限定公開( 1 )
漫画に対する「考察」がここ最近流行している。“伏線”を丁寧に追いかけ、作品についてあれこれ議論するのも楽しいものだが、その世界観に没入し、ノリと勢いに任せて丸ごと楽しむのもいいものだ。7月にTwitter(X)上で公開されたオリジナル漫画『目からビームの出る女の子のマンガ』(BITCH’sBEAM&THENASTYUFO)は、切実なテーマも含みながら、タイトル通りの“目からビームが出る女の子”=イーディの活躍を楽しめる、痛快な一作だ。
本作を手掛けたのは、学生時代はゲームクリエイターに関心を持っていたものの、本格的なゲームはチームで作ることを知り、「漫画なら一人で描けて最高だ」と考えて筆を取ったというウレイさん(@ureixxx)。ハードボイルドなセリフ回しがしびれる本作がどのようにして生まれたのかなど、話を聞いた。(望月悠木)
■映画『ワイルドゼロ』にインスパイアされて
――『目からビームの出る女の子の漫画』を制作した背景を教えてください。
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ウレイ:実は結構前に描いた作品なんですよね。当時は「映画の『ワイルドゼロ』みたいな漫画を描きたいな」と思っていました。ロックバンドの『ギターウルフ』主演で、ロックンロールでゾンビとかUFOを倒す映画です。僕はガレージパンクが好きなんですけど、『ワイルドゼロ』のサントラは90’sガレージの優秀なコンピレーションになっていて最高なんですよね。
――“目からビームが出る女の子”という設定はどのようにして思い付いたのですか?
ウレイ:まず小学生男子がふざけて描いたラクガキみたいなものをイメージしてます。ビームにせよUFOにせよ、作者がふざけて適当に描いた漫画に見えるようにしたくて。
――登場人物はどのように作り上げましたか?
ウレイ:最初は主人公は友達をモデルにしたのですが、描いてるうちに中身が全然違っちゃいました。僕は女性の気持ちや内面を描くことが苦手なので、中身は男性っぽくなりました。
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――爽快感と疾走感のある展開が面白かったです。
ウレイ:「疾走感は出したいな」と思っているのですが、爽快感についてはあまり考えていなかったです。「なるようになるだろ、知らんけど」って感じでノリで描いてました。人生って行き当たりばったりでいいんですよ。
――セリフ回しがハードボイルドでしびれました。セリフ選びで意識したことは何ですか?
ウレイ:こういう台詞って僕は素のまま書けるので楽ちんなんです。皮肉を言い合ったりとか、洋画の吹き替えっぽい感じが好きなんだと思います。漫画だと『コブラ』とかから影響受けているかもしれません。
――背景などにオレンジ色が使用されていました。他のウレイさんの作品でも作画内に一色だけ色を加えていますが、このような色使いを始めたキッカケは?
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ウレイ:Twitterなどでこういう描き方の漫画をよく見かけていたのでパクりました。一色だけ加えるのってローコストですごい見栄え良くなって最高だなと思って。以前、本作を白黒で出した時には全然読んでもらえなかったんですけど、これをやったらいろんな人に読んでもらえて嬉しかったです。なんでも試してみるもんですね。失敗したら消しちゃえばいいんだし。
――今回、オレンジ色にした理由は?
ウレイ:色自体は適当ですよ。一応物語のトーンに合わせて感覚で選んでるんですけど、ほとんどサイコロを転がして決めているのと同じです。
――最後に今後の予定など教えてください。
ウレイ:9月に開催される『コミティア145』に出展します。新作を描くと思うので、コミティアに来られる人はぜひお立ち寄りください。ただ、ネットでも無料で読めるようにもするつもりなので、紙の本として手元に置いておきたい人以外は買わなくても大丈夫です。紙の本だとモノクロですし。
(取材・文=望月悠木)
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