50頭のヒヒの群れを狙ったヒョウ、集団の容赦ない攻撃で退散（南ア）＜動画あり＞

南アフリカのクルーガー国立公園で、ヒヒの群れを1頭のヒョウが襲った。ところが狩猟は思惑通りにはいかず、ヒョウはオスの集団に攻撃され尻尾を巻いて逃げ出す羽目になった。当時の衝撃的な動画とともに、アフリカの野生動物専門サイト『Latest Sightings』などが伝えた。

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野生動物の宝庫と言われるクルーガー国立公園で、オスのヒョウが約50頭のヒヒの群れを襲う様子が捉えられた。

カメラを構えていたのはリッキー・ダ・フォンセカさん（Ricky da Fonseca、30）で、その日の朝にはライオンに遭遇し、夕方に公園の管理本部があるスククザから、別のサファリツアーに参加していた。

リッキーさんがヒョウを目撃したのは、多くの観光客がブランチや午後の軽食に立ち寄るツォクワネ・ピクニック・サイトの南側で、当時は道路に数台の車が停まっていた。

リッキーさんは当時のことをこのように振り返る。

「車を道路の端に寄せると、道路脇にオスのヒョウがゆっくりと歩いているのが見えたんだ。それでもっといい角度から写真を撮ろうと車を移動すると、先方の道路で遊ぶヒヒの群れに気付いた。それを見てテンションが上がったよ。」


リッキーさんは群れがかなりの大きさだったため、「あのヒョウにヒヒを襲う勇気はないだろう」と高を括っていたが、ヒョウはその後、思わぬ行動に出たという。

なんとヒョウは、道路脇の草むらに身を隠し、ヒヒの群れに忍び寄っていったのだ。そしてヒョウが群れに近づくにつれ、リッキーさんらの期待も高まり、その場は緊張に包まれた。

するとその直後、ヒョウは突然、草むらから飛び出し、全く警戒していなかった群れの1頭を捕えようと猛ダッシュした。しかしヒョウに気付いた群れは素早く反応し、ヒヒは次から次へとヒョウに襲い掛かった。

動画では、群れに向かって走るヒョウに、大きなオスのヒヒが飛び掛かり、腹を見せたヒョウの上に次々とヒヒたちが飛び乗っていくのが見て取れ、その場は修羅場と化している。


そしてリッキーさんはその瞬間のことを「ヒヒは集団で襲い、ヒョウをなぎ倒した。そして多数で囲んで優勢を保ち、叫び声を上げて噛みついた。全く容赦しなかったね」と興奮冷めやらぬ様子で語っていた。

ちなみにリッキーさん同様、ヒヒの襲撃を目の当たりにし、より近距離での撮影に成功したメルヴェ・メルシンリギルさん（Merve Mersinligil、38）は、当時のことをこう表現している。

「ヒョウが群れを襲った瞬間、メスは若い個体を守ろうとより後方へと走っていったわ。一方でオスは、攻撃モード全開で、群れのボスと思われる個体が襲撃をリードしていた。そしてまるでラグビーのタックルのようにヒョウに飛びつき、噛みつき、殴りかかり、まるで『これが人生最後の日』という勢いで叫んでいたの！」


なおリッキーさんは最後に「あの瞬間、何か非常に特別なことを目撃していることに気付き、勝負の行方を固唾を呑んで見守っていた」と明かすと、この闘いの結末についてこう述べた。

「幸運なことにその後、ヒヒが攻撃を緩め、ヒョウはあざや切り傷を負いながらも逃げることができた。確かに言えることは、ヒョウは体よりもずっと、自我が傷ついたということだろうね。」



画像は『Latest Sightings　2023年8月15日公開 YouTube「Leopard has all-out Brawl With 50 Baboons - Different Angle」』のサムネイル、『Latest Sightings　2023年8月15日付「Leopard has all-out Brawl With 50 Baboons - Different Angle」』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　A.C.）