東京都で卵子凍結に関する助成がスタート。企業への支援も【定例記者会見ママ向けレポート】

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2023年09月21日 13:00  ママスタセレクト

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(東京都提供)

将来、子どもを持ちたいと思いつつ仕事との両立の難しさから出産を迷うママたちもいます。将来的には子どもを持ちたいと望む女性も卵子凍結を行うことで、将来に向けての妊娠、出産計画が立てやすくなるでしょう。

東京都では、将来の妊娠に備える選択肢の一つとして、2023年9月25日から卵子凍結と、凍結卵子を使用した生殖補助医療、さらに卵子凍結の制度を受けやすくする環境づくりのために企業に対する助成事業などを開始。その詳細についてお知らせします。

卵子凍結費用の助成。対象となるのは?



卵子凍結は、加齢等による妊娠機能の低下を懸念する場合に行うものです。卵子凍結を行う場合、多額の費用が必要になるため、活用したいと思っていても二の足を踏んでしまう……そんな女性も多いのではないでしょうか。

東京都では、卵子凍結手続きに必要な費用の一部を助成することとなりました。

対象者:東京在住の18歳から39歳までの女性(採卵を実施した日における年齢)
助成内容:20万円を上限とし、次年度(凍結後の年度)以降については1年当たり2万円を最大5年間助成(合計最大30万円)
条件:都の実施調査への協力と説明会への参加。説明会の受付は2023年9月25日(月)から開始

凍結卵子を使用した生殖補助医療の助成


もう1つの支援は、「凍結卵子を使った生殖補助医療費用の助成」です。この制度では、卵子凍結した卵子を使った不妊治療法の費用の一部が助成されます。卵子凍結費用の助成とは年齢制限が異なり、助成対象となるのは妻の年齢が43歳未満の夫婦(事実婚含む)です。

対象者:「妻」が43歳未満の夫婦で、凍結卵子を使用した生殖補助医療を受ける方
助成内容:1回につき上限25万円(最大6回まで)
(ただし、「以前に凍結卵子を融解し作成した凍結胚」を胚移植する場合は1回につき上限10万円)
※初めて助成を受けた際の施術開始日において、妻の年齢が40歳未満であれば6回まで、40歳以上であれば3回までを助成回数の上限とする。
申請受付:2023年10月16日(月)から受付開始
なお、「卵子凍結にかかる費用への助成」と「凍結卵子を使った生殖補助医療費用の助成」における登録医療機関は、ともに10月16日(月)に公表される予定です。

企業向け支援で卵子凍結を受けやすい環境づくり




(東京都提供) (東京都提供)

今回の東京都からの発表の中でも注目したいのが、卵子凍結に関して、企業も支援が受けられること。女性が働いている場合、卵子凍結の治療を受けるために何度も会社を休まなければいけないことがあります。人によっては休みが取りにくいなどの理由で退職を余儀なくされる場合も。

今回の企業への支援内容は、休暇制度などの整備に20万円、福利厚生制度の整備に40万円(加算)です。これによって企業で社内制度が進み、かつ卵子凍結への認知が広がることで、働きながら治療を受けやすい土壌が育っていくことが期待できそうですね。企業への支援については、事前エントリー受付が9月22日に開始となります。

卵子凍結の支援をスタート。小池百合子都知事のメッセージ


小池百合子東京都知事は会見で、次のように思いを伝えました。
『実際に子どもを持ちたいという希望を多くの方が持っておられる。しかしながら、妊娠出産のタイミングについて悩む女性がいるのは事実だと思います。東京都ではその選択肢をバックアップすることで人生での選択をさまざまな形でできるように後押しをしていきたいという思いがあります。
凍結する時期と実際にそれを活用する時期に時差が出ることはあるとしても、「ああ、あのときにやっておけばよかったな」という思いを少しでも減らしたい。シームレスな人生においていくつかのライフステージがある中で、too late(遅すぎる)にならないような仕組みをこれからも考えていきたいと思っています』(編集部にて一部補足)
現在、卵子凍結についての正しい知識を提供するためのシンポジウムも実施中。卵子凍結を考えている女性はもちろんのこと、パートナーとも一緒に参加してみるといいかもしれません。また企業でも卵子凍結についての理解と支援が増えていくことで、子どもを持ちながら働きやすい環境づくりが整ってくるといいですね。

文・間野由利子 編集・編集部

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