パスポートチェックで「ミリ単位」の指摘 1年かけて準備したバカンスが台無しに(英)

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2023年08月12日 14:41  Techinsight Japan

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1年前からタイ旅行を計画していた母と娘。パスポートのある指摘で飛行機に乗れなくなってしまった。しかし別の空港会社ではそのパスポートが認められ、トルコに行き先を変えてバカンスを楽しんだという(画像は『Manchester Evening News 2023年8月8日付「Devastated family’s £7
今月4日、タイのプーケットへ旅行しようとしていたイギリス在住の女性が、出国のため空港職員にパスポートを提示した。ところが顔写真のあるページを見た職員が小さな欠陥を指摘し、有効なパスポートとして認められず飛行機に乗ることができなかった。100万円以上かけて準備してきた念願の旅行に行けず、女性や同行者は大きなショックを受けたという。英ニュースメディア『Manchester Evening News』などが伝えた。

英グレーター・マンチェスター北東部オールダム在住のスザンヌ・シニアさん(Suzanne Senior、55)は、夫のスティーヴンさん(Steven)、娘のベサニーさん(Bethany、24)、そしてベサニーさんの恋人と共にタイのプーケットでのバカンスを計画した。航空券や滞在費など7000ポンド(約128万円)を掛け、一生に一度の贅沢な旅行として楽しみにしていた。

出発日の今月4日、4人は荷物を持ってマンチェスター空港に向かい、チェックインを済まそうとした。予約したカタール航空のカウンターで職員はパスポートなどを確認し順調に進んでいたのだが、ベサニーさんのパスポートをチェックした職員が「このパスポートは受け入れられません」と驚きの発言をした。

職員は、ベサニーさんのパスポートの名前や顔写真など個人情報が載っているページの端が小さく裂けていることに気付いたのだ。のちに公開された写真には、1センチにも満たないような裂け目が確認できるが、これだけでもパスポートが破損しているとみなされ、飛行機への搭乗が認められなかった。

パスポートの再発行などは間に合うはずもなく、ベサニーさんが飛行機に乗れないことは確定してしまった。大枚をはたいて準備してきた旅行だったが、娘だけ置いていくことはできず、スザンヌさんとスティーヴンさんはベサニーさんと残ることに決め、ベサニーさんの恋人が1人でプーケット旅行へ向かうことになった。

スザンヌさんは「本当にショックでしたよ。この1年間、プーケット島内を調べたり、ゾウを見に行く計画を立てたりして楽しみにしていたんです」と、念願の旅行だったことを話す。このまま自宅に戻りたくなかったスザンヌさんは、約5000ポンド(約91万円)を支払い、他の航空会社を利用して行先をトルコに変えた。こちらのチェックインではパスポートの破れを指摘されることはなく、親子3人でトルコへ向かったそうだ。

「パスポートの裂け目は、小さすぎてほとんど見えませんでしたよ。ミリ単位のものでしたし、これを見た多くの人が問題ないと言っていました。なぜ受け入れられなかったのか分かりません」とスザンヌさんは納得がいかない様子で当時を振り返った。

トルコでの滞在を楽しんでいる様子のスザンヌさんたちだったが、現在はキャンセルとなってしまったタイへの航空券などの費用を、旅行保険でカバーしてもらおうと連絡を取っているという。

イギリス政府のウェブサイトでは、パスポート損傷の詳細について「個人情報や特記事項ページが読み取れない場合」「ラミネートが剥がれている場合」「表紙や裏表紙、または個人情報ページが切り取られている場合」「水や化学物質、インク、破れ、裂け目、噛み痕などによる損傷がある場合」など多くの項目が挙げられているが、定義として“損傷により身分証明書として使用できない状態のもの”とされている。

この定義からすると、今回のベサニーさんのパスポートには小さな裂け目があったものの、個人を特定する写真や名前の確認はできたように思える。別の航空会社では同じパスポートで国際線に搭乗できているので、大きな不備はなかったはずだ。

ベサニーさんのパスポートを受け入れなかったカタール航空は、「当社はすべての人が問題なく目的地に入国して旅行を楽しめるよう、世界各国の政府の関連ガイダンスに従っています。ラミネートの剥がれやページの欠落、破れ、特に個人情報が記載されたページにこのような損傷がある場合、パスポートは無効であるとみなされる可能性があります。渡航前に必要書類などがきちんと揃っているか、確認することをお勧めします」とコメントを公表している。

また同航空会社は「ご迷惑をお掛けしたことを非常に申し訳なく思います」と詫びつつも、「渡航前に正しい書類を用意するのは旅行者の責任です」とも述べており、今回の件でいかなる責任も負わず、払い戻しなどもしないとしている。

今回は厳しいチェックとなったが、2019年には英ケント州のドーバー港にて、58歳の女性が娘のパスポートでセキュリティチェックを難なく通過し、出入国管理の甘さに疑問の声が相次いでいた。

画像は『Manchester Evening News 2023年8月8日付「Devastated family’s £7,000 Thailand holiday ruined by tiny passport flaw」(Image: Suzanne Senior)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)

このニュースに関するつぶやき

  • 海外で更新したパスポートは「規格外」になることがあるのよんw 昔、香港で更新したパスポートのお陰でドイツのイミグレで別室に連行されましたわw
    • イイネ!3
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