ジブリが日本テレビの子会社化を発表、鈴木敏夫プロデューサーが後継者問題を語る

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2023年09月21日 17:44  コミックナタリー

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鈴木敏夫プロデューサー(左)と、日本テレビ代表取締役会長執行役員の杉山美邦氏(右)。
日本テレビがスタジオジブリの株式を取得し、同社を子会社化することが明らかに。本日9月21日に東京・スタジオジブリの第1スタジオにて、記者会見が行われた。

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この日の会見には、スタジオジブリから鈴木敏夫プロデューサー、代表取締役社長の中島清文氏、日本テレビから代表取締役会長執行役員・杉山美邦氏、取締役専務執行役員・福田博之氏が参加。まずは鈴木プロデューサーが「本日は緊急に来ていただいてありがとうございます。大事なお話なのでちゃんとお伝えしようと」と会見に集まったマスコミ陣に感謝を述べながら、子会社化に至った経緯について説明を行った。「宮崎駿も僕も出会って45年の付き合い。皆さん今後のジブリがどうなっていくのか気になっていると思います。僕自身もすごく悩んできました。ものづくりをする一方で、会社を経営しないといけない」と、長らく後継者問題に悩んできたと明かした。

そして、「今後のジブリを誰に頼んだらいいのか」という問題とも向き合ってきたという鈴木プロデューサー。「宮崎駿の長男である吾朗くん、彼にすべてを託そうとしたんですが、彼から『自分が1人でジブリを引き受けるのは難しい』という意見が出てきました」と、ジブリの経営を任せられる存在を探す話し合いが行われてきたと述べる。「そこで考えたのが、個人ではなく大きな会社の力を借りること。そうしないとジブリもジブリで働いている人たちも安心して働けない」とし、日本テレビに経営を託す選択をしたと語った。

ジブリと日本テレビの関係は長く、1985年に「風の谷のナウシカ」をテレビ初放送して以来「金曜ロードショー」を通じてジブリ作品を放送し、長年にわたってジブリと歩みをともにしてきた。鈴木プロデューサーは「ジブリの経営の部分を日本テレビさんにあずけて、僕らは作品作りに専念する。虫のいい話ですけど、幸いなことにそれを引き受けてくださることになった」と、日本テレビに対する信頼を語る。また杉山氏も「日本テレビとジブリは長いお付き合いになります。特に『金曜ロードショー』では視聴者からの非常に高い支持を受け、我々も非常にプラスになってきた」とジブリとの良好な関係について述べながら、「私どもも鈴木さんたちの提案を真剣に受け止めて、ジブリがこれまで以上にアニメ作りや事業を円滑にできるよう、最大限支援してきたいと思います」と全面的にサポートしていく姿勢を明かした。

また子会社化により日本テレビのジブリ作品への関与については、杉山氏が「今のジブリのアニメ制作体制を最大限尊重していきたい」とコメント。さらに「これだけの作品を作ってきたジブリに何か物申すというのはできない。間違ってもジブリファン、アニメファンをがっかりさせることはしません。これはお約束させていただきます」と力強く語った。

会見ではマスコミ陣からの質疑応答も行われた。まず、今後のジブリのアニメ制作の構想について質問を受けた鈴木プロデューサーは「宮崎に続く有望な監督を育成することとの困難さを知りました」と、先ほども話題にあがっていたジブリの後継者問題を語る。「『君たちはどう生きるか』を客観的に観ると、これと同じレベルのものを要求されても若い人は作れない。それを強く感じました」と率直な心境を吐露。さらに「作品作りには、宮崎や高畑(勲)のような作家性を尊重する方法と、企画から考えるやり方がある。ジブリはその2つの考えでやってきたけど、人材の育成はサボってきました。宮崎は人材の育て方が下手ですね(笑)」と続け、「ジブリは映画しか作らない会社。でも若い人材を育成するために必要なのはTVシリーズ。宮崎も高畑もずいぶんTVシリーズをやってきた。そういう意味では、新しい人が来ることで変わっていくこともあると思ってます」と、今後のジブリの方向性についても触れた。

また最新作「君たちはどう生きるか」についての質問も。鈴木プロデューサーは宮崎監督が同作の興行成績を、かつてないほど気にしていると明かし、「なぜかというと、もし支持してくれる人がいるなら、新しい企画を考えてもいいと言ってる。そんな心境であるのは間違いないですね」と述べる。記者から宮崎監督の今後の作品の構想について追求されると、鈴木は「内緒です(笑)。宮崎は引退宣言を繰り返してきましたけど、企画だけじゃなくて本当は全部自分が作りたいんですよ。やれるものなら死ぬまでやりたいんだと思います」と語った。

さらに「君たちはどう生きるか」の成績について話が及ぶ場面も。「おかげさまで採算は取れました。僕自身は難しいと思っていたけど、7年かけてがんばった分を回収する方法があると証明できた」と鈴木プロデューサーは強い手応えを感じていた様子だ。特に日本以上に海外からの注目が高いことを語り、「その原因は、多分タイトルだ思っていて。『少年とサギ(THE BOY AND THE HERON)』にしたんですが、多分このほうがお客さんが来る(笑)」と述べ、笑いを誘った。なお子会社化後のスタジオジブリの新経営体制では、宮崎監督が取締役名誉会長に。鈴木プロデューサーは代表取締役議長、宮崎吾朗監督は常務取締役となる。

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