
「REALFORCE(リアルフォース)」というブランドのキーボードをご存じでしょうか。キーボードにもかかわらず、安いモデルでも2万円台、フラッグシップモデルになると3万円以上もする高級キーボードです。そこまで高価なキーボードを使用するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
本記事では、REALFORCEのキーボードを実際に使っている筆者の感想と、人気を二分するブランド「HHKB(Happy Hacking Keyboard)」のキーボードとの違いを紹介します。購入を検討している人は参考にしてください。
●REALFORCEとは
REALFORCEは、電子機器の製造開発などを行うメーカーである東プレが販売しているキーボード。元々は、正確な入力を求められる金融業界などの業務用キーボードのOEM開発を行っており、2001年に一般向けのキーボードブランドとして、REALFORCEを立ち上げました。打ち心地や耐久性などにこだわるユーザーから、多くの支持を集めています。
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●REALFORCEのキーボードは何がすごい?
REALFORCEのキーボードのもっとも素晴らしい点は、タイピングのしやすさでしょう。REALFORCEのキースイッチには「静電容量無接点方式」が採用されています。これはキースイッチが電極に接するのではなく、一定レベル押し下げられるだけで押下を認識するものです。
物理的な接触がないため、一般のキーボードにありがちな「一部のキーが強く押さないと反応しない」「経年劣化で反応しなくなった」といったトラブルが起こりにくくなっています。
どの程度押下すれば認識されるかを、0.8/1.5/2.2/3.0mmの4段階の中から選べる点もメリットです。例えばゲームなどで高速入力が必要な場合は0.8mmにしたり、誤入力を減らすために3.0mmにしたりすることができます。
筆者は、REALFORCEを導入する前に数千円のキーボードを使っていたのですが、腱鞘(けんしょう)炎に悩まされていました。そこで、指に優しいキーボードがないかと探していたところ、REALFORCEを見つけたのです。
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REALFORCEを使うようになってから、腱鞘炎はまったく起こらなくなりました。また、一部のキーが反応しにくいことや、二重入力されてしまうこともなくなったため、入力中のストレスが大幅に軽減されています。REALFORCE独自の“ポスポス”という打鍵感が心地よく、一度使うとほかのキーボードがおもちゃのように感じられるほどです。
●HHKBと比べたREALFORCEのメリット
REALFORCEとよく比較されるキーボードとして「HHKB」があります。HHKBにも静電容量無接点方式が採用されているため、キータッチはほとんど変わりませんが、キー配列などの設計思想が異なるため、高級キーボードの人気を二分しています。
HHKBと比べたREALFORCEのメリットは、キー配列で悩まないことです。筆者が使用している「REALFORCE R3HA31」の大きさは465(幅)×163(奥行)×39(高さ)mmですが、HHKBのサイズは294(幅)×120(奥行)×40(高さ)mmで、HHKBの方がコンパクトです。
コンパクトな分HHKBのキーの配置は独特で、テンキーなどはありません。Fnキーを組み合わせた操作なども独特のため、慣れるまでは大変だという話をよく聞きます。
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一方でREALFORCEは、一般的な日本語配列や英語配列・Mac配列などが用意されているため、キー配列で悩むことはありません。筆者はテンキーや矢印キーなどを多用するほか、キー配列で悩みたくありませんでしたから、HHKBではなくREALFORCEを選びました。
●HHKBと比べたREALFORCEのデメリット
HHKBはコンパクトな分、持ち運びを容易に行えます。自分のキーボードをいつも持ち歩きたいという人にとっては最適なキーボードです。
その点REALFORCEはかなり重く、筆者が使用している「R3HA31」の重さは1.6kgです。HHKBは540〜550g程度のため、REALFORCEはHHKBの実に3倍近い重量にもなります。
テンキーレスのREALFORCEであれば若干軽くなりますが、それでも1.3kgで、いずれにしても気軽に持ち歩けるものではありません。REALFORCEが向いているのは、キーボードをほとんど移動させない人でしょう。
●キーボードを酷使する人におすすめ
REALFORCEのキーボードは静電容量無接点方式が採用されており、非常にタイピングがしやすく耐久性も高いです。価格は2万円台から3万円台と高価ですが、それだけの価値があるといえます。ライターやプログラマーなど、キーボードを酷使する人にはぜひ使ってほしい製品です。