日本Xrealは、9月21日から24日にかけて開催されている「東京ゲームショウ2023」(幕張メッセ)の中で、新型ARグラス「XREAL Air 2」および「XREAL Air Pro」の報道陣向け発表会を行った。会場には、来日したXreal創業者兼CEOのチー・シュー氏も登壇し、新製品や今後の日本での展望について説明した。
●XREAL Air 2とXREAL Air Proの概要
XREAL Air 2は、2022年に発売した「XREAL Air」の後継モデルだ。「これまでより10%軽く、これまでより10%薄い」「より柔らかいテンプル(メガネのツルの部分)」「エアクッションを採用し、より大きくなったノーズパッド」など、ユーザーがより快適に使用できるように改良したという。
本体の重量は約72g、装着時のグラス部の厚みは約19mmになった。テンプル部は柔軟なゴム製になり、スピーカーを上部にも搭載してシネマティックサウンドを実現しつつ、ノイズキャンセリングによって外部への音漏れを大幅に軽減したのが特徴だ。
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使用中に本体から発生する熱は、前面に排出することで不快感を解消した。グラス部とテンプル部の重さを1:1にすることで、柔らかいテンプル部との相乗効果で耳へ負荷がかかりにくい。鼻への負担も軽くなる
スクリーンはソニー製の0.55型Micro OLEDを採用した。光学エンジンはAetherXR 3.0を新たに搭載することで、今まで以上に色彩や暗部のディテールを表現し、視覚の快適性を向上させたという。
視野角は約46度で、明るさは前モデルと比べ25%向上した500ニトだ。リフレッシュレートは倍となる最大120Hz、再現するスクリーンサイズはコントローラーのXREAL Beamとの併用で最大330型となっている。3DoF対応と1920×1080ピクセルの解像度は前モデルと同じだ。
前のXreal Airでも目への安全性が認められた製品にのみ付与される「TUVラインランド」の認証を受けていたが、Xreal Air 2では新たに色再現性でも認証「Color Accuracy」を取得した。1台ごとに工場でカラーキャリブレーションを施しているという
「快適性を追求している」というシュー氏の言葉通り、ユーザーがより快適に利用できるよう改良を進めた。カラーはダークグレーとレッドを用意している。パッケージには本体の他、視力矯正レンズフレーム、3種類のサイズのノーズパッド、USB Type-Cケーブル、ライトシールド、トラベリングケース、レンズクリーニングクロスが付属している。
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接続して表示できる対応端末は、PC、タブレット、スマートフォン、ゲーム機だ。特に発売したばかりの「iPhone 15」シリーズがUSB Type-Cポートを搭載したことで「アダプターなしで接続できるようになった」(シュー氏)という。
予約は9月21日16時から始まっており、価格は5万4980円(税込み、以下同)だ。発売日は10月17日で、前日の16日までの予約であれば先着1000人に5000円相当の特典(2500円のApple Gift Card、グラススキン、レンズフレームクーポン)がプレゼントされる。
周囲の環境に応じて、グラスの明るさを変えられる電子制御の調光機能を搭載した「XREAL Air 2 Pro」も現地で披露されたが、ブース展示は見送られた。
XREAL Air 2 Proの販売価格は6万1980円だが、発売日は未定だ。
●会場内のブースでは新製品の体験も
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現地会場では、新しいXREAL Air 2をブースに体験展示していた。ビジネスデーであるにもかかわらず長蛇の列ができており、ARグラスへの関心の高さをうかがい知ることができた。
今回はポータブルゲーミングPC「ASUS ROG Ally」と接続したXREAL Air 2を体験できた。
確かに前モデルと比べるとテンプル部分が柔らかく、装着時にかけやすいと感じた。装着中の使用感はぐらつかず、ずれることもない。これなら携帯して外出時でも気兼ねなく利用できるだろう。
本体のオープンエアー型イヤフォンについて、東京ゲームショウのような周囲が騒がしい会場にしてはしっかりとゲームサウンドを聞き取ることができた。ただし、低音の質やシネマティックサウンドなどの音の細部に関する評価は難しかったためノーコメントとしたい。
映像に関しては、細かなところまでしっかり見ることができ、「これを使って寝転んでゲームをしたり、動画を見たりしたい」というのが率直な感想だ。
XREAL Air 2は、端末に接続すればディスプレイのミラーリングができるが、バーチャルデスクトップやAR Spaceを使うには、専用アプリ「Nebula」が必要だ。Mac向けにはβ版としてリリースされているが、Windows向けには「近日公開」のまま動きがない。モバイルディスプレイを常に持ち歩く筆者としては、早急に開発していただきたい、と願うばかりだ。
●Xreal創業者の考えるARの今後
「過去15年の間、タッチ操作するスマホがインターネットの発展をリードしてきたが、これからはARの3次元にフォーカスを当てて技術革新が進んでいくだろう」とシュー氏は話す。
「キーボードやマウス、画面などをタッチするのではなく、空間上で制御する。この技術の移行に最低でも5年はかかると思うが、最終的に現実世界とほぼ変わらないメタバースの世界に置き換わるのではないか」と期待を込めた展望を語った。
「新しい市場、革新的な製品であるため、ARグラスの発展には時間がかかっているが、Xrealではコンパクトなボディーサイズ、手に取りやすい価格、快適な装着感で、多くの人に使ってもらえるよう努力している。日常使いしてもらえるデバイスを今後も開発していきたい」(シュー氏)
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