信号が動いていない交差点で、全身シルバーのパフォーマーが交通整理(南ア)<動画あり>

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2023年08月06日 18:41  Techinsight Japan

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南アフリカ、ヨハネスブルグで信号が動いていない交差点にやってきたパフォーマー。彼らは「地域社会を助けたい」として活動している(画像は『News24 2023年7月28日公開 YouTube「WATCH | When Johannesburg’s robots are out
電力不足が続く南アフリカでは、計画停電が一日に数回行われる。一回の計画停電は2時間から4時間半ほどかかり、その間は主要な信号機以外には電力が供給されない。渋滞が予想される交差点では交通警察官が交通整理をするが、交通警察官のいない場所に全身シルバーのパフォーマーが登場し、市民を助けてくれると話題になっている。南アフリカのニュースメディア『News24』などが伝えた。

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信号が動いていない交差点に現れるのは、“シルバーロボット”に扮したブクムジ・マシンガさん(Bhukumuzi Masinga)、トゥラニ・マラングさん(Thulani Mahlangu)、ジャマ・ムポフさん(Jama Mpofu)の3人だ。シルバーロボットは、顔や服も全身をシルバー一色にして、人通りの多い路上で銅像のようにじっと立っているが、お金を渡すと突然動き出す。その動きがコミカルなこともあり、観光地で見かけることも多い。マラングさんによると、シルバーロボットになるまでおよそ30分、時には1時間かかるそうだが、肌に塗ったものを落とすのは簡単で、風呂場で2分もあれば元に戻るそうだ。


ニュースメディア『News24』が彼らを取材した時、3人のシルバーロボットはヨハネスブルグのハイド・パーク・コーナー(the Hyde Park Corner)にある交通量の多い交差点で交通整理をしていた。シルバーロボットの一人、ムプマランガ州出身のマシンガさんは、2006年からパフォーマーとして生計を立てている。電気技師見習いでもあるが、その仕事がない時間はシルバーロボットとして交通整理をしているという。マシンガさんは以前、信号が動いていない時に交差点で喧嘩している人を度々見ており、「自分がここで交通整理をすればいい」と思ったそうだ。彼は「ケンカや怒鳴り声も何もない。みんなが安全であること、それが私の一番の望みです」と述べている。


また、もう一人のパフォーマーであるムポフさんは、「シルバーマン(Silver Man)」というFacebookページで日ごろの活動を紹介しているが、シルバーロボットに徹しているのか、多くを語ることはなかった。

3人がいつも同じ場所にいるわけではないため正確には分からないが、停電により信号が動いていない頻度が減っていると感じているそうだ。しかし通常の計画停電であれば2時間ほどで電気は復旧するが、中にはまったく機能しない信号機もある。今回の交差点も全く復旧せず、3人はほぼ丸一日かけて交通整理をすることになった。マラングさんは「交通量の多い交差点では安全とは言えないので、私たちの活動を好まない人もいます。それでも評価してくれる人もいるので、とてもうれしく思っています」と語り、「地域社会を助けたいんです」と本当に楽しんでいる様子だ。また運転手からチップなどを得る機会も多いそうで、それもパフォーマーとしての活動を続ける意欲につながっているようだ。



画像は『News24 2023年7月28日公開 YouTube「WATCH | When Johannesburg’s robots are out, these robots keep traffic flowing」』のサムネイル、『News24 2023年7月27日付「WATCH | When Joburg’s robots are out, these robots keep the traffic moving」(William Brederode)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)

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