【推しの子】4週限定の番外編がスゴかった 本編休載の不満を読者に抱かせない、横槍メンゴの手腕

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2023年09月08日 10:10  リアルサウンド

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【推しの子】アイ 1/7スケールフィギュア(KADOKAWA/グッドスマイルカンパニー)

 大ヒットを続け、アニメ第2期の詳細が待たれる人気漫画『【推しの子】』(原作:赤坂アカ/作画:横槍メンゴ)。番外編となる短編『【推しの子】-interlude-』の最終回となる第4回目が9月7日発売の「週刊ヤングジャンプ」に掲載された。


(参考:【写真】推さざるを得ないクオリティの『【推しの子】』星野アイ、1/7フィギュアをさまざまな角度から


 「週刊ヤングジャンプ」&漫画アプリ「少年ジャンプ+」で連載中の『【推しの子】』は、若くしてこの世を去った天才アイドル・星野アイが残した双子の兄妹(アクア/ルビー)が芸能界に入り、事件の真相に迫っていく物語。転生ファンタジーであり、サスペンスであり、ラブコメでもタレントのサクセスストーリーでもあるジャンルレスな本作はアニメ化で大ブレイクを果たし、連載も佳境を迎えて大きく盛り上がっている。


 そんななか、「週刊ヤングジャンプ」8月10日発売号より、4週分の休載期間が設けられていた。これは原作を手がける赤坂アカ氏の体調不良により大事をとったもので、約1ヶ月、本作が読めないことについて読者も納得したはずだが、同時に、その間は4号連続で作画担当の“横槍メンゴ視点”で描かれる短編『【推しの子】-interlude-』が掲載されると発表されたのだ。


 ファンがこれを喜んだのは、休載期間も『【推しの子】』に触れられるというだけでなく、横槍メンゴ氏自身『クズの本懐』をはじめとするヒット作を持つ実力派の漫画家であり、普段と違う視点の良質な物語が楽しめるという期待もあってのことだった。加えて、横槍メンゴ&赤坂アカのふたりは友人関係でもあり、『【推しの子】』という作品について「原作」「作画」という立場を超えて多くを共有しているという安心感もあっただろう。


 そして発表された『【推しの子】-interlude-』は、人気キャラクターたちを掘り下げ、作品の世界観を深めるものになっていた。最新の第4回についてはネタバレを控えるが、第3回までは、以下のメンバーがフィーチャーされている。


※以下、『【推しの子】-interlude-』のネタバレを含みます。


 第1回は「MEMちょ」。アイドルグループ(新生)B小町のメンバーのMEMちょは、もともと人気インフルエンサーであり、その印象的な名前からも奔放なキャラクターに思えるが、実は家族のために「アイドルへの夢」を一度は犠牲にした苦労人であり、周囲を気遣える優しさも持った人物だ。キャッチーな存在感はあるが、本編でフォーカスが当たるエピソードが必ずしも多いとは言えず、今回の短編は彼女を推すファンにとって、その内面が覗ける貴重な回になっていた。


 第2回は「鳴嶋メルト」。言葉を選ばずにいえば、当初は“顔がいいだけの軽薄なタレント”に見えたメルトだが、そこから大きく成長し、いまでは多くのファンに愛されるキャラクターになった。「天才」が多く登場する本作のなかにあっては共感しやすい存在で、今回の短編でもそのサクセスストーリーの一端を垣間見ることができた。


 そして第3回は、アイやルビーを除いて“2大ヒロイン”ともいうべき、有馬かな&黒川あかねが登場。役者としても、アクアに思いを寄せる女性としても、ライバルといえるふたり。元天才子役だったかなの姿を見て俳優を目指したあかねはもちろん、かなも天性の舞台俳優であり、形式的なものとは言えアクアと“恋人関係”にあったあかねをバチバチに意識しており、その関係性が掘り下げられるエピソードはまさしくファンへのご褒美だった。


 いずれにしても、『【推しの子】-interlude-』のおかげで、ファンは休載期間をストレスなく乗り越えることができた。「本編じゃないし」とスルーしていた読者は、アプリ「ヤンジャン!」、または「少年ジャンプ+」でも読むことができるので、ぜひチェックしよう。


(小原良平)


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