カラフルな義眼着ける右目失明の女性、1個十数万円「指輪を集めている感じ」 星空モチーフ、瞳孔に「EYE」…前髪で目を隠した日々

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2023年09月22日 07:00  まいどなニュース

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「EYE」と書かれた義眼を装着するりぶさん。ネイルも義眼の色に合わせておしゃれを楽しんでいます(いずれも提供写真)

片目が失明しています―。SNS上に自身の目の状況を赤裸々に明かし、カラフルな義眼を着ける女性がいる。子どもの頃にけがで右目が見えなくなり、白く濁っている。「見た目のことでキモい、怖い、という言葉を飽きるほど言われてきました」と女性。個性的な義眼に憧れたのをきっかけに、今では自分で製作するまでに。1個十数万円ほどする義眼を、女性はこう例える。「きれいな指輪を集めている感じ。やっと、なりたい自分になれました」

【動画】義眼って痛くないの?装着の様子はこちら

バイト面接で罵詈雑言

名古屋市在住で、X名リブさん(29)。子どもの頃から見た目で怖がられることが多く、右目に眼帯をしたり、前髪で隠したりして過ごした。ショックだったのは、ホテルのアルバイト面接。顔を合わせた瞬間、相手の表情が強張った。「格式高いホテルなのに醜い顔で来るなんて…と罵詈雑言を浴びせられました。見た目で断られることはよくあったけど、つらかったですね」と振り返る。

目のコンプレックスはあり、義眼の存在は知っていた。でも、20歳の時に初めて着けると、違和感を持った。ごく普通の義眼。「どうして周りの人と同じ目に合わせなきゃいけないの?と思ったんです。個性を大事にしたいなって」。そんな時、中学の時に見たアメリカ映画「ラスト・アクション・ヒーロー」の登場人物を思い出した。ニコちゃんマークに、炎のような真っ赤な目…。シーンごとに変わる義眼にかっこよさを感じた。ただ、どこの義眼製造会社に問い合わせても、一般的なタイプしかない。「カラコンっぽい色もありませんでした。福祉の世界はおしゃれが難しいなって…」

他人のウケより自分のウケ

ネットや文献の中で情報を集め続け、つてを辿り、対応してもらえる技師を見つけたのは2020年。星空をモチーフにした義眼を頼んだ。完成した義眼は、約2センチの歪んだ半球型で、裏側は凹んでいた。全体に星空が散りばめられ、中心にはキラッと光る大きな星が1つ。目を覆うように被せて鏡を見ると、なりたい自分になり、うれしさがこみ上げた。

ブラックライトで青色に光らせたり、鳥の目の色合いにしたり…。蛍光オレンジを背景に「EYE」の文字を入れた義眼では、ネイルも同じ色にして遊ぶことも。今では技法を学んで自分で作り、10数個の義眼を持っているという。SNSに写真を投稿すると、いい反応がある一方で、今でも心無い言葉が並ぶ。でも、リブさんは明るく跳ね返す。「他人のウケより自分のウケです」

※写真では左目に義眼を着けているように見えますが、インカメラで撮影して反転させているそうです。

(まいどなニュース・山脇 未菜美)

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このニュースに関するつぶやき

  • 公私をきちんとわけて装着する眼を選ぶのであれば大変面白いと思う。普通の眼がある人には出来ないオシャレじゃな。
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