Appleは9月22日発売予定の「iPhone 15」シリーズの充電や、他のデバイスへの給電方法について案内している。
9月19日に公開された日本語のページ(iPhone 15 の USB-C コネクタで充電および接続する)では、まずUSB Type-Cが広く普及した規格であることに触れ、充電、データの同期、オーディオやビデオの再生に対応している点を挙げている。
●iPhone 15シリーズをUSB Type-Cケーブルで充電する方法
基礎的なところではあるが、USB PD(USB Power Delivery)などの規格に準拠したUSB Type-Cケーブルを、iPhone本体の外部接続ポートにつなぐと、iPhoneの充電が可能だ。USB Type-CケーブルはiPhone 15シリーズに付属するが、コンセントに接続するACアダプターは別途用意する必要がある。
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Appleによると、20W以上のUSB Type-C対応ACアダプター(Macに付属するタイプ)を使えば、iPhoneを高速充電できるという。電源をMacなどのPCで賄うことも可能となっている。
●iPhone 15シリーズをiPad、Mac、その他のPCに接続する
iPhone 15シリーズをUSB Type-CケーブルでiPadやMacなどのPCに接続し、写真や動画などのデータを転送することも可能だ。接続中はiPhoneの充電も行える。iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxは、USB 3.0以上に準拠するUSB Type-Cケーブル(別売り)を使用した場合、最大転送速度は10GbpsかつUSB 3.2 Gen 2に対応するという。
●iPhone 15シリーズから他のデバイスへ給電可能に
今回、最も注目したいのは、iPhone 15シリーズから他のデバイスに給電できる点だ。iPhone 15でAirPods、Apple Watch、USB PD対応の小型デバイスを最大4.5Wで充電できる。iPhone本体の外部接続ポートとこれらのデバイスをUSB Type-Cケーブルで接続するだけで済む。
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「Apple USB-C - Lightning ケーブル」を利用すると、iPhone 15シリーズからLightning端子に対応する他のデバイスへの給電が可能になる。iPhone 15シリーズで充電したいデバイスがApple Watchの場合は、「Apple Watch 磁気急速充電 - USB-C ケーブル」を利用できる。
なお、テック系YouTuberのマルケス・ブラウンリー氏が実機を使った検証動画を公開しており、iPhone 15からiPhone 15への給電、iPhone 15からPixel FoldなどのAndroidスマートフォンへの給電も可能という。検証で分かったこととして、同氏は「バッテリー残量の多いiPhone 15からバッテリー残量の少ない他のデバイスへ給電できる」点を挙げているが、Apple公式のWebページには記載のない情報のため、推奨はされていないようだ。
このようなiPhone 15から他のデバイスへのおすそ分けは、全てUSB Type-Cケーブルを用いた動作に限定され、PixelやGalaxyなどの一部製品に搭載されるワイヤレス給電には対応しない。
●USB Type-Cケーブルなどでオーディオ再生が可能
iPhone 15シリーズでオーディオを再生するには、内蔵のスピーカーを使うか、AirPodsなどのBluetooth接続に対応したワイヤレスイヤフォンを利用する、あるいはAirPlay(ネットワーク経由で映像/音声の出力を行える仕組み)を使う。別売りの「新しい EarPods (USB-C) 」など有線接続でのオーディオ再生も可能だ。
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●外部ディスプレイへの映像出力もUSB Type-Cケーブルで可能に
iPhone 15シリーズの画面に表示された画像や映像を、他の外部ディスプレイに出力する場合もUSB Type-Cケーブルが役立つ。ただし、出力先の外部ディスプレイによっては「Apple USB-C Digital AV Multiport アダプタ」などを別途用意する必要がある。
なお、iPhoneはDisplayPort プロトコルで最大解像度4K/60HzのUSB Type-Cディスプレイへの接続が可能だ。
高解像度ディスプレイに接続するには、ディスプレイに付属のケーブルや、別売りの「Thunderbolt 4(USB-C)Proケーブル」など、USB 3.1以上に対応したUSB Type-Cケーブルが必要となる。
その他、iPhoneはハイダイナミックレンジのディスプレイにも対応する。SDRモードとHDR モードの切り替えが可能で、「設定」→「画面表示と明るさ」の順に選択し、接続先のディスプレイを選択する。「ディスプレイモードの変更を許可」がオンになっている場合、フレームレートとダイナミックレンジは、再生中のコンテンツに合わせて調整される。
出力先のディスプレイのポートがUSB Type-Cではなく、HDMIの場合は「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」「Belkin USB-C to HDMI Adapter」が必要になる。HDMI 2.0対応のアダプターや、ケーブルを利用することで、iPhoneから解像度 4K/60Hzで映像を出力できる。
●外部ストレージなどをiPhone 15シリーズに接続可能
ここまで、充電、オーディオ再生、映像出力について整理したが、その他にどのようなアクセサリーをiPhone 15シリーズに接続可能なのかをまとめる。Appleの公式ページには、具体的なデバイスについて、次のように記載されている。
・CarPlay 対応の自動車
・外付けのストレージデバイス
・モニタと外付けディスプレイ
・マイク
・外付けバッテリーパック
・USB - Ethernet アダプタ
・SD メモリーカード (SD カードアダプタを使用)
なお、外部ストレージについての注意点にも触れておきたい。
iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro MaxでUSB 3.0以上に準拠するUSB Type-Cケーブルを利用した場合、USB 3.0でのデータ転送に対応する。iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxでは、最大4K/60 fpsでProResビデオを外部ストレージデバイスに直接録画することも可能だ。
●USB Type-C規格に準拠していないデバイスやケーブルは?
Appleによると、USB Type-Cに準拠していないデバイスやケーブルは、正常に機能しない場合があるという。
また、USB Type-Cのアクセサリーやケーブルが、ワイヤレス接続に干渉する可能性があるという。万が一、USB Type-Cアクセサリーの使用中にWi-Fiまたはモバイルデータ通信が低速化する場合、アクセサリの接続を外せば、パフォーマンスが正常に戻るとのことだ。Appleでは、今後の干渉を防ぐために、アクセサリーを使い終わったら接続を外すか、干渉を最小限に抑える仕様の「Thunderbolt 4 (USB-C) Pro ケーブル (1 m) 」など、別のケーブルを使うよう呼びかけている。
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