届けたいと思うようになって。ツアーライブも「みんなに届け」という気持ちで歌っていることもあってか、すごく楽しかったんですよ。ただ、決して一人よがりにはならない。お客さんと一緒に楽しむということは常に意識しています。



──ライブでは自身の楽曲ほか、過去に歌唱したことのないカバー曲も披露されました。



カバー曲を歌ったことで「こういう曲も私歌えるんだ」など、さまざまな発見がありました。また、自分の曲以外も披露することで、逆に色々な七海ひろきをお届けできたと思います。



──お話にあったように、何事も経験が大事ってことかもしれないですね。



そうですね。歌ってみて分かることもありますし、みなさんに聞いてもらわないと、どう思っていただけるのかも分からない。やっぱり経験は大事です。



──その他、ご自身が思う本Blu-rayの推しポイントを教えてください。



今回のBlu-rayには特典映像として、オンリー七海ひろきアングルver.が収録されます。これは、自分で言うのもなんですが、ずっと私だけを見ることができる映像なんです(笑)。そういう特典も含めて、映像としてクオリティの高い作品に仕上がっているので、現地でライブを楽しんでくださった方も初見の方も、ぜひ手に取っていただけたら嬉しいです。



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七海ひろき(ななみ・ひろき) 1月16日生まれ、茨城県出身。宝塚歌劇団(89期)の宙組配属後星組に組替えし、男役スターとして活躍。2019年3月24日に退団し、同年8月にキングレコードよりアーティストとしてメジャーデビューする。俳優としては『「刀剣乱舞」禺伝 矛盾源氏物語』歌仙兼定役、声優としてはTVアニメ『マッシュル-MASHLE-』などに出演。多方面で活躍する


●「It's My Soul」

・CD収録内容

M1.It's My Soul

M2.HEART BEAT(七海ひろき solo ver.)

M3.アルデンテ

●初回限定盤

価格:2,970円(税込)

※「Itʼ s My Soul」MVとスペシャルメイキング映像を収録

●通常盤

価格:1,540円(税込)

●LIVE Blu-ray「HIROKI NANAMI ZEPP LIVE TOUR “COLORS”」

2022年10月7日に行われたHIROKI NANAMI ZEPP LIVE TOUR “COLORS神奈川KT Zepp Yokohama夜公演の模様を収録

価格:7,150円(税込)

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