北野武監督最新作『首』(11月23日公開) (C)2023KADOKAWA (C)T.N GON Co. 映画監督・北野武が、日本史の一大事件“本能寺の変”をテーマに、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康・明智光秀ら武将たちの野望、裏切り、運命を壮大なスケールで描く戦国スペクタル超大作『首』が、11月23日より公開される。
【動画】北野ワールド全開の『首』本予告 北野監督自らが“本能寺の変”を策略する羽柴秀吉を飄々と演じ、加瀬亮が狂気をまとう天下人・織田信長を怪演。その織田信長に複雑な感情を抱く明智光秀役を西島秀俊が演じる。
さらに、秀吉を支える軍師・黒田官兵衛役の浅野忠信、秀吉の弟・羽柴秀長役の大森南朋、秀吉に憧れる百姓・難波茂助役の中村獅童。さらに、徳川家康役の小林薫、千利休役の岸部一徳がそれぞれ独自のキャラでなりきっている。
光秀を演じた西島は本作の台本を読んで独特の世界観を感じたという。「生きるか死ぬかの毎日で、首だけになってしまえば、地位も名誉も何もないという無常観。死と隣り合わせの日々の中、滑稽(こっけい)なことと笑った直後に悲惨なことが起きたり…ほかの監督では感じることのできない、北野監督ならではの世界観があった」。
また、信長を演じた加瀬も「北野監督はいろいろな戦いを経てトップに立った方。その中でいろいろ感じたことをあらゆるキャラクターにちりばめていて、それぞれの武将たちに監督の人生を重ねられると思った」というのが最初の印象だったと明かしている。
西島は、『Dolls』(2002年)以来の北野組への参加となった。「急きょ追加になったシーンで大掛かりなセットを組んだのに1カットで終わったことがあった。準備にいくらかけても『ここは撮り切った、もう大丈夫』という判断、切り替えは当初と変わらない。今回も直前で追加になった大掛かりなシーンがあって、すごい労をかけたのですが、ヒキのカットを撮ってすぐ終わってしまう。そういったところに監督の美学を感じたし、ずっと変わっていないと感じた」と撮影中のエピソードを交えて振り返っていた。
一方、『アウトレイジ』シリーズにも出演した加瀬は、「今までは助監督を通じて演出を受けていたが、今回は北野監督が直接現場に来て、一言ふた言おっしゃってくれることが多く、丁寧な演出を多く受けた感じがした」と話す。
また「すぐ本番に行くという恐怖がある」と北野組を振り返るのは大森。「一度、どこまで許されるのか、北野監督との気配でせめぎ合うというか…でもこれは本当に怖い。よっぽどのことがないと北野監督は『もう1回』っておっしゃらないんですよ。何回も同じことをやるのも大変ですが、1回しかできないという緊張感。これもすごく感じました」とそれぞれが北野監督と過ごした撮影時間を明かしている。